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■御壁/Z


御壁御壁
(2006/09/17)
Z

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 元There Is A Light That Never Goes Outのメンバー達によって結成されたポストコアバンドであるZの1stアルバム。未整合の発狂した混沌が作品を支配し、ヘビィかつインプロ的アプローチのギターだったり、フリーキーに鳴らされるサックスだったりと、ミドルテンポのポリリズムの海をフリージャズ・ハードコア・インプロと幅広く自由に行き来するサウンドが生み出す唯一無二の煙たいサウンドが実に印象的だ。



 作品全体に漂うのはカオティックな禍々しい音塊だ。第1曲「500万円」からドープで煙たいドラッグ的音塊が鳴り響いている。魚頭氏のギターは明確なリフをしっかりと弾きながらも、徹底的に拘った空間的な音の鳴りは不穏の空気を作り上げているし、それと根本潤のサックスの音が混沌とした空間を生み出している。
 第3曲「図式マン」の様なハードコアの分かりやすい即効性を持った楽曲に於いてもその異様さは健在だ。終わりなく繰り返すギターリフとドラムのビートは螺旋階段の様な不気味な渦を作り上げ、そこに自由なサックスと根本潤の純度200%のパラノイアな言葉が乗り、仄暗い濃霧の様な不気味なサウンドが完成しているのだ。
 作品全体を通して言えるのは自由なサックスの音色が歌い叫ぶ様になり響いている事だ、即興性の強いインプロ的楽曲は分かりやすさなど皆無で、聴けば聴く程に掴めないまま取り込まれていくカタルシスが今作を象徴している。



 ゼアイズという激情系ハードコアを経て、より危険でより自由な音を目指す様になったのがZというバンドだ。今作はハードコアを経過した音でありながら分かりやすいアプローチや即効性のある音の快楽は少ない。だがフリージャズとインプロ的アプローチが成す型に捕らわれ無い音のカタルシスは中毒性が抜群に高く、難解でありながらもその音を理解しようとすればする程に、不穏の煙たい音塊に取り憑かれるのは間違い無いであろう。
 音楽に対する純度の高さをより自由な方向へ向いた故の、カテゴライズ不能のカタルシスの世界。間違い無くZは辺境地へと旅立っている。
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