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■BB/1st full length album "BLACK BABEL" release live Noise Slaughter vol.13(2019年3月3日)@新大久保Earthdom

2014年のライヴ活動開始から現在に至るまで、ライヴを体感した人々から惜しみない賛辞を浴びるBB。長らく単独音源のリリースが待ち望まれていたがついに1stアルバム「BLACK BABEL」をリリースする。
そんな記念碑のレコ発は2017年に共にスプリットをリリースしたREDSHEERとの2マン。共に激音の可能性を追求し更新し続ける猛者の激突だ。
BBとREDSHEERの両者の激突は果たして地獄の底の底へと堕ちる悪夢なのか?それとも神の門が開く新世界への導きか?
この日は節句だったが生憎の雨模様。まだ冬が終わってない肌寒さを感じたが、暗黒の祝祭にはそのくらいが丁度いい。
多くの激音フリークスが待ち望んだ祝祭は正に事件と呼べるものだった。



・REDSHEER

スタート時間から10分ほど押してまずはREDSHEERのライヴから。
リフを弾き倒す凶悪なベースから始まった「Spiral Eyes」から三者の音が螺旋を描き渦巻いてくるサウンドスケープにいきなり圧倒される。
この日はアースダム自体の音響がかなり低音が強く凶悪な物になっていたのだが、そんな音響がREDSHEERのグルーヴとドンピシャにハマる。
今年の頭にリリースされたSUNDAY BLOODY SUNDAYとのスプリットから「Putrefaction」と「Forthcoming Fire」の2曲もこの日はプレイしたが、音源より更に強烈な音圧が雪崩のように押し寄せてくる様にカタルシスを感じたフリークスも多いだろう。
繰り広げられるのは息つく暇もない激昂の連続。時にはクリーントーンのパートで落として来たりもするが、REDSHEERは常に激昂の先にある赤黒い音の渦を生み出している。それこそがREDSHEERのライヴの一番の魅力だと感じるのだ。
1stアルバムからの「Curse From Sad Spirit」での不穏なメロディアスさからドラマティックに繰り広げられる展開はREDSHEERの変わらぬ核の一つだろう。REDSHEERはこれまでリリースした楽曲もライヴも常に筋書き通りにいかないドラマがたしかにある。
ラストはREDSHEER流のヘヴィロックこと「Me And Your Evil Spells」で締めくくられた。
この曲で締めくくられたのは一つの気づきだったのではないかと僕個人は思ったりする。地獄巡りの行き着く果ては自分たちが生きる世界なのかもしれないなんて自分勝手な事を思ったり。



・BB

この日の主役であるBB。毎回ライヴを観る度に進化を遂げているのは実感し続けていたが、この日のBBはこれまでの活動の集大成とも言えるライヴだった。
神々しくも混沌とした「INTRO」の時点でこの日のBBはこれまでのBBを置き去りにしていた。
REDSHEER同様に低音が凶悪なまでに出た音響が目の前に真っ黒な音の壁を感じさせるほど。音圧も音量も相当なものだった筈。
続く「SADOWY」とBBのライヴではお馴染みの流れではあるが、観る者をねじ伏せてやるという気概が音にそのまま現れていたのではないだろうか?
照明が常に赤一色で、ステージ上のメンバーを照らし、影を作り続けていたのも音と相まってより圧迫感と厳格さを表現。
しかし凶悪な音でねじ伏せるだけがBBではない。「SCARS」の爆音の中から感じられるメロディアスさもまたドラマティックであり、変拍子を駆使しながらもグルーヴ感溢れる演奏が複雑かつ混沌としながらも、一つの手がかりのように音の輪郭を確かに掴ませてくれる。
ラスト2曲の「DISENGAGE」と「FEEL」は特にこの夜を象徴するものだった。前者はBBの持つダークネスの真骨頂であり、後者は混沌の先の光を感じさせる救いの様な1曲。そんな相反する筈の2曲が当たり前に同居し、鬼神の声と演奏と共にバーストする。そのドラマティックさはBBだからこそ辿り着けた領域だろう。
やると思っていなかったアンコールではデモから「Anguish」をプレイ。BBの中でも特にドライヴ感に溢れロックを感じさせる曲で終わったのもREDSHEER同様に気づきであったのかもしれない。なによりも爆音の高揚感で観る者を昇天させた筈だ。
圧巻の約1時間。鬼神BBのこれまでを総括し、そしてこれから先に待つ進化を期待するしかないライヴだった。



BBとREDSHEERという激音を更新し続ける両者の地獄の2マンはフリークスたちにとって大きな事件としてこれから語り継がれていくだろう。
常に予想と想像の遥か先にある景色を体感させてくれる両者に改めて感服した次第だ。
しかし両者共、今後のライヴでこの日体感した音像を余裕で超えるものを体感させてくれるのも確信している。それは僕だけじゃなく、この地獄の2マンを目撃した人たちも同じだと思う。
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