■zenocide/zenocide

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 東京で活動するドゥームトリオによる暗黒世界が展開された09年発表の1stアルバム。元々はハードコアパンクをやっていた連中が何があったのかドゥームメタルへと変貌し、徹底的に音数を絞り、超ローファイなへビィなリフが生み出す緊張感と圧迫感に満ちた、極北のドゥームメタルと言える作品に仕上がっている。従来のドゥーム以上に殺気と黒い憎悪が増幅したデスドゥームとなっている。



 彼等はハードコアから始まったバンドというのもあるのかもしれないが、サバス直系ドゥームとは全く無縁な、ひたすらにドス黒い憎悪しか感じさせないリフが非常に特徴的だ。ピンボーカルとギターとドラムのみという極限まで最小限な歪な編成がそうさせたのか、ハウリングを繰り返しながら地底からうねり食らい尽くす様な大蛇の様でもあり、真上から降り注ぐ巨大な岩石の様なへビィさとダークをを持ったリフは最初から旋律とか放棄した音塊であり、その裏で鳴り響くローファイさを極めたドラム、低域グロウルで殺意を放出しながら、時にハイトーンの喚き声も使いこなすボーカルといったたった3つの要素が生み出すドゥームは暗黒を司る司祭であり、軽々しく聴き手の命なんか捻り潰してしまうだろう。サバスの影響を感じさせないハードコアを純粋に遅く重くした先に生み出されたドゥームと言えば真っ先にEP作品時のCorruptedを思い浮かべる人が多いと思うが、彼等の音からはもっとオールドスクールなハードコアの匂いを確かに感じるのだ。それでいて初期EW級の禍々しい音が生み出すサイケデリックさもありながら、EWのマリファナサイケデリックとはまた違う、無慈悲なハウリングノイズの濁流が生み出す酩酊感が彼等のサイケデリックさの源だし、純粋な初期衝動的殺意を突き詰めた末のデスドゥームだ。序盤の3曲はそんなサウンドが暴虐の限りを尽くすが、第4曲「Third」でその趣は少し変わる。ブラックメタル要素を取り入れた寒々しいトレモロリフが残酷な週末を描きフゥーネラルドゥーム的なカラーも取り入れ作品の中で見事に幅を広げている点も見逃せない。そしてzenocideのドゥームの真骨頂とも言えるのは第5曲「Shindow」だ。基本的に約6分程とコンパクトに仕上げた他の楽曲と違い11分近くあるこの曲は、今作で一番のダークサイドに突入しているし、終わり無く落下するリフが徐々に形を変えて、ただでさえ輪郭がブッ壊れたリフが完全に漆黒の音塊へと変貌し、最終的には制御不能の殺意として毒ガスの様に撒き散らされていく。



 ハードコアパンクの原始的な衝動を守りながらも、それを極限にまで負の方向へと増幅させた末に生まれたドゥームサウンドはハードコア側からのドゥームへの回答として非常に理想的な物になっていると同時に、エネルギーを殺意に変換し、暗黒に特化した大量殺人ドゥームとなった。最小限の編成で最大級の悪夢を見せてくれる彼等は奈落すら生温い無へと容赦無く聴き手を突き落とす。Corrupted以降を担うに相応しいドゥームサウンド、触れる時は覚悟を決めた方が身の為だ。



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