■Fragile、minameeeロングインタビュー

Fragileアー写



 奈良と大阪を拠点に活動するツインフロントダブルジャズマスターのオルタナティブロックバンドであるFragileが晴れて2012年1月初頭に1stミニアルバムである「Clappedout air」をリリースした(当ブログのレビューはこちらから)。男女のツインボーカルでポストハードコア・USエモ・ギターポップを食らい、それを消化した上でのFragileのサウンドを味わえる快作に仕上がったのだが、この奈良という一地方から登場したFragileという若きオルタナティブバンドを多くの人に知ってもらいたい想いから、今回Vo&GtでありFragileの首謀者であるminameeeことミナミ(実は僕と同年代だったりする)にインタビューした。Fragileの結成の経緯と今回リリースした「Clappedout air」について色々と聞いてみた。まだまだ決して知名度があるバンドでは無いのかもしれないし1stミニアルバムをリリースしたばかりの若手バンドではあるが、LOSTAGEという日本のオルタナティブロックシーンの英雄を生み出した奈良という地でこのようなバンドが登場した事はシーンにとって大きな意味があるのではないかと個人的に思ったりもするのだ。Fragileは間違いなく大きな進化と飛躍を見せてくれるバンドだと個人的に思っているし、だからこそもっと多くの音楽好きに知って欲しいバンドでもあるのだ。だからこそ今回のインタビューで多くの人にFragileを知ってもらって、多くの人がFragileの音に触れる事を心から祈っている。





■先ずはベタな質問だけど、Fragileの結成の経緯なんか教えて欲しいな。Fragileを知らない人も多いと思うし。

ミナミ:Fragileの結成の経緯はこんぼいさん(Ba)が前のバンドを解散したあとに僕にバンドしないかと誘ってきた。その時、僕はバンドメンバーを探していて1年くらい経っていて、よくある住んでいる場所が遠い事や音楽性の違いやなんか理由にバンドは上手くいっていなかった。そこで同じ大学の音楽サークル(サークルは別)のこんぼいさんが新入生歓迎LIVEやってた僕を観てくれていてバンドに誘ってくれた。

■ますいさん(Dr)も確か同じ大学だったよね。

ミナミ:うん。ますいさんも同じ大学でますいさんとこんぼいさんは同じサークルでした。ますいさんも同じ時期にバンドを解散してバンドをしたかったみたい。それからこんぼいさんとスタジオに入ったりしたけれど、半年はバンドをするのを断ってたんだよ。昔はVELTPUNCHみたいなバンドをやりたくて、1年半位女性ベーシストを探していたんだけれど見付からなかったんだ。でも1年半探しても見付からなくて、もう自分にはバンドは出来ないんじゃないかなとか考えたけれど、結局バンドが出来なかったのは全部自分が原因でさっき言った音楽性の違いがどうやらとか、住んでる場所が遠いなんてゆう事を言い訳にしてたと思う。どんなメンバーになっても自分さえしっかりすればきっと上手くいくって思ったんだ。 その時にに出来た曲が「Rooser」という曲。それでやっと胸を張って曲が出来たので、こんぼいさんに連絡した。

■そこでFragileが本格的に形になり始めた訳だね。

ミナミ:うん。そしてこんぼいさんがますいさんを誘ってスタジオでテープ録音した荒い音質のRooserが出来た。そして女性ベーシストが見付からなかったんだから入れるなら女性ギタリストってなった。当時Number girlに激ハマりしていたのもあるし、ジャズマスターを買ったのも田渕さん(Number Girlのギタリスト)の影響だよ。ただメンバー募集に「~好きです。~したいです。連絡ください」じゃなくてこういった音楽をしたいですってマイスペ作ってテープで録音した音源のURLを張って宣伝した。その方が言葉以上に伝わると思ったから。今となっては自分のしたかったことがまとまってなかったし、それを説明する文章力がなかっただけだと思うけど。そこで当時流行っていたmixiのメンバー募集の宣伝に絵美ちゃん(Gt&Vo)がメッセージをくれて、「奈良ファミリー」っていう奈良の大型ショッピングモールで会ってみて、スタジオで録った音源を聴いてもらって、リスペクトしてるバンドはこれですって絵美ちゃんに聴いてもらったのがSPIRAL CHORD。絵美ちゃんはLOSTAGEが好きだとかそんな感じの会話をしたよ。LOSTAGEは一回ライブを見た事があったし格好良いのも知っていたけど、当時は大学のサークル内でLOSTAGEが流行ってて、流行ってるからあまり聴かなくて、ぶっちゃけあまり知らなかった。

■でもLOSTAGEって奈良が誇るオルタナティブバンドでもあるし、やっぱり奈良の音楽好きな奴等の間での影響力みたいのもあったと思うんだ。それにミナミの好きなUSオルタナや北海道のポストハードコアともリンクしている部分はあるし、絵美ちゃんがFragileに加入するのは結構必然だったと思うよ。

ミナミ:うんうん。そして後になってちゃんと音源をちゃんと聴いて「MIND JIVE」って曲が凄い格好良いってなった。USオルタナはその頃から聴いていたんだけどポストハードコアに関しては今より聴いてなかったと思う。そのころ外国のバンドは圧倒的にSmashing pumpkinsやSonic youth、Dainasor.Jrあたりを聴いてた。初めてLOSTAGEの「MIND JIVE」を聴いたときは100%(Sonic YouthのDirtyの一曲目)に似てる!!ていうかSonic Youthみたいなバンドだ!!!!!みたいな感じだったよ。

■そこで色々リンクしたと思うし、Fragileが本格的にベクトルが定まる切欠にもなったと思うよ。

ミナミ:うんうん。それでも僕自身がLOSTAGEを聴いたのは本当に遅くて、もうバンドは始まっていて、SPIRAL CHORDが「サ・ヨ・ナ・ラ・セ・カ・イ」を出した時。その頃にスタジオで「RED」(LOSTAGEの代表曲)が流れていて、「distance to substance」(SPIRAL CHORDの名曲)が流れてる!!と思ったらLOSTAGEだった。勿論、格好良すぎて衝撃を受けた。

■だからとミナミと絵美ちゃんの感性はリンクしてるし、それがFragileのツインフロント・ダブルジャズマスターってスタイルに絶対に繋がってると思う。逆にこんぼいさんやますいさんはそのフロントの二人の感性とどんな感じにリンクしたかは気になる所でもあるけどね。ライブ見て思ったけど、こんぼいさんもFragileの参謀的な存在にも見えるし。何というかミナミのワンマンバンドでは無くて、個性の強い4人がぶつかりあって出来たバンドに見える。

ミナミ:そうだね。今のFragileはそう思うというかそうなったんだけれど、最初の頃は殆どが僕が中心になって曲を作っていたし。といっても僕の作り方はなるべく個性を殺したくないのというか正直イメージ通りになっても面白く無いみたいな物も当時はあってね。こんぼいさんはバンドを誘ってきた当初はやたらとポストロック、ポストロックが口癖のように言ってた。downyが好きと言ってたことを覚えてる。ますいさんに関してはGRAPEVINEなんかで話が合った気がする。この人はなんでも聴いてくれるだけど、逆に堅い芯みたいな物が無いかもしれない。でもドラムが好き!って言うのがますいさんの芯なのかもしれない。そんなメンバーが聴いてる音楽も生かしたいっていうのもある。全員聴いてる物が一緒だったらただのコピーになりそうだし、似てる事が悪いことじゃなくて、個性が出る事で、その場その場のスタジオの中の新しい感覚が楽しかった。話を戻すと、絵美ちゃんに音源を聴いてもらってやってみたいです!って話になって一度スタジオに入ることになった。ただその時は絵美ちゃんが言ってたLOSTAGEは詳しく知らなかったんだけど、LOSTAGEがSPIRAL CHORDとツアーに出てる事は知っていたので多分音楽性は絵美ちゃんと合うんじゃないかなって。

■それで晴れて絵美ちゃんが加入して現在の体制になってFragileは本格的に活動を始めた訳だね。

ミナミ:うん。ただ一つ条件があって、絵美ちゃんにはジャズマスターかジャガーを買って貰うっていうのがあった。絵美ちゃんはそのころテレキャスに興味があったんだけど、何とか考えて貰って、二人で詩奏しに行ってジャズマスターを選んだんだ。

■それが今のFragileの枕詞になってるダブルジャズマスターの由来だった訳か。でも男女ツインボーカルのフロントでどっちもジャズマスってのは見る側からしたらやっぱインパクトは少なからずあると思うよ。

ミナミ:うん。僕もそう思うし、そんなバンド観てみたい。完全にあの時はbloodthirsty butchersの影響だったけどね。本当に不思議だった。田渕さんにあこがれて買ったジャズマスターが、好きなアーティストが増えるたびにジャズマスター弾いてる人ばかりだったからさ。

■その辺りの先輩達の影響ってやっぱあるだろうし、Fragileはそれを正当な形で継承してると思う。それでライブ活動を重ねて、晴れて処女作である「Clappedout air」のリリースになった訳だけど、今までのdemo音源に入ってる曲はやっぱりミナミのカラーが強かった気もするんだ。今回のミニアルバムには入ってないけど「魔人間」(demo音源に収録、下記のYoutube動画とMySpaceにて視聴可能)なんてそんな曲だし。でもこうして一つの形になった訳だけど、ミナミのバンドっていうよりもさっき言ったみたいに4人の個性が結びついてFragileが本格的にスタートラインに立った様に見えるんだ。

ミナミ:うんうん。今までどうしても僕一人で作ってきた所があったけど、バンドとしてそれが変わってきてこういった形でそれを証明することができたと思う。みんなで意見出し合ったり、こんぼいさんがコード進行考えてくれたり。今回のミニアルバムの最後の曲である「fade out」に至っては絵美ちゃんの弾き語りをバンドサウンドした所もあったし。1曲目の「マリオネット」なんかもう作って一年以上経つと思うんだけど、star marketの影響が出すぎてた部分が絵美ちゃんに歌って貰う事で雰囲気ががらーって変わったし。

■そうそう。「マリオネット」は絵美ちゃんの持ってるポップな感覚とFragileの持ってるキャッチーな側面が綺麗に結びついてる。それでいて風通しの良いエモーショナルさもあるしね。

ミナミ:僕に出せないポップな部分を絵美ちゃんが凄く持っていてそれは自分達のカラーを作り上げるひとつだと思う。

■ミナミと絵美ちゃんて共通する部分も多いけど、やっぱ男と女という違う性別の生き物だし、感性も違う。二人ともポップな部分も尖った部分も持ってるけど、やっぱ違うベクトルを向いてるし、それをツインフロントとして生かせるのは大きいよ。

ミナミ:うんうん。絵美ちゃんがメンバー加入した当初はギターを始めて1年経って無い位で、その絵美ちゃんに僕が使うコードを教えて、僕がスタジオでの曲作りの仕方も彼女は見てきたせいか、たまに似てるな。と思う所があるけれど、絵美ちゃんと僕は共通する部分もあるけれど、やっぱり全然違うと思う。時間が経って彼女が我を出せば出すほどそれが分かった。お互いのポップな部分と尖った部分はあるけれど、全く違うベクトルを向いていると思う。これをしろ、言ってないから、私はこれがしたい!僕はこれがしたい!ってぶつかり合うし、だからこそめちゃくちゃに見えるかもしれないけれど、成り立った時のツインフロントは武器だと思う。

■逆の2曲目の「Bazzet」はミナミのパラノった部分というか狂気的な部分が出てる曲だし、「マリオネット」とは対極にあるポストハードコアサウンドだけど、絵美ちゃんの存在がそこに大きなアクセントを加えている様にも見えるしね。

ミナミ:あの曲はもろにPitchforkの影響が出てしまったんだけれど、バンドで合わせてみると不思議と変わっていって、絵美ちゃん独特のコーラスの上に、あんなポップな歌を歌う彼女があんなギターのフレーズを考えてきて面白く仕上がったよ。

■だからFragileの持つハードコア・オルタナの狂気と浮遊感に満ちたポップさが上手に結びついた作品になったと思うよ。BP.やmoonwalkに近い物を感じるけど、それの真似事じゃなくてFragileとしての色が確かに出た作品だし、多くの人にアプローチ出来る筈だよ。

ミナミ:最初の頃は絵美ちゃんにmoonwalkのバンドウさんやBP.のイチマキさんみたいになって欲しかったんだ。でもそうじゃなくて彼女には彼女の音楽があってそれを出したらそうなった。最初は僕が引っ張ったけれど、今はみんなに意志が凄いあって、メンバーの「~がしたい!!」ていう意見を取り入れてるからこそ今みたいな形になったのかもしれないね。結果的に雑で我の強い色んな曲が出来てしまって、聴いてる人からしたら方向性が分からんなんて言われても仕方ないと思うよ。

■でも僕は大分方向性が明確になったと思うよ。雑多な部分を上手く昇華出来たと思うし、処女作として堂々と世に出して良いと思う。

ミナミ:ありがとう。自分達のやりたい事が伝わるにはまだ時間が必要だけれど、今の自分達の名刺になる作品に出来たと思う。

■3曲目の「みずたまり」もそうだけど、絵美ちゃんの覚醒は間違いなく今後さらに大きな物になる予感がするし、フロントの2人だけじゃなくてそれを支えてるリズム隊の2人がどのような進化をするかも今後に大きく結びつくと思う。

ミナミ:今までレコーディングをした曲が僕の曲ばかりのせいだと思うんだけれど、2011年のFragileは絵美ちゃんの覚醒に間違いないと思う。その次にこんぼいさんかな、曲作りに凄く積極的になってるし。ますいさんと僕ももう少し成長出来る様に頑張るよ。

■一つのスタートラインに立ったFragileだけど、最後にミナミ自身の今後のFragileの展望みたいのがあれば教えて欲しいな。

ミナミ:今回の音源を出した事によってを凄い実感した。音源の重要性、バンドのイメージだったり、まだ半分ぐらいしか初めて観る人には伝わらないんじゃないかな。ただ男が歌っているのはマイナーで激しくて、女が歌っているのはポップな歌物、じゃなくて。その逆も出来て、今以上にそれが表現できた時に初めて僕が思ってるFragileになると思う。音楽だけじゃない部分でもね。お誘いがあれば場所や共演者なんかは選ばずスケジュールさえ合えばLIVEをしたい!っていうスタンスは変わらず活動の仕方として伝わると思うけれど、音楽の方向性に関してはまだ伝わりきれてないから。まだスタートラインに立ったばかりだから今は兎に角、今まで以上にFragileを知らない人に知ってもらえると嬉しいです。AKSK君ありがとう。





2012年1月7日には地元奈良でレコ発ライブも開催される。Fragileのライブは音源とはまた違った超爆音で繰り出されるサウンドも魅力的だ。東西問わずかなり豪華な面子にもなっているのでお近くの方は是非とも足を運んで欲しい!

20120107.jpg


2012年1月7日(土)『Virgin vol.2』
奈良NEVER LAND
open/start 17:30/18:00 ticket adv2,000/door2,500(別途1D)
PG発売日2011/10/28(金) ローソンチケット/Lコード「L58460」、イープラス eplus.jp

・Fragile
・BP.
・winda
・imamon
・CARD

↓ライブ動画







Fragileオフィシャルサイト:http://49.xmbs.jp/fragile/
Fragile My Space:http://www.myspace.com/fragile20
購入(disk union):http://diskunion.net/portal/ct/detail/IND8763
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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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