■Split/Northless×Light Bearer

61JXuUZkq.jpg



昨年リリースした1stアルバムにて圧倒的存在感を放ち、1stにしてポストメタル最高峰に名乗りを上げたLight Bearerの2012年の最新音源は実は20年近くに渡って活動するベテランであるミルウォーキーもスラッジコアバンドであるNorthlessとのスプリット作品。Light Bearerが1曲、Northlessが2曲提供する全3曲となっており、ポストメタル・スラッジの猛者により屈指のスプリットに仕上がった。



 先ずはNorthlessだが、第1曲「Tears From Crime」からいきなり重心の揺らぎを感じさせる激重リフの応酬で攻めるというスラッジの猛威を発揮しているが、絶妙にメロディアスさを感じさせ、重苦しくもありながらもドラマティックさも見せるというスラッジ・ポストメタルの美味しい場所をしっかり把握しているという印象。決してナヨくならずタイトで重いアンサンブルを武器にして、そして極悪系かと言えばまた違う、闇の中で揺らぐ激情の叫びを聴かせてくれている。第2曲「For As Long As You Shall Walk The Earth, Your Blood Will Reek Of Failure」ではいきなり90sポストハードコアを重くしたかの様なリフが全てをなぎ倒す重い疾走という矛盾を破壊していて驚くが、転調した瞬間に完全にスラッジコアに様変わりして、そこから轟音パートに雪崩れ込みつつもスラッジパートも交互に織り交ぜて重苦しいメロウさを生み出してる力量もナイスだ。Northlessは今作で初めて耳にしたがかなり良質なスラッジ系ポストメタルバンドと言えるし、重いドラマティックさはその界隈が好きな人にとってはかなり来る物があるのではないだろうか。
 しかし、そんな素晴らしい2曲を提供したNorthlessが霞んでしまう位にLight Bearerも新曲が素晴らしいのだ。彼等が提供した第3曲「Celestium Apocrypha: Book Of Watchers」は実に約22分にも及ぶ超大作であり、それだけではなく2011年のポストメタル最重要作品である1stの楽曲の完成度を更に高めた物であり、彼等が途方も無い進化を遂げた証明として君臨しているのだ。数多くのポストメタルの猛者を凌駕する勢いを今の彼等は持っており、それが今回の新曲にも表れている。序盤の約4分のダークなアンビエントノイズの前フリから徐々にバンドサウンドが姿を表し、くぐもった闇を打ち破る新たな破壊の音塊の放出、ハウリングのイズと共にスラッジリフが闇を切り裂く新たな誕生を告げるマーチとして鳴り響き、魂の咆哮と共に美しい激重リフと一つ一つの音に全身全霊の魂を込めながらもポストメタルならではの緻密なアンサンブルを見せ付けるパートは既に圧巻の一言。より肉体的なアンサンブルの強度を彼等は手にしたとおもうし、その中で轟音トレモロリフも盛り込み、壮絶なスラッジオーケストラを展開、激情シャウトと共に歌われてる呪文めいたコーラスも神秘性を高め、幾重に重なり合う音が壮絶なドラマの語り部として機能し、前半パートで既にクライマックスとも言える神々しい混沌が生まれている。そして後半から呪文めいたコーラスと共に静謐かつリリカルなパートへと突入し、前半の激重パートとは違う彼等の持ち味であるリリカルな美しさも見せ、そして終盤では地軸すら揺るがし、新世界を創造するダイナミックさと、リリカルさを極めたトレモロリフが混ざり合い、救いの光を微かに見せる壮大過ぎるエンディングへと突入し、22分にも及ぶ壮大な物語は幕を閉じる。



 Northelessも素晴らしかったが、もうLight Bearerのあまりにも言葉に出来ない名曲を生み出してしまっている事にただ驚くしかなかった。Light Bearerの公式サイトにて2013年春には2ndのリリースがアナウンスされており、それはもうとんでもない化け物みたいな作品に仕上がってるのは簡単に予想出来る。とにかく現代のポストメタルの最重要バンドとスラッジ系ポストメタルの猛者によるスプリットである今作は間違いなく必聴だろう。まだまだこの手の音には進化の可能性が十分にあるのだから。





スポンサーサイト

■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

タグ別記事表示

日本 ライブレポ 激情系ハードコア アメリカ スラッジ ポストメタル ポストハードコア ポストロック カオティックハードコア ドゥーム エモ オルタナティブロック イギリス サイケ フランス アンビエント ストーナー ネオクラスト ドローン ドイツ シューゲイザー ハードコア ロック グラインドコア プログレ ギターロック ポストブラックメタル インタビュー マスロック ポストパンク デスメタル スウェーデン カナダ モダンへビィネス スラッシュメタル ブラックメタル ギターポップ エクスペリメンタル エレクトロニカ ジャンクロック イタリア インダストリアル ベルギー フューネラルドゥーム グランジ ノルウェー 年間BEST ジェント オーストラリア スペイン アコースティック ポップス プログレッシブメタル ラーメン ブラッケンドハードコア フォーク ミニマル モダンヘビィネス ニューウェイブ パワーヴァイオレンス ロシア ゴシックメタル ハードロック ファストコア ノイズ ニュースクールハードコア フィンランド メタルコア ゴシックドゥーム トリップホップ ヒップホップ 自殺系ブラックメタル オランダ 駄盤珍盤紹介 アブストラクト ノーウェイブ クラウトロック ダブ ヘビィロック パンク ゴシック ダブステップ ノイズコア シンガポール ラトビア ミクスチャー チェコ インディーロック メロディックパンク テクノ ポーランド ドラムンベース ウィッチハウス オルタナティブ アイルランド デンマーク スイス ヘビィネス メキシコ ポジパン ジャズ ヴィジュアル系 アシッドフォーク メタル ブルデス 声優 ボイスCD ドリームポップ トラッドフォーク クラストコア スクリーモ カントリー プリミティブブラック 韓国 ハンガリー アイスランド イラン シンフォニックブラック ギリシャ スコットランド USハードコア ポルトガル ガレージ ソフトロック フリージャズ モダンクラシカル 台湾 トルコ ファンク 

カテゴリー

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

カウンター