■Empty Words/From Hell
![]() | EMPTY WORDS (2004/04/21) FROM HELL 商品詳細を見る |
Hellchildのメンバーによって結成されたのがこのFrom Hellであるが、04年に発表された今作はスラッジ・ドゥームの純粋な殺意ばかりを噴出する外側にも内側にも有効な破壊的ヘビィネスを炸裂させている。それでいてハードコアもしっかりと通過しているから、即効性にも満ちているという残虐極まりない重圧殺ヘビィロック絵巻と言って良いだろう。
今作はいきなりスラッジコアの毒素に満ちた超ヘビィなリフで幕を開ける。第1曲「Seeking The Invisible」から極悪極まりないスラッジ・ドゥームを展開しているのだ!蛇の様に這いずり回るリフ、ズ太く重いベースライン、静謐なアルペジオとスラッジリフの対比、並大抵のバンドには出せない殺意が満ちているのだ。しかし第2曲「Words Deprive You」ではBPMも早くなりかなりハードコア色の強い楽曲を展開してる。今作の中でもかなり聴きやすい楽曲ではあるが、From Hellのヘビィさはしかkり健在。今作で特に印象的なのはズ太く硬質なアタック感が強烈なベースの音であり、例えギターが静謐な旋律を奏でていてもベースのヘビィなフレーズの存在によって作品全体におけるヘビィさは全く削がれていないし、より幅の広い展開を可能にしているのだ。
しかしながら今作でのアプローチの幅は本当に広い。第3曲「Life, The Precious」はモダンヘビィネスのカラーも出ているキラーチューンと言って良いし、第6曲「Swirls Of Words」はカオティックハードコア色のあるピロピロのギターフレーズが楽曲を引っ張っているだが楽曲は完全にFrom Hellの音として統一されているし、どんなアプローチをしても殺気に満ちたヘビィネスは絶対に揺らがないのだ。特にボーカルのTSUKASA氏のハードコアとヘビィロックの狭間で、殺意をバラ撒き、精神世界のダークネスを確かに表現するボーカルの存在がやはりFrom Hellにとって大きな要素になっているからではないだろうか。
スラッジコアとハードコアを基調にしながら、決して単純のヘビィな音を鳴らすのではなく、様々な手法を取り入れる事によって、確実に聴き手をブチ殺せる破壊と悲しみのヘビィネスが今作には存在している。慟哭と殺意を極限までヘビィな音で鳴らした今作、かなり聴き手を選ぶだろうし壮絶極まりないが、負の感情をここまでダイレクトにぶつけてくるバンドは中々いないし、おぞましい位のカタルシスが今作には存在している。