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■Recitation/Envy


RecitationRecitation
(2010/09/22)
envy

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 激情系ハードコアのその先へ。激情系の礎を作り上げながらも、常にその音を更新させ続けているEnvyの2010年発表の6枚目にあたるアルバム。「Insomniac doze」以降、その音楽性を大きく変え、静謐な美しさすら鳴らす様になったEnvyであるが、今作ではそれを更に突き詰め、それでいてハードコアとしての形を崩すことなく突き進んでいくかの様な作品だ。今作にあるのは溢れんばかりの眩い光に満ち溢れた、美しくも力強い轟音の嵐だ。Envyはまた自らの音を進化させたのだ。



 まずSE的な役割を果たしている第1曲「Guidance」からその美しい物語の幕開けを彩っている。女優の奥貫薫のポエトリーリーディングと美しいアルペジオの旋律の優しい温もりに心がキュッと締め付けられそうになる。そこから静謐で美しいアルペジオから一気にドラマティックに轟音ハードコアへと変貌を遂げる第2曲「Last Hours Of Eternity」で一気に体中が熱くなり、力強い激情の世界へと飛び立つ様は本当に美しいといか言えない。音こそとんでもない音圧で、壮大なスケールを持っているが、ダークさは全く無く、ただ光に手を伸ばすかの様なエモーショナルな世界が展開され序盤から一気にクライマックスへと飛び立つかの様な穢れ無き純度の音が優しく聴き手を包み込んでいくのだ。第3曲「Rain Clouds Running In A Holy Night」の激情ハードコア絵巻でそのドラマティックな世界は美しくヘビィでありながら、止まることの知らない希望と光に満ち溢れた賛美歌の様な音塊へと雪崩込み、Envyが近年追い続けた光と力強さと美しさの激情が最高の形で完成した事を見事に証明している。また今作はハードコアを基調としながらも、その音楽的な広がりも見せ付ける物になっている。ポストロック色の強く、オーガニックさと温もりに溢れた旋律が印象的な第5曲「Light And Solitude」はそのエモーショナルさに満ちた終盤のハードコアパートで一気に音の粒子が爆発するかの様な美しさを感じるし、ここ最近のライブでは必殺の1曲となっている第6曲「Dreams Coming To An End」の疾走感とポジティブなエネルギーは自らを鍛え上げたからこその揺ぎ無い強さを感じさせてくれる。特に素晴らしいと思ったのは第8曲「Worn Heels And The Hands We Hold」だ。恐らく今作で最も力強い希望を感じさせてくれる必殺の激情が暴発するこの曲はハードコアとしてのスタイルを貫いたまま壮大なスケールを持った光と闇が交錯する1曲。長い夜を超え、昇り上がる朝日を見つめているかの様な情景すら浮かんでしまう。「今日を精一杯駆け抜ける君に、鼓動を刻む明日は来る。」なんてフレーズはかつてのEnvyじゃ絶対に言わなかったフレーズだろうし、痛みすら乗り越えた先の世界を鳴らすバンドにEnvyは進化したのだ。第11曲「0 And 1」なんて今作で最も異質なスラッジナンバーなのだが、そこにダークさや殺気は一切存在せず、ただ光を追い求める叫びが力強くヘビィに鳴り響いている。そして第12曲「Your Hand」で再び奥貫薫のポエトリーリーディングによってこの壮大でドラマティックな激情ハードコア物語は終わりを告げる。



 今作には「君の靴と未来」の頃の様な痛みを鳴らす激情ハードコアとしてのEvnyは存在しない。下手したらポップな要素すら感じさせながらも、闇の中から眩いばかりの優しく美しい光を誰よりも強く鳴らすハードコアとしてのEnvyがここには存在しているのだ。レーベルメイトであり後輩格のheaven in her armsが抜け出す事の出来ない痛みと闇をヘビィかつ壮大に鳴らしているのに対して、Envyはシリアスでありながらも、確かな力と叫びを光差す方へ歌うバンドに進化したのだ!シーンを作り上げた先人は進化を止める事は無い。Envyもまた全てを置き去りにし、美しい光を描くハードコアバンドとして、見果てぬ彼方へと走り続けているのだ。



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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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