■Dopesmoker/Sleep
![]() | DOPESMOKER(直輸入盤・帯・ライナー付き) (2009/06/27) SLEEP(スリープ) 商品詳細を見る |
当時メジャーからリリースが中止され、発売される事なくSleepが空中分解し、99年にようやくリリーズされた全1曲のスラッジ・ストーナー史に残る大傑作であるSleepの3rdアルバム「Jerusalem」に削られてたパートを追加し、リマスターされたのがこの「Dopesmoker」である。1曲一時間超えの圧倒的なスケールを持ったマリファナ騎士団のエルサレムを目指す旅を表現した大作であり、Sleep史上はおろか、歴史的な名盤になったといえる作品であろう。
楽曲は基本的に単一のリフが延々と繰り返されるギター、それに上手く変化を付けてくリズム隊といった非常に聴き手を選別してしまう内容ではあるが、圧倒的な音圧で鳴らされる一寸の隙の無い緊張感と、ズルズルと聴き手をドープな世界に引きずり込むリフ。そして楽曲中の三度のギターソロは素晴らしい。特に合間合間のソロは、聴き手の脳髄から危険な分泌物を全て引きずり出しかねない圧倒的な煙たさと酩酊感を持っていて、マリファナの煙にまみれてる感覚になってしまう。単調な構成でここまでの物に仕上げてしまっている事、所々の見せ場となるパートの圧倒的な存在感の強さ、そして引き摺る単一リフで終わるラスト。最初から最後まで聴き所しかない。
そして今作ではボーナストラックとして未発表曲である「Sonic Titan」のライブ音源も収録されている。「Sleep's Holy Mountain」の頃のSleepに近い感触の楽曲であり、ストーナーなサウンドがドープに這いずり回る名曲だ。こちらもギターソロがかなり素晴らしいプレイを見せているので是非聴いて欲しい。終盤の一気に昇天してしまいそうなサウンドも最高だ。
SleepはHigh On FireとOMの二つに空中分解してしまったが、現在でもそれぞれが素晴らしい音楽を鳴らしている。Sleepというバンドの存在は奇跡だったとすら思ってしまう。今作で鳴らされている音の一つ一つの存在感は凄まじい。未開の地に到達してしまったSleepの歴史的作品である。