■PINK/Boris


PINKPINK
(2005/11/18)
BORIS

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 ドゥームからストーナーからアンビエントまでと幅広い振れ幅を持っているBorisというバンドであるが、2005年発表の今作は、ヘビィロックとストーナーを基調にしている作品であるが、それぞれの楽曲が大きく振れ幅を持っており、決して単調な作品にはなっていない。しかしその殺気立った爆音も空間的な轟音も全て混ざり合った瞬間のカタルシスが今作にはパッケージングされており、それがBoris流のヘビィロックへと集結されていると言える作品だ。そしてBorisのヘビィロックの一つの到達点とも言える作品である。



 序盤からストーナーな轟音が襲ってくる作品にはなっておらず、第1曲「決別」はヘビィロックサイドとアンビエントサイドのBorisが一つのうねりとして現れた作品だ。耳を劈く爆音の轟音は非常に美しく、荒い爆音サウンドの粒子はどこか儚さすら感じさせてくれる物であるし、自らのストーナーサウンドをより奥深い物として仕立て上げた名曲で幕を開ける。そして第2曲「PINK」で刻みのリフとストーナーなヘビィロックサウンドがブギーするヘビィロックとしてのBorisで攻め立てる流れはBorisだからこそ生み出せる流れだ。神秘的な轟音から煙たい凶悪な爆音のリフが一つのロックとして均整の取れた物として存在している。そのまま続く「スクリーンの女」と「別になんでもない」のブギーするヘビィロックの砂埃とサイケデリックな感触が同居した音も今作の大きな魅力だ。ロックバンドとしてのBorisの馬力を否応無しに感じさせてくれる。
 今作は基調はヘビィロックとストーナーであるが、アンビエントやドゥームのカラーを持った楽曲も自然な形で同居させるBorisの懐の大きさが感じられる作品でもある。第5曲「ブラックアウト」はドゥーミーなリフの音塊が鉄槌の様に振り翳されていながら、サイケデリックな酩酊感が空間的轟音として響き渡っており、不意打ちの様に脳髄を侵されてしまう。第7曲「偽ブレッド」も思いっきりストーナーロックな音でありながら、その旋律の哀愁とヘビィロックからサイケデリックなドープさへと雪崩込んでいく瞬間はやはり一筋縄ではいかないと感じさせてくれる。そして集大成的な楽曲といえる最終曲「俺を捨てたところ」はBoris史上屈指の名曲だ。破滅へと暴走していくかの様な空間全てを埋め尽くす爆音のサウンドスケープはヘビィロックとしての破壊力も奥深い旋律も同居させ、その向こう側の世界へと無理矢理に連れて行かれ全てを飲み込む爆音と轟音の海へと誘っていく。



 今作はBorisの一つの到達点とも言える重要作品であり、自らの持っている武器を惜しみも無く開放し、その自らのヘビィロックを決定的な物にした。今作に至るまでBorisは様々なアプローチを繰り広げ多くの名作を生み出してきた訳であるが、今作でBorisのヘビィロックは確固たる形になったのだ。そしてBorisは現在も新たなアプローチを繰り返し、何をやらかすか分からないバンドとして多くのリスナーに支持され、毎回毎回多くの人々を驚かせ続けている。ヘビィロックの最果てへと暴走していくBorisのサウンドは矢張り唯一無二だ。



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