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■深沢健介追悼企画 bury the sun(2012年7月1日)@吉祥寺 GOK SOUND

 six o'minusのフロントマンであった深沢健介氏。2010年3月に突然この世から去ってしまってもう2年が経つ。そして同じsix o'minusのメンバーでもあり、SUBTERRANEANSS、GROUNDCOVER.としても活動する遠藤泰介が深沢氏を追悼する為に開催しているこの企画も今回で3回目となった。生前深沢氏と関わりの深かったバンド達による爆音の追悼式。僕自身も何度もsix o'minusをライブで観た人間でもあるし、深沢氏の死は大きなショックでもあった。だからこそこのイベントに余計な感傷は抜きにして、ただ深沢氏がこの世で音楽をしていたからこそ繋がった猛者達の宴を純粋に楽しみたいと思い、今回足を運んだ。会場は本当に多くの人で一杯だったが、出演したバンドも、観に来ていた他のお客さんもきっとただこの夜に鳴らされていた爆音をただ純粋に楽しみに来ていたと思う。



・GROUNDCOVER.

 一発目は今回の主催者である遠藤氏がドラムを叩く望月氏率いる異次元音楽集団GROUNDCOVER.!!何度もライブを観ていたが観るのは本当に久々で、まず大幅に変更された編成に驚いた。ステージのド真ん中に巨大なミキサー。そしてギター、ドラム、サックス、ベース、パーカッションを含む6人編成。そして望月氏はギターを放棄し、ミキサーを操り叫ぶ!叫ぶ!!音楽性も大きく変わり、ダブ×トランスな超エクスペリメンタルサウンドを展開。とんでもないパッションで叩き出される遠藤氏のドラムはやはり格別であるし、、常に安定してグルーブを引っ張るベースに支えられながらギターとサックスが暴れ狂い、望月氏がダブ処理を施し本当に訳が分からん状態。過去の楽曲も完全に生まれ変わり、ノイズ塗れの狂騒の中でサイケデリックさとトランス状態感覚が加速し、エクスペリメンタルを極めようとする勢い。終盤ではそれが完全に巨大な渦を描き、望月氏は脚立に乗っかるわ、そっからダイブして叫ぶわと大暴れ!!その狂騒の渦を強大なカタルシスとして見事に叩きつけてくれた。一発目から本当にぶっ飛ばされた!!



・naxat

 お次はこちらは完全に初見なnaxat。個人的に感じたのは和製A Perfect Circleだなって印象。所々で変拍子とキメを絶妙に取り入れる手法のプログレッシブさや、分かり易くヘビィでありながらも随所にカオティックなフレーズを盛り込み、それをシンプルなヘビィロックに帰結させながらも、ボーカルの歌を最大限に生かすスタイルは多くの人に受け入れられそうな感じがするし、ライブでは安定感に満ちた楽器隊のアンサンブルが本当に際立っていて非常に好印象。ポジパンとヘビィネスとプログレッシブを融合させつつも、純粋にロックバンドとしての力量も確かに感じさせてくれるライブだったし、その耽美さは小さなスタジオのステージで色濃く花咲いていた。



・TACOBONDS

 鋭角ポストパンクとして名高いTACOBONDSのアクト。もう彼等のライブは何回も観ているのだけれど全く以って飽きない中毒性がある。捻れたビートを性急に繰り出し、奇怪なギターフレーズが行き先を失った先のサイケデリックさへと連れて行く。こうやって文字にすると難解に見えるかもしれないが楽曲はやはりポップさが核にあるし、その捻れを完全に味方にして、鋭角さの中にある一番尖った部分を観客に突き刺す殺傷力の高さこそ彼等のライブの魅力であると思うし、3ピースであるからこそ生まれるダイナミックな緊張感は本当に彼等の最大の武器だ。それでいて踊れるビートと音を生み出す事も忘れていないし、改めてずるいバンドだなと思わせてくれたし、そんな彼等は独創性とモヤモヤを同時多発テロしてくるからまた魅力的なんだと思う。



・STEINER

 こちらも観るのは本当に久しぶりなSTEINER。先のTACOBONDSとはまた違ったオルタナティブダンスミュージックを生み出す猛者であり、ジャンクさを極め、極限まで凍りついたギターサウンドの金属感を最大限に生かし、その鉄の冷たさと振動で一発で切り捨て御免であるし、ニューウェイブ感覚に満ちた、冷徹な人力ビートは本当に踊れるし危険だ。リバーブとディレイで脳髄を揺らし、その酩酊感覚に陥った脳髄に容赦無く叩き込まれる鋭角ジャンクサウンドは相変わらず健在であったし、やはり彼等もまた猛者であるのだ。



・Fragile

 そして奈良県が生み出した正当なるオルタナティブロックの継承者であるFragile!この猛者揃いのイベントの中でも郡を抜いて爆音のアクトを展開。一発目の「魔人間」から東京のフリークス共を完全にブチ殺しにかかってた。南はハイトーンで叫び、ツインギターが織り成すポストハードコアを極めたギターフレーズは正に必殺!!そしてダイナミックなグルーブで喝を入れる。しかし彼等の魅力は爆音の必殺のサウンドだけでは無いのだ。もう一人のフロントマンである大塚絵美嬢の爆音の向こう側から聞こえる声は彼等に絶妙なポップさを与えるだけでなく、絵美嬢がメインボーカルを勤める歌物の楽曲もそのポップさを生かしながらも、より爆音で繰り出され、よりダイナミックに伝わってくるのが本当に良い。南が暴れ狂いながら繰り出された「Alter」では逆に狂気は限界まで加速しているのに、そこに絶妙なバランスでポップさが同居しているし、その両面性は彼等の本当に大きな武器であると同時に、それを統率して爆音オルタナティブロックへと帰結させるライブは本当に是非一度は体感して欲しいと思う。ラストの「みずたまり」では爆音の渦のド真ん中で、南と絵美嬢の二人の声が確かな強度で聴こえていた。今回のアクトで彼等を知った人も多いとは思うが、東京のフリークス達に間違いなく大きな爪痕を残してくれた筈だ!!



・385

 そして元BLEACHのメンバー率いる385のアクト。ベースボーカル、キーボード、ドラムという編成も歪だが、それ以上に超絶技巧を繰り出す3人の変態デスマッチというのが正に彼女達の音だと思う。ありえない音数を叩き出す超絶技巧のベースが楽曲を引っ張り、フリーキーなドラムとキーボードが本当に好き勝手に暴れている変態の宴とも言うべきアンサンブルは本当に刺激的極まりない。ここまでスラップベースで好きに暴れまわりながらもグルーブを確実に生み出し、それでベースボーカルと言うのだから驚きだし、ハイテンションで繰り出す音の乱舞は見事だった。



・BOSSSTON CRUIZING MANIA

 東京のアンダーグラウンドシーンの裏番的存在であるボストン!!今回はGROUNDCOVER.の望月氏がダブ処理を施し、ダブモードのボストン。相変わらず反復と構築を際限無く繰り返し、それをドープなダンスミュージックとして吐き出す彼等のアンサンブルは最早鉄壁の領域にすらいると思っているのだけれども、そのダイナミックな躍動をダブ処理によってより深みへと引きずり込む物になっていたし、変則ビートはレベルミュージックに帰結している事はダブアレンジになった今回のアクトでまた明るみに出たとも思う。独自解釈を繰り返し、徹底した分解と構築の美学を彼等は変わらずにライブでも見せてくれるし、そんな彼等の音に酩酊しながら踊り狂うのであった。破壊の先にある創造を見せるボストンはやはり唯一無二だと思う。



・worst taste

 そしていよいよ終盤戦!脱臼ポストパンクトリオであるworst taste!!カイタ氏がまさかの出血と言うアクシデントこそあったが、シンプルなポストパンクサウンドと、キーボードによる不協和音が終わり無く続くアバンギャルドさの両方を今回のアクトでは見せつけ、狭いスタジオ内で超爆音で刺しに来るライブだったと思う。ロックとダンスとアバンギャルドを食らい、それを最高にキャッチーかつキチガイに繰り出し、超ハイテンショyンで暴れ狂う音の数々。骨太なアンサンブルが支配し、そこでやんちゃに暴れまわるギターフレーズの反復とダイナミックなビートが織り成すダンス天国がそこにはあったし、ラストはそれすら取っ払って、暴走する音を止めもしないでただ本能のままに繰り出す彼等は最高に格好良かった!!



・LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTS

 トリ前は元マヒルノの赤倉氏率いるLOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTS。その評判の高さは色々な場所で耳にしていたし、デモ音源でマヒルノとはまた違う気だるい酩酊の世界に打ち抜かれた身として今日のアクトは本当に楽しみであったし、結論として期待以上のアクトだったと思う。よりアシッドになり、よりルーツミュージックに近づき、よりBPMは今にも止まりそうになり、より音はスカスカになり、それなのに本当にその空気や音のスカスカの隙間や、一音の響きすら支配し、それがそこらのドラッグなんかよりも絶大な効果のあるサイケデリックロックを打ち鳴らすのだ。本当にルーツに忠実な音でありながらも、その空白を完全に生かし、その奥底にある深淵へと導くロック。マヒルノ以上にスカスカでシンプルでありながらも、より解き放たれているし、赤倉氏はやはり鬼才であるのは間違いない。そして音源の何百倍も脳に浸透するアンサンブルは本当に脱帽の一言。



・SUBTERRANEANSS

 そしてトリは今回の企画の主催者である遠藤氏率いるSUBTERRANEANSS。今回のアクトも僅か3曲でアンコール無しであったが、狭いスタジオでのアクトだからこそダブを徹底して分解したノイズダブはよりダイレクトに伝わってくる。まず遠藤氏が本当に素晴らしいドラマーであり、ダイナミックでありながら、高い演奏技術を持ち、どんなビートやフレーズを叩いても、どこをどう聴いても遠藤氏のドラムになるという素晴らしさ。そしてピアノと不協和音とギターの轟音、全ての音に空間的処理を施しているからこそ、その一音の余韻すら最強に暴力的に聴こえてくるし、その暴力性を深めたからこそ、決して分かり易い盛り上がるパートとか無い音にも関わらず意識を完全に向こう側へと連れて行くのだ。その狂騒こそsix o'minusが鳴らした音であると同時に、SUBTERRANEANSSはその先にある天国か地獄かすらも分からない世界へと連れ出し、そこで訳の分からない汗を垂らし、冷え切ったままトランスさせるのだ。時間軸すら揺るがすSUBTERRANEANSS、涅槃の音を完全に鳴らしている。



 今回のイベントは深沢氏の追悼イベントであったが、そこに感傷は無く、ただ深沢氏がいたからこそ繋がった物を爆音で鳴らし、それを多くの人が楽しむ。そんなイベントだったと思う。ただのライブイベントとしてもこれだけの猛者のアクトをノンストップで見れるという素晴らしい物であるが、それは生前の深沢氏がいたからこそ生まれた物であるのだ。SUBTERRANEANSSのアクトの時に遠藤氏が今回参加したバンドとお客さんの簡単に感謝の言葉を述べたが、僕の方こそ遠藤氏に感謝の言葉を伝えたい気持ちになった。僕自身がライブ以外の部分で色々言うのは野暮だし、僕は深沢氏と直接的な親交は全く無い。でもこのイベントに出たバンドが本当に最高のバンドである事と、その点と点を繋げたsix o'minusの深沢氏が素晴らしい音楽を作っていた。僕はただそれだけだと思う。
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