■This riff defeats a line of the people who line up a chinese noodle shop/Gomnupers
![]() | This riff defeats a line of the people who line up a Chinese noodle (2009/12/23) GOMNUPERS;MAN IS THE BASTARD 商品詳細を見る |
札幌を拠点に活動するハードコアバンドであるGomnupersの09年発表の3rdアルバム。これまでに発表された1stと2ndではストレートなハードコアを展開しながらも、そのリフはヘビィさは正に重圧殺マシーンの異名を得るに至るに相応しい極悪な物であった。そしてメンバーチェンジを経て発表された今作ではボーカルレスのインストバンドになっており、それ以上にストレートなハードコア路線からその重圧殺サウンドはそのままにBPMを一気に落としより極悪で殺気に満ちたスラッジコアバンドへと変貌を遂げている。
まず今まで以上にギターを始めとする各楽器隊の音圧と音量とヘビィさがより禍々しい音になっている。それでいて楽曲のBPMもスロウになりどこを切ってもスラッジコアな音になっている。しかし従来のスラッジコア以上にハードコア色の強さを感じる部分もあるし、それでいて引き摺る様な感触のスラッジリフといった要素を強く感じるし、そのリフの破壊力を増幅させる一発一発の音の重みも相当な物であるが、少ないリフで終わり無く展開するギターリフに対して、タイトかつ重みのあるドラムが徐々に展開や構成を変化させる事によって楽曲そのものに退屈さを感じさせる事は無い。それでいてどこか病的な感触を受けるのはリフの一音一音の響きであったりが手伝っている部分もあるだろう。個人的にはイタリアのLentoの様な一点集中型の破壊力と無慈悲さをこのバンドから感じるし、それをドゥーム側では無くスラッジ側からのアプローチを仕掛ける事によってこのバンドの核にあるハードコアさは失われる事無く、よりヘビィにより病的さを増したスラッジコアとしての音を感じる事が出来る。そして何よりも作品全体を通して遠慮なんか全く無く休まる事無く60分近くにも渡り重圧殺マシーンも無慈悲なスラッジ地獄がただ繰り広げられている。だが元々がハードコアバンドであった事もありそのリフはシンプルであるし、どこかハードコアのキャッチーさを仄かに感じさせてくれる部分がある様にも見えるのだ。
長い年月をかけて自らの音をビルドアップさせた結果、無慈悲で遠慮無しの重圧殺スラッジサウンドを完成させたこいつらであるが、過去の作品のストレートかつカオティックな絶叫重圧殺ハードコアから一気に化けた作品でもあるし、過去の作品を愛聴していた人でも戸惑いを覚えるかもしれない。しかし自らの最大の武器であったヘビィなリフを突き詰め極めたからこその今作のスラッジサウンドであり、その変化はどこか必然でもあるのだ。札幌の重圧殺マシーンは今もなお健在だ。