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■ECHOES/LOSTAGE


ECHOESECHOES
(2012/07/11)
LOSTAGE

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 奈良県在住の3ピースオルタナティブロックバンドであるLOSTAGEの2012年リリースの2年振りの5枚目のアルバム。3ピース体制も完全に板に付いて、昨年リリースしたミニアルバムでも更に研ぎ澄まされた鋭利さと、多彩さと、郷愁の歌を高めた彼等の進化を目にしたが、今作は彼等のルーツである90年代ポストハードコアのサウンドの中でどこまでもじんわりと胸を打つ歌を聴かせてくれる傑作になった。また数多くのゲストが彼等の音をより輝かせているのも見逃せない。



 LOSTAGEはポストハードコアのサウンドを継承した切れ味の鋭いサウンドが大きな魅力の一つであるのだが、今作では分かり易く激しさやオルタナティブさを前面に押し出している訳ではない。第1曲「BROWN SUGAR」は3人編成になってからの「ひとり」や「Hell」に続く必殺の1曲で、ざらついたギターの音が身を切り刻み、鋭角のビートで叩きつけ、五味兄はこれまで以上に叫んでいるし、序盤から破壊力に満ちた必殺の1曲で始まるし、Zの根本潤がゲストでサックスを吹く第2曲「真夜中を」はタイトなビートに引率されながら、微熱のテンションを保ちながら、ジャンクさと鋭利さが見事に組み合わさったLOSTAGEならではの1曲だし、これまでの様なポストハードコア・オルタナティブの要素が強い楽曲は、これからの必殺の名曲の仲間入りを確実に果たすだろうし、その感覚とアンサンブルは更に磨きがかかっている。
 でも驚いたのは第3曲「BLUE」だ。これまでもLOSTAGEは歌物オルタナティブな名曲を多く生み出してきたし、前作のミニアルバムでは「NEVERLAND」という完全に歌物に振り切った名曲が収録されていたが、これまで以上に歌もギターの音もクリアに響き渡っているし、郷愁の旋律が青く輝き、どこまでもストレートに胸を打つ名曲に仕上がっている。そしてこの曲は、今作を本当に象徴する1曲だと思う。今作は多彩さを極めつつ、あくまでもオルタナティブロックとしてのサウンドスケープを保ちながら、どこまでも素直に歌と持ち前のメロディセンスが花開く郷愁の音色を今まで以上に素直に聴かせる作品になっているからだ。透明感溢れるアルペジオで始まり、若干アコースティックテイストを持ち、Ropesのアチコ嬢のコーラスが更に透明感を強くし、完全に歌に振れ切った第5曲「NAGISA」、本当にスタンダードなギターロックとして王道極まりないし、バンドとしての強度と歌が絶妙な第6曲「あいつ」の中盤の2曲はこれまでのLOSTAGEの秘かな魅力だった歌と鋭利さの奥にある柔らかさや優しさといった感覚を遂に全面的に開放した瞬間だし、本当に素直に「良い曲」を聞かせてくれる。
 再びDCポストハードコアの独自解釈な第8曲「瘡蓋」を挟みながらも、Zの魚頭圭がアコギを弾く第9曲「ペラペラ」では不穏のギターのループから暴発を繰り出し、その落差の中でも五味兄の歌は全くブレずに存在する。そして最終曲「これから」でオルタナティブサウンドを封印し、優しく柔らかな音色と歌が剥き出しのまま存在し、平熱の中で淡々と、日常を生き続けるポジティブさが流れていく。



 数多くの苦難を乗り越えバンドとしての歩を進めたからこそ生まれた作品だと僕は思うし、例えオルタナティブですら無くなったとしても、バンドとしての多彩さを見せつけ、本質としてのオルタナティブロックをLOSTAGEは一貫して生み出しているバンドだと思っているし、捻くれた感覚すら捨て去って、どこまでも素直に胸に響く全10曲。3ピースになってからのLOSTAGEの一つの到達点であると同時に、日本のオルタナティブロックの名盤だと思う。そして何よりも僕が思うのは、このバンドはもっと評価されるべきだし、もっと売れるべきだって事だ。本当に多くの人に触れて欲しい作品。



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