■星を見る/割礼


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(2010/06/02)
割礼

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 名古屋の伝説的サイケデリックバンドである割礼の7年振りの最新作。現在の編成になってから初のアルバムである。自主制作のCD-Rやライブ等で、現在の割礼が伝説で終わってるバンドではなく、今の割礼こそが長い時間をかけて積み上げたキャリアを自信にして、どこまでも陰鬱で優しく鋭い音を繰り出してるかを証明してきたが、こうして公式に音源としてリリースされた今作を聴くと、このバンドはとんでもない地点にまで到達しているのが分かる。まるで地底の本当に奥深くまで潜り込んでしまってるかのようだ。

 第1曲の「リボンの騎士」は過去のライブ音源にも収録されている名曲であり、今作で初めてスタジオ音源化されたが、イントロの鐘の音の様なスロウなギターのストローク一発で、一気に彼岸まで魂を持っていかれてしまう。そこから繰り広げられるサイケデリック絵巻は正に別次元である。後半のどこまでも終わる予感の無い圧倒的なスケールを誇るノイジーなギターソロが本当に素晴らしい!

 第2曲「マリブ」の優しい宍戸の歌声と、哀愁漂うギターフレーズには思わず酔いしれてしまう。どこまでも遅く、どこまでも精神的な重さを孕んでいながらも、何処かメロウで甘ったるく、ある種の酩酊する感覚を覚えてしまう。
 第5曲「ルシアル」も素晴らしい大作で、クリーントーンのスロウなギターと浮遊し揺れ続けている空間音がどこまでも美しい。また歌とギターを支える、どこまでもタフなリズム隊が本当に屈強なビートを作り上げている。

 収録曲はたったの6曲にもかかわらず、60分近くにも及ぶ深遠なサイケデリックスロウワールドは聴き手を深い奈落の底に溺れっ放しになってこのまま落っこちてしまったままでもいいやと錯覚してしまいそうな漆黒の世界。ロックの内に向かう陰鬱な暴力性。なのにこの歌はどこまでも優しく聴き手を突き刺す。
 割礼は偉大なバンドであるが、過去の遺物ではない。今こそ史上最高峰の状態であろう。これからもマイペースな活動を続けていくのだろうが、僕は追いかけ続けていきたい。
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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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