■BULLETONE(2012年8月24日)@恵比寿BATICA
・沖に娘あり
到着が遅れた関係で1バンド目の狂気は見れず2バンド目である沖に娘ありからライブを見る事に。メンバーは大分若いバンドらしいが、その音楽性はジャズとガレージロックの融合というお洒落でいながらザラついたロックといった印象。ライブの方はテンション高くハイボルテージという物。曲によってはジャズやフュージョン成分は高かったりはするけど、最終的な印象はやっぱロックバンドだなっといった感じ。演奏技術を感じさせながらも、それを前面に押したりはしないであくまでもロックのテンションでやっているのは中々好印象でした。終盤にやってた曲が中々良くて、これから地味に面白くなりそうなバンドだと思いました。
・THE CREATOR OF
そしてTCOのライブ。沖に娘ありの時も思ったけどステージが本当に狭くて古谷さんに至ってはあんまり見えない状態。そしてそんな超狭い中でのアクトはやっぱり爆音。今回のセットは前半は新譜収録予定の静謐で重いポストロック色を前面に出した楽曲をプレイ。しかしながらダイレクトに音は伝わり、繊細な楽曲の中にズ太いボトムとビートをブチ込む事によるハードさを感じさせながらむ複雑に絡む幾重の音が一つの轟音として雪崩れ込む様はいつ見ても圧巻だし、感動的である。中盤に機材トラブルがあったりしたが、それを跳ね除ける後半のセットは特に圧巻だった。最早音源とは全くの別物になってしまっている「Hi On」は正に壮絶であり、前半の静謐な空気を完全に打ち壊し、まるで地獄の様なヘビィネスがプログレッシブに渦巻く悪夢の世界。反復するフレーズのサイケデリックさから終盤の怒涛の刻みのリフがビートとユニゾンするパートが本気で地獄のマグマが噴出する寸前の躍動を音で鳴らしていたとしか思えなかったし、かつての名曲を新たにセットに加え、現在の音としてアップデートする事に成功したのはTCOにとってやはり大きいと思う。ラストは必殺の「AGAIN」で締め。繊細かつヘビィさを全開にしたこの曲はやっぱセットのラストに映える1曲だなって何回TCOを見てても思うのである。暫くライブ日程は未定だけど、しかし新譜のレコーディング経て、更なる進化はもう約束されてるだろうし、新譜も含めてこれからの音に心から期待している。
・KAGERO
トリはKAGEROというインストジャズバンド。こちらはゆっくりとライブを観ていました。ジャズパンクを名乗っており、ジャズの暴力性を抽出した性急なサウンドは刺激的だった。音数もかなり多く、サックス、ベース、ドラム、ピアノが全力でバトルしてる様はかなりスリリングだし、こうゆう系統の音が好きな人には堪らないバンドだとも思う。僕はこういった系統の音楽に関しては全く明るく無いのだけれども、分かり易いブレイクやキメの乱打だったり、情報量の多い音の嵐はジャズとか聴かない人でも十分魅力的だとも思うし、パワフルでワイルドだとも思う。ゆっくり見てたからアレだけど、こちらも中々良いバンドだと思いました。しかしどこかで名前聞いた事あるなーとは思ったけど、かつて僕の敬愛する激情系HCバンドであるheaven in her armsと2マンライブをやった事があるのか。
と、そんな感じで仕事終わってから向かったので1バンド目の狂気は観れなかったけど、金曜の夜に普段行かない恵比寿でライブを観るのは中々新鮮でしたね。しかしやっぱTCOは今回の面子の中で大分浮いてた気はするけど、他のバンド目当ての人にも十分インパクトは与えていたと思うし、沖に娘ありやKAGEROのライブも普段こういったバンドをあんまり聴かない自分からしたら新鮮で楽しかったです。