■DEAD & CYBERNE & KNELLT 3way split release tour(2012年9月16日)@小岩bushbash

 オーストラリアのDEADと大阪のCYBERNEとknelltの3wayスプリットという極悪音源が先日IMPULSE RECORDSからリリースされ、それに伴いDEADが来日、今回はそのDEADの来日ツアーの小岩編と言うべきライブである。残念ながらknelltは今回のライブには参加していないがDEADとCYBERNEに加えて暗黒激情ブラックメタルで名高いcoholと国内激情系最高峰と言っても過言では無いheaven in her armsと今回のハコである小岩bushbashのオーナーである柿沼氏率いる小岩のハードコア番長Tialaが脇を固めるという壮絶なるライブイベント!これは足を運ぶしかない!!となりはるばると東京都の極東である小岩まで足を運ばせて頂いた。ほぼオープンと同時にハコに到着したので人はまばらだったが、一番手のcoholが始まる直前には人も多くなり、今回のイベントに対する期待も否応無しに高まっていた。



・cohol

 さて一発目はcohol、相変わらずアンビエントな音色が不穏さを加速させるオープニングから始まり、HIROMASA氏の挨拶と同時にその不穏さを加速させ必殺の「底知れず吠える軟弱」にて怒涛の暗黒激情ブラックへと突入!!しかし今回で観るのは三回目だったけど、怒涛のトレモロリフと静謐なアルペジオの対比を上手く使いながらも、直情的なトレモロの洪水と重苦しいベースラインの乱打と怒涛のブラストビートの三位一体の攻撃に暗黒の旋律を盛り込み、想像を絶する闇を生み出す彼等のステージは本当にいつ観ても神秘的ですらあると思う。徹底して冷徹で泣き叫ぶ音の暴力と、HIROMASA氏のハイトーンシャウトとITARU氏の低域デスの掛け合いが闇と闇を二乗させて増幅させていく。しかしながら今回のアクトは本当にITARU氏が格好良かったなと個人的に思ったりもした。一発目から小岩を闇の激情と鮮血で染め上げたcoholはやはりどんなイベントだろうと絶対に自らを曲げないバンドだと思うし、だからこそ彼等の音には重みがあると思うのだ。

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・CYBERNE

 お次は今回の主役の一つであり大阪からの刺客であるCYBERNEの登場。ステージのど真ん中には何故か巨大な拡声器が設置され、しかもツインドラムという始まる前からテンション上がるしかないセット。しかしその音は本当に混沌と戦慄の乱打。変則的でありながらも息ぴったりに強烈なキメとビートを叩き付けるツインドラムとに加えて、ヘビィでありながら変則的に不協和音を叩き付ける弦楽器隊、しかも弦楽器隊3人は全員ボーカルを取るというトリプルボーカルなんだから常時先の読めない緊張感と混沌が渦巻きつつも、それをブチ抜く爆音のカタルシスは凶悪その物、ほとんどノイジーになってしまってる旋律が吹き荒れる様は正に交通事故と呼ぶに相応しい惨状だっただろう。しかしそんな音楽性とは裏腹にMCでは気さくさを全開にして大阪バンドらしさを見せてたギャップは少し微笑ましかったりもしたけど、だがその音は徹底して壮絶で、彼等のアクトが終わった瞬間にただ笑いしか出てこなくて出てきた言葉が「ヤべえ」だった。本当におぞましい物を目撃した瞬間の笑いしか出てこないあの感じがまさに彼等の音であり、「メタル化したジーザスリザード」、「プログレの皮を被ったケダモノ」とも評されているらしいが、決してそんなチャチな物では無かった。「乾いた笑いの電脳殺人マシーン」僕はそう思う。是非機会があれば一度は彼等のアクトを観て欲しい。本当に最後は笑いしか出てこないから。

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・heaven in her arms

 そしてお次は国内激情系最高峰とも言うべき漆黒の激情系5人組HIHAのアクト。だったのだが今回のアクトは正直簡単に言葉に何か出来ないレベルの物であった。彼等の持っている漆黒の暗黒がこの小岩と共鳴して強靭なハードコアとして打ち鳴らされていた。ハコが狭いのもあったのか今回はいつもの2段アンプのセッティングでは無かったにしても相変わらず音量が凄まじいし、それでいてシューゲイジングしながらトレモロリフも同時にかましているみたいなHIHA特有の轟音が吹き荒れていたし、「Inversion Operation」から最高レベルの激情がどこまでも粗暴なハードコアの暴力としてカオティックさの先にある美しさが咲き乱れていたし、前回見た新代田FEVERでのライブでも披露されていた新曲は先日リリースされたYumiとのスプリットに収録されている「白夜の再結晶」とは全然ベクトルの違う暗黒激情百花繚乱とも言うべき出来で本当に次のアルバムに対する期待が高まるし、後半に披露された「痣で埋まる」は初期の楽曲でありながらも、その轟音が織り成す激情は現在でも全くブレてなんかいない事を見事に証明していた。しかしHIHAの真髄が発揮されていたのは最後に披露された「赤い夢」だろう。全ての音が泣き叫ぶ正に漆黒のシューゲイザーと呼ぶに相応しいこの楽曲は彼等の楽曲の中でも屈指の1曲である、小岩は完全に別世界へと導かれ、あまりにも悲壮感溢れて感動的な轟音の洪水がこの世界の穢れを嘆いているかの様にすら僕は見えてしまった。間違いなく今回のイベントで一番のベストアクトであったと思うし、彼等は本当に唯一無二な存在である事を再確認した。HIHAは本当に凄いバンドだよ。

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・DEAD

 トリ前は今回のイベントのもう一つの主役であり、オーストラリアからのお客様でもあるDEADのアクト。ベースとドラムのみというシンプル極まりないセットに、上半身裸の男が繰り出しているのは鋭角さを極めたポストハードコア。ベースの音の重みを生かし、バキバキに歪んだ音が生み出す鋭角さと、タイトさとフリーキーさを兼ね備えたドラムは本当に息ピッタリにアンサンブルを奏で、時にタッピングなんかを盛り込みつつも、ベースとドラムのみとは思えない人力の音圧が迫り来る彼等の音は本当に独自の物であると思う。しかし彼等の凄い所は一見アバンギャルドな編成と音楽性にも関わらず、それを難解にしないで非常にノリやすく、地味にキャッチーな旋律を盛り込みながらもいずし銀の渋さを見せてくれる所だと思う。ベースボーカルの人は上半身裸な上にスキンヘッドというルックスからして修行僧みたいな謎の貫禄を持っていたりもしたけれど、その歌声と叫びは非常にエモーショナルで男臭くて単純に観てて格好良かったし、彼等はエモーショナルでこそあるけど、全くナヨさが無いのである。重低音とフリーキーなドラムが生み出す超硬派なポストハードコアサウンドは男の子だったら一目惚れ間違い無しの貫禄を持っていた!!

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・Tiala

 そしてラストは小岩が世界に誇るハードコア番長であるTialaの登場。毎回毎回様々なハコで笑顔の暴動を巻き起こしている彼等のアクトに狂気乱舞を覚悟して挑んだが、今回のイベントではモッシュしてるのは僕含めて他数人といつものTialaに比べたらお客さんはかなり大人しかった様に見えた。ホームである小岩で彼等を見るのは初めてだったのだが、今回のイベントのお客さんは少し大人しい人が多かったのかななんて思ったりもしたけど、当のTialaからしたらそんなのは全くお構いなし、小さい白熱電球2個のみがステージを照らし、完全に薄暗くアングラ感溢れるハコの中でもボーカルの柿沼氏は速攻でステージを飛び出しフロアを所狭しと横断しながら叫ぶ叫ぶ、彼等の音は紛れも無いハードコアでありながらも、ポストパンク仕込みの変則性とやたらキャッチーな旋律が奇妙な磁場を生み出し、それを柿沼氏以外の楽器隊も非常に高いテンションで打ち鳴らす。人懐っこくも乱暴な彼等の格好良さはどんなに客がいつもより大人しかったとしてもお構いなしだし、最早重鎮の貫禄すら感じる格好良さは相変わらずの安定感があったし、そんなイベントであろうともTialaの相変わらずな感じが僕がTialaを愛する理由の一つなんだろうなと思ったりもした。アクト自体は少し短めだったのだけが残念ではあったけど、それでも相変わらずの格好良さ!彼等の前では本当に小学生並の感想しか出てこないけど、野暮な言葉抜きに格好良いから仕方ない。小岩のハードコア番長は変わらず健在である!

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 そんなこんなで5バンドとも本当に濃密なアクトを見せてくれたので非常に大満足な夜になったのであった。正直言うと小岩bushbashはその立地もあって自宅から電車で一時間かかったりするので足を運ぶのがぶっちゃけ面倒であったりはするのだけれども、それでも足を運びたくなる様な熱いイベントが多いし、小岩だからこそ生まれるハードコアの磁場が間違いなく存在しているとも思う。今回のイベントは5バンド共音楽性が本当にバラバラであったりはするけれど、それでもその磁場が加速して素晴らしいライブを見せてくれたし、本当に素敵な夜になったと思う。
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