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■Romantik Suicide/KANASHIMI

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 静岡出身の自殺系ブラックメタルのユニットであるKANASHIMIの09年発表の6曲入りの作品。全てのパートを首謀者であるMisanthropの手で行っており、完全なる独りブラックメタルであるが、メロウで耽美な旋律と、くぐもったギターリフが作り出す陰鬱で刹那的で終わりを鳴らすかの様な虚無感が作品全体に満ちており、名前通り計り知れない悲しみを鳴らしている。



 第1曲「Romantik Suicide」からKANASHIMIの陰鬱で耽美なブラックメタルの世界が展開されている。ピアノの旋律は儚く、スローテンポの曲調と深い森の中の霧の様なギターリフが幻想的でありながらも、希望など全く存在しない絶望的世界を作り上げている。ガナリ声のボーカルもまた、その絶望的世界に拍車をかけてくる。音の篭りなくったギターリフで埋め尽くされる第2曲「Kanashimi no Rensa」も徹底して終わりの無い悲しみをミドルテンポで鳴らしている。薄っすらと入るキーボードの旋律が効果的にその黒の世界に黒を塗りつぶすかの様な感傷を加速させ、聴き手に甘く陰鬱な絶望を浴びせてくる。
 そしてハイライトは第5曲「Zetsubou no Namida」だ。スローテンポでじりじりと展開されるこの曲は、人の精神世界に入り込んでいるかの様な終わりなき苦痛と悲しみが走馬灯の様に流れていくかの様な楽曲だ。今作で最も美しいこの曲はとんでもない耽美な甘さを持っているし、それがまたこの絶望的世界に入り込んだまま抜け出せなくなってしまいそうになる要因だ。徐々にその神秘的な世界を加速させてゆき、そのまま消え去って行くこの楽曲の美しさは素晴らしい物がある。



 自殺系ブラックメタルという取っ付き難さのある音楽ではあるが、全体的にメロウで美しい旋律もあり、耽美な甘さがあるから楽曲の世界に感情移入する余地は十分にあるし、かなり聴き易い作品ではないかと思う。ここら辺のジャンルに興味があるけど、ちょっと手を出すのが怖い人にもお勧めしやすいし、自殺系ブラック愛好家の人もこの耽美で美しい世界に癒されると思う。国産自殺系ブラックのかなり良質な作品なので是非とも機会があれば聴いてみて欲しい。
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Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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