■Dommedagsnatt/Thorr's Hammer
![]() | Dommedagsnatt (2004/05/04) Thorr's Hammer 商品詳細を見る |
SUNN O)))のStephen O'MalleyとGreg AndersonがSUNN O)))の準メンバーであり、当時17歳だったRunhild Gammelsaeter(現在はKhylstやソロで活動してる)をボーカルに迎えて極めて短期間活動していたのがこのThorr's Hammerである。今となっては非常に多岐に渡る活動をしているSUNN O)))の二人が一番最初に組んだバンドであり、Southern Lordのレーベルとして一番最初に発表された記念的作品がこのEPである。デモ音源3曲とライブ音源1曲の計4曲の今作がThorr's Hammerが発表した唯一の作品だ。ドラムも後にBurning Witchでドラムを叩いてたJamie "Boggy" Sykesと、今思うとかなり豪華な面子で結成されていたバンドではなかろうか。
音楽的にはデス・ドゥームやフューネラル・ドゥームといった物であり、非常に遅く異常に重い、これらの音は何処かSUNN O)))にも通じる部分が少なからずある。第1曲「Norge」ではRunhildの魔女の様な女声のボーカルから一気に女性とは思えない迫真のデスを聴かせる。極悪でスロウなリフと、延々と響くベースの残響音と、緊張感がかなり強いスロウなドラムは、Runhildの歌声と見事なカタルシスを発生させている。所々普通に女声で美しくも不穏な歌声を聴かせ、それぞれベクトルの違う暗黒を対比させた見事な1曲だ!
第2曲「Troll」は若干BPMは速くなるが、音のヘビィさは変わらず、Runhildは全編に渡って悪意と殺気に満ちたデスを聴かせる。第3曲「Dommedagsnatt」はまるで終わる事の無い地獄の様であり、全てが虚無の様な感傷すら存在しない荒野の様に乾いた圧巻のドゥーム絵巻である。終盤はドラムとボーカルだけになり、響くデスボイスが、乾ききった暗黒を表現している。
後にカルト的な人気を誇るSUNN O)))の二人の一番最初の作品であり原点であるのが今作だが、この頃から地獄の拷問サウンドは健在である。本当に短期間で幕を閉じてしまったのが惜しくなる位に完成された暗黒。この作品から今に至るまでSUNN O)))を始め様々な形で悪意と狂気は拡散し続けてる。