■被覆する閉塞/heaven in her arms


被覆する閉塞被覆する閉塞
(2009/02/11)
heaven in her arms

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 heaven in her armsの2009年に発表されたEP。前作「黒斑の侵食」で見せた激情系ハードコアの攻撃的なサウンドは薄くなり、より情緒性と静謐さが際立つ4曲入りのEPである。しかしそれは攻撃性とダークさをより際立たせる物になっている。長尺の曲が殆どで、この頃からHIHAは大作思考に移行し始めてるといえる。基本的なサウンドは前作の延長にあるが、より音は説得力を持ち、深い世界観を表現出来る様になったのではないだろうか?より美しさを増し、より漆黒へと近づいた見事な傑作である。



 第1曲「縫合不全」からバンドの進化は伺える。深遠なるアンビエントさと美しいポストロック的なフレーズにシリアスなポエトリーリーディングが入っていく。不穏さと悲しさは少しずつ濃度を増し、そしてポエトリーと悲痛な叫びが混ざり合い始め、一気にシンフォニックかつ悲しみに溢れた激情パートに移行しバーストしていく、ドラマティックな名曲だ。
 第2曲「錆びた爪痕」も同様に抜け出す事が困難な深い森に迷い込んでしまったかの様な1曲。少しずつ絶望感で埋め尽くされてく楽曲は悲しみとダークさに比例して激しさを増し、全てを焼き尽くす漆黒の炎の様に燃える。ディストーションのギターとクリーンなアルペジオのフレーズが混ざり合い、悲しみの残響音に乗るのは「眼球をつるせ!」という悲しい叫び。そして再び美しいアルペジオが響くパートから絶望を鳴らす轟音が響き渡る。
 そしてハイライトである第4曲「角膜で月は歪む」はHIHA屈指の大名曲であろう。シンフォニックな美しさを持った激しいギターが響き渡る。のっけからクライマックスな壮大な深遠さと、絶望感と、少しばかりの慈悲深さと、それらの感情が一気に駆け巡っていく。



 そしてHIHAは次回作「幻月」で更に深い怨念と悲しみのマグマを表現する世界へと旅立つ。この作品でHIHAは確固たる世界を確立した。他の何処にも属さない孤高の轟音を鳴らすバンドとして、確かな強さを今作でHIHAは手に入れた。
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