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■Empros/Russian Circles


EmprosEmpros
(2011/10/25)
Russian Circles

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 シカゴのポストメタルの雄ことRussian Circlesの2011年発表の4th。今までの3枚のアルバムはそれぞれのカラーを持った名盤であったが、今作で今まで培って来た物を最大限に生かす作品となった。ハードコアの強度も、ポストロック的知性も、美しい旋律も、ダークなカラーも、今までに無い位にそれらの要素を盛り込みそこからヘビィでタイトな音を放出したのが今作だ。目まぐるしい展開の中でヘビィな轟音と抒情性溢れる旋律と肉体の神経を刺激する躍動感を物にした作品だ。



 今作では今までに無い位に美しい旋律が際立っている印象を先ず受ける。ドラマティックかつ抒情性溢れる旋律によってRussian Circlesの中でも屈指のキャッチーさを感じさせてくれる楽曲が並ぶ。このバンドは安易に暴発パートにはならず、クライマックス寸前の絶妙な緊張感を維持する構成が売りであるが、今作は今までに無い位に暴発した音が目立つ。しかしそれは静謐さから轟音へと移行するといった作風では無く、ダイナミックなバンドのアンサンブルがより際立ち、それに加え旋律のドラマ性の相乗効果による物だ。第1曲「309」はいきなりクライマックスと言わんばかりに重厚な轟音のアンサンブルが降り注いでいる。しかしそのクライマックスの爆発からその熱量をじわじわ維持したり落としたり、また上げていったりという構成はやはりRussian Circlesならではだ。空間的な音に反し、激重のベースラインのヘビィさとダイナミックといった要素もバンドの変化を強く感じる。特にバンドの大きな成長を感じたのは第2曲「Mladek」だ。反復するアルペジオとダイナミックなリズムセクションからダークさを感じさせる旋律とヘビィさの際立つパートへ移行し、そこから焦らす様なアレペジオとビートの反復、徐々に熱量を上げては落としてを繰り返し、焦らしに焦らすRussian Circles節も炸裂する。今までのRussian Circlesの音を総括する様な名曲に仕上がった。今作は楽曲のバリエーションも本当に豊富で、第3曲「Schiphol」の静謐さを感じさせながらスラッジな音が無慈悲に振り落とされるパートからその闇を引き裂きカオティックな轟音で突き抜けて行くカタルシス、第4曲「Atackla」のポストロック色の強いギターフレーズの反復とは対照的に今作の大きなキモになっているダイナミックなリズム隊の躍動感が生み出すバンドとしての馬力と終盤の三位一体のヘビィネス、第5曲「Batu」の静けさの中から美しい轟音の旋律の抒情性。本当にそれぞれの楽曲のアプローチは今までに無く幅広くなった。だからこそRussian Circlesのバンドとしての核がより強くなり、自らの強靭なアンサンブルがより鉄壁になった今作は彼らがネクストレベルへ進化し、ポストメタル勢の中でも独自の音と方法論を完全に確立した事の証明でもある。



 ポストメタル勢でも異質の存在であったRussian Circlesであるが、今までの自らの音を消化し、バンドとしてのダイナミックさと旋律の美しさとキャッチーさ、独自の構成と展開の方法論を格段に向上させた今作は紛れも無い傑作である。そして何よりも彼らの中のハードコアの血肉を今作ではより強く感じる事が出来たのも大きい。2011年のポストメタルシーンの重要作品であるのは間違いない。彼等にしか出来ないポストメタルは先人達すら喰い殺す勢いだ。
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