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■Ariettes Oubliees/Les Discrets


Ariettes OublieesAriettes Oubliees
(2012/03/26)
Les Discrets

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 Alcestとスプリットをリリースした事でも御馴染みな、AmesoeursのメンバーだったFursy Teyssier率いるポストブラックメタル3人組であるLes Discretsの2012年リリースの2ndアルバム。不気味なジャケットからはおどろおどろしい音楽性を想像してしまうかもしれないが、これがAlcestにも負けず劣らず天上の美しさを持つシューゲイジングブラックメタルであり、至高の美しさを見せてくれる。



 彼等もAlcest同様に、もうブラックメタルじゃないだろって音楽性だったりする。ブラストビートやトレモロリフは確かに存在するけど、あくまでも楽曲の中でふりかけ的な感じで使われているだけだし、今作の大きな持ち味はAlcest同様に激メランコリックな旋律が織り成す繊細で美しい芸術性だろう。それにMONO的な映画的情景の描き方を見せてくれるし、一つの作品で一つの映画みたいなドラマティックでストーリー性溢れる作品だと思う。どこまでも丁寧に作り上げられた繊細で緻密な楽曲の完成度の高さにも驚くし、シューゲイジングする美しい轟音だけではなく、アコギの柔らかな旋律も取り入れ、儚い幻想的な世界に気付いたら飲まれているだろう。一つ一つの旋律で情景を描き出し、FursyとAudrey嬢のボーカルがそれを更に感動的に仕上げる。正に直情的な激メランコリックシューゲイジングブラックメタルであり、一つの感動的な映画の様な作品だ。
 今作のイントロ的立ち位置の第1曲「Linceul D'hiver」の静謐なギターの旋律から、聴覚と視覚がシンクロして、深い森を彷徨うオープニングが目に浮かび、轟音フレーズが壮大なるオープニングを更に加速させる。そして第2曲「La Traversée」に雪崩れ込んだ瞬間に、その幻惑の世界が一気に浮世の悲しみや負の感情を洗い流すメランコリックな轟音のシャワーが降り注ぎ、心を綺麗に洗い流される様な感覚と、静かに空を羽ばたいていく感覚が同時に体験出来る。ただ単純に気品高く美しいとか、柔らかで優しい旋律に包まれる優しさがあるだけじゃ無くて、悲しみの先を描くメランコリックさも際立っているし、何処かシリアスな緊迫感も楽曲にあるし、若干ブラック色が出てくるパートなんかは、そんな要因を持っていたりするけど、それでも徹底した美意識が生み出す芸術的な音の情景は全く変わらないし、それは本当に作品全体で一貫している。
 何処までもクリアでありながらも、少しばかり悲壮感と憂いを感じさせるギターフレーズが非常に印象的な第3曲「Le Mouvement Perpetuel」や、今作では一番アップテンポでありつつも、トレモロリフの轟音とアコースティックギターの対比と融和が美しい第5曲「La Nuit Muette」や、シューゲイザーやブラックメタルと言った要素すら捨て去った先にある、剥き出しの美しさと、彼等の楽曲の本質的な部分が出た第7曲「Après l'Ombre」も名曲であるが、特に素晴らしいのは第4曲「Ariette Oubliees I Je Devine à Travers Un Murmure...」だろう。アコースティックギターのフレーズに導かれた先に、超轟音のメランコリックで触れたら壊れそうな轟音の繊細さは本当に儚く感動的で、今作のハイライトとも言える。そして第6曲「Au Creux De L'hiver」は今作のもう一つのハイライトであり、シャウトなんかは全然使っていないのに、その旋律は正に感情の正面衝突であり、正にシューゲイジングブラックから激情が強大なうねりとして押し寄せ、もう涙無しでは聴けない感情の轟音絵巻が展開されている。今作は非常に気品溢れる作品であるが、「Au Creux De L'hiver」のメランコリックな激情は個人的に今作の一番の感動的シーンだと思う。



 今年出たAlcestの新作も勿論素晴らしい作品だったが、Les Discretsは今作でそのAlcestすら超える勢いで激メランコリックかつ芸術性と数え切れない色彩を用いた情景をどこまでも高次元に描く作品を生み出してしまった。僕は今作を聴いて、Alcestの1stを初めて聴いた時と同じレベルの感動と衝撃を味わったし、それはどこまでも繊細かつ巧みに描かれる音の情景や、旋律のリリシズムもそうだけど、何よりも魂にダイレクトでぶつかってくる旋律に本当に心をぶっ飛ばされた。Alcestの新作同様に2012年の重要作品になるのは間違い無い筈だ。



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