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■END HITS/FUGAZI


End HitsEnd Hits
(1998/04/28)
Fugazi

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 Minor ThreatでDCハードコアの礎を作り、このFUGAZIで90年代のポストハードコアを作り上げたイアンマッケイであるが、彼のキャリアの中でも最高傑作とも言える作品が98年にFUGAZIの5thアルバムとして発表された今作だ。ベスト盤の様なタイトルであるがれっきとしたオリジナルアルバムでもあるし、FUGAZIが目指したポストハードコアの紛れも無い到達点である。形式化するハードコアに対するアンチテーゼとしてイアンはFUGAZIを結成したが、イアンが目指したハードコアを打ち砕くハードコアが今作であるのだ。



 今作はハードコアらしさを求めて聴くと初聴では少し肩透かしを食らう人もいるかもしれない。決して分かりやすいハードコアサウンドじゃ無いし、初聴では地味に聴こえてしまう楽曲も多いからだ。しかし今作は聴き込めば聴き込む程にオリジナリティ溢れるアンサンブルとサウンドセクション。多彩な方法論、それでいて何処をどう切ってもFUGAZIにしか鳴らせない音が存在し、ハードコアの向こう側にFUGAZIが到達した記念碑であるのだから。第1曲「Break」から先ず異質で、16分の刻みのリフと怪奇なリズムセクションは何処かファンキーさを感じさせながらも静謐な緊張感の中で進行するアンサンブルからイアンのシャウトと共に暴発するカタルシスによりEND HITSの世界へと引き摺り込まれる。ミニマムさを感じるリフのループからタメて暴発する第2曲「Place Position」もFUGAZIにしか生み出せない緻密さと独創性を感じる。不協和音とポストロック的なアンサンブルによって不穏のサウンドを奏でる第4曲「No Suprise」なんかは今作でも屈指の名曲であるし、熱量を上げたと思えば沈静化させるいs、構成は異形その物。変則的なリズムセクションとクールさでありながらも熱量の高まりを感じさせる終盤の展開は鳥肌物だ。第5曲「Five Corporations」や第6曲「Caustic Acrostic」の様な必殺のリフが炸裂する分かり易い1曲もFUGAZIが鍛え上げた構築とハードコアの美学が融合しているし、紛れも無いFUGAZI節がそこにはあるのだ。単音リフを巧みに操り、ストイックさが際立ちながらもそれをハードコアに結びつけるセンスこそ正にFUGAZI節であると言える。鐘の音を導入しレゲエ風のリズムで展開していく第8曲「Floating Boy」何かも今作の多彩さを感じさせてくれるし、変則のリズムとギターフレーズが脳髄を犯し尽くしてくる魔力の存在がそこにある。第10曲「Arpeggiator」のほぼ一つのコードで進行しながらも緻密な構成によりマスロック調のアンサンブルまで飛び出す様もFUGAZIの発想力の凄まじさに恐怖すら覚えるレベルだ。最終曲である第13曲「F/D」は特に静謐なアコースティックパートと暴発する激情パートの対比が見事であるし、ラストはインプロ的なアンサンブルで終わり決して分かりやすいドラマティックさでは無く狂騒感の中で終わりを迎える。



 FUGAZIが目指したのは既存のハードコアを打ち砕いた先のハードコアであり、今作はそのFUGAZIのコンセプトを一番強く感じる作品であり間違いなく最高傑作であり、ポストハードコアではDrive Like Jehuの「Yank Crime」に並ぶ最重要作品だ。そのアイデアを取り込みながら、美しいベースラインも隙の全く無いドラムも、そのアイデアを体現しながらもストイックな格好良さを見せるギターワークもイアンの殺気に満ちたボーカルも全てがその先の音を生み出しているのだ。ハードコア=進化を体現した今作は紛れも無くFUGAZIが最果てのバンドである事を証明している。



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