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■El Mundo Frio/Corrupted

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 大阪が生み出した激重神であるコラプの04年発表の2ndアルバム。コラプはフルアルバムになるととんでも無い長さの超大作を生み出しているが、1stに比べたら尺は短いけど今作も全1曲71分の超大作に仕上がっている。そして今作も70分以上に及ぶ静謐さから激重の音まで登場する作品になっており、大傑作の1st同様に精神的なへビィさと徹底的に負と悲しみの世界を何のオブラートにも包まずに叩き付けてくる作品だ。そしてその荒涼さを極めた世界を何処までも重く、そして美しく描くそんな作品だ。



 まず耳に入ってくるのはくぐもったダークアンビエントな持続音、そこに微かにアコースティックギターが入りコーラスのかかったギターも入ってくる。そのアルペジオは虚無感に満ちた旋律でありバックのアンビエントな音との相乗効果でそのクリーントーンの旋律ですら精神的重みを感じ潰されそうな圧迫感を体感する。静かに刻まれるドラムも入りバックで若干ハウリング音も入り、その重苦しさの中で少しずつ精神世界の地獄の扉が開かれる。そしてその静謐さから雷鳴の如しスラッジリフが打ち落とされた瞬間に聴き手の世界は完全にコラプに支配される。静かに刻まれるハイハットと共に超重の推進力皆無のスネアの音が脳髄ごと叩き潰し、ベースとギターの超低域重圧殺リフが漆黒の音色を放出する。渦巻く轟音はどこか美しさすら感じさせてしまうし、この厳かかつ完膚無きまでに絶望をお見舞いするコラプの真骨頂が発揮されている。そしてその先に再び静謐なパートへと移行する。クリーントーンのアルペジオの美しさとは対称的にビートはやはり重苦しく、奈落を堂々巡りするかの様に不穏の音が繰り返される。そして22分を過ぎた辺りでやっとhevi氏のボーカルが入る。hevi氏のポエトリーリーディングは今にも息絶えそうな人間が残す遺言の様な重みを孕んでいるし、その一つ一つの言葉が楽器隊の音すら凌駕する絶望を描いている。説教の様なポエトリーリーディングからは完全にその憎しみと悲しみに満ちた咆哮を開放し、コラプにしか生み出せないスラッジ絵巻が完全に幕を開ける。後半からは再び静謐なパートに移行し、その少ない音数で描く世界はやはり荒涼としているし、その音の一つ一つの重みは桁違いだ。その音色も徐々に歪みを強めて行きポストロック的な音を鳴らしながらもそこに再びhevi氏のポエトリーリーディングが乗り、静謐な美しさの向こう側にある消えて行った命の叫びを代弁するかの様な言葉と音に為す術無く凍りつくだけ。終盤に入り消え入りそうなポエトリーリーディングは続きながら極限まで音数を減らしたスラッジサウンドへ。しかしその音数に関わらずやはり歪みまくった激重の音が全てを焼き尽くす。そしてラストは静かに爪弾かれるアコースティックギターのみになりその先の無へと誘われ終わりを告げる。



 今作はコラプらしい激重スラッジも見事に炸裂しているが、静謐なパートの比重もかなり大きく作品全体でかなりフューネラルな空気が充満している。そして轟音の先にあるのは全ての悲しみと嘆きを集めた様な叫びでもあるし、静謐なパートでも音圧やスラッジさに頼らずとも、そのクリーンな音のみで痛みと悲しみを描く。寧ろクリーンになったからこそその痛みがダイレクトに伝わってくる。聴き手はただその音に飲み込まれるしか無いのだ。今作も1st同様に決して取っ付き易い作品では無いし、本当に重苦しい音のみが存在する作品だ。しかし徹底的に鳴らされる痛みと悲しみの音はありえない位に美しいし。コラプの持つ美しさの要素が今作はかなり出ている。こんな音はコラプにしか出せないし、今作もやはり屈指の大傑作であるのだ。



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