■LOSTAGE ECHOES TOUR(2012年12月18日)@渋谷CLUB QUATTRO

 幾多のピンチを乗り越えながらバンドとして突き進んで来たLOSTAGE。最早3人体制も完全に板に付き、自らの音を進化させ続けているが、今年は5枚目のアルバム「ECHOES」をリリースし、本当に素晴らしい名盤を世に送り出した。今回のライブは「ECHOES」のリリースツアーのファイナルとなるワンマンであり、LOSTAGEにとっては2012年のラストライブであり2012年を締めくくる大切な日でもあった。事前にこの日のライブが後にライブ盤としてリリースされるって告知もされていたし、本当に特別な夜になる予感しかしなかった。19時15分頃に会場に着いたが、既に多くの人で賑わっており、LOSTAGEの登場を誰もが待ち望んでいた。



 開演時間から10分程押して、LOSTAGEの3人が登場。一気に会場のボルテージが高まる。そして一発目は新作でも1曲目を飾る「BROWN SUGAR」。LOSTAGE必殺の1曲に新たに仲間入りしたこの曲のざらついたギターストロークのイントロが掻き鳴らされた瞬間に、モッシュが発生し、その鋭利なオルタナティブサウンドが炸裂!!一気にフロアのボルテージを高める五味兄の叫びと、3ピースだからこそのスリリングなアンサンブルがもう既に完璧な形となっていた。そしてLOSTAGEの鋭角チューンが次々と乱打。3ピースになってからのLOSTAGEは本当に余計な装飾の無い、最低限の音で最大級の破壊力を生み出すという引き算の美学が光る楽曲ばかりだし、「断層」の空白すら聴かせる、削ぎ落としまくったポストハードコアサウンドは、ライブでは更なる不穏さを生み出し、不気味に降り注ぐベースの音色から、ささくれ立ったギターフレーズが一気に広がる瞬間のカタルシスは凄かった。そして歌物オルタナティブである「BLUE」では、青い疾走感が咲き乱れていたが、音源以上にどこまでも透明感溢れるギターの音色が更なる郷愁を生み出し、心に静かに刺さっていく。しかしその流れから「DOWN」の様なビートとリフの切れ味勝負な楽曲が続くだけで無く、それが一つの流れとして本当に自然に存在させる事が出来るのはLOSTAGEの大きな魅力だと改めて痛感した。歌を聴かせる「あいつ」の鋭さの中にある優しさや、「私」のストーナーな広がりを見せるギターフレーズも、全部LOSTAGEとして確かな必然として存在している。
 ライブも中盤に入り、告知されていた通りゲスト参加の時間へ。一人目のゲストはサックス人間こと俺たちのZの根本潤!!Zの名曲「蛇鉄」のサックスのフレーズを少しだけ吹いたりというお茶目なサービスをしていたりしてたが、フリーキーなサックスが吹き荒れる「真夜中を」にて新たな空気を生み出す、続いて演奏された「裸婦」もそうだけど、根本潤が音源の方でもサックスで参加している2曲は、LOSTAGEの持つ鋭利さに、更なるフリーキーさと不気味さを加え、それぞれが相乗効果を生み出し、楽曲の破壊力を増幅させている。それを改めて実感させてくれたし、根本兄のサックスはLOSTAGEのアンサンブルの中で必然として存在していた。根本兄が掃けてからは、「眩暈」、「僕の忘れた言葉達」と、オルタナティブさの中でキャッチーさと歌心を響かせる曲が演奏される。「僕が忘れた言葉達」の印象的なベースラインと共に高らかに歌う五味兄からは本当にポジティブなエネルギーを感じたよ。
 いよいよライブも佳境に差し掛かり、続いてRopesのアチコ嬢がゲストで登場。そして「楽園」が演奏される。LOSTAGEの新機軸を打ち出したこの曲は、ダブ的なアプローチを展開し、彼等のグルーブにある種のドープさを盛り込んだ楽曲であると同時に、その冷たいグルーブの中でアチコ嬢のコーラスと共に、優しい歌を響かせる五味兄。冷え切った体を優しく温めてくれている様な感覚すら覚えた。そして更にmelegoatの岸野氏とsawagiのコイチ氏もゲストで登場。五味兄がベースをアコギに持ち替えて演奏された「NAGISA」、「これから」は新作でも本当に重要な核となっている楽曲だし、オルタナティブさすら放棄してしまっているが、LOSTAGEがその鋭利さだけでは無く、どこまでもメロウで優しい歌を奏でるバンドである事の証明でもあるし、この2曲に心がキュッとなった人は本当に多かったと思う。
 ゲストの3人が掃けて、ライブもいよいよ終盤。ハウリングノイズと共に一撃で全てを殺すギターのイントロを五味弟が鳴らした瞬間にさっきまでの温かい空気を破壊するLOSTAGEの必殺の名曲「Hell」!!岩城氏の怒涛のドラムと、五味兄のバキバキに歪んだベースと、五味弟のもう必殺しか無いと言わんばかりのギターリフの応酬が織り成す、殺戮ポストハードコアサウンドに再びモッシュが発生し、更なる狂騒の渦が生まれる。続く「カナリア」でも歪みまくったベースラインが必殺のキメの嵐が吹き荒れ、オルタナティブロックの楽園が正に目の前に広がっていた。本編ラストは「夜に月」、尖りつつも、新たな夜へと疾走する感覚が吹き荒れ、本編は終了
 フロアの拍手に応えて、再びLOSTAGEの3人が登場しアンコールへ。アンコールではZの怪物ギタリストである魚頭圭がゲストとして登場。そして新作で魚頭氏がゲストでギターを弾く「ペラペラ」を演奏。五味弟がギターを爪弾き、そのループするフレーズの不穏さから暴発するオルタナティブサウンドは魚頭氏のギターが加わる事によって更なる広がりと、アンサンブルの屈強さを叩きつける。そして続いて演奏されたのはLOSTAGE最初期の名曲であり、彼等の代表曲とも言える「手紙」!!!!!!4人編成だった時はライブで絶対最後にやっていた名曲のイントロのドラムが鳴った瞬間にフロアは本当に狂騒の渦へ。誰しもが腕を突き上げ、後ろ向きな癖に前を向こうとする五味兄の歌に魂が震え上がったし、五味弟と魚頭氏のツインギターの破壊力、変則的な癖にどこまでも力強いビート、全ての音と歌が必然として存在し、惨めであっても明日を生き抜こうとする歌はLOSTAGEのバンドとしての姿と凄い重なるし、だからこそLOSTAGEにしか鳴らせない歌として「手紙」は存在するし、だから本気で涙を流しそうになった。そしてアンコールラストはこちらも最初期の名曲「MINDJIVE」プリミティブなオルタナ・ポストハードコアサウンドが狂騒を更に加速させ、五味兄はフロアにダイブし、最後はベースを弾くのを放棄して、ピンマイクで叫びまくる、その瞬間のカタルシスによってアンコールは終了。狂騒と狂乱の中で惜しみない拍手が響く。
 止まないアンコールの拍手に応えて、再び3人が登場。二回目のアンコールへ。演奏されたのは3人編成になってからの新たな旅路を始まりを告げた楽曲でもある「ひとり」!!!!!!!!!もう五味弟の絶妙に歪んだLOSTAGE史上最強のイントロのギターストロークで再び魂の沸点は余裕でオーバーしてしまったし、狂騒も鋭利さも、憂いも全ての感情をアンサンブルとして叩き付けるこの楽曲は凄みやライブではさらにダイレクトに伝わってくるし、本当に胸を熱くさせられた。そしてアチコ嬢と岸野氏とコイチ氏が再び登場して、五味兄がアコギを持ち最後の最後に演奏されたのはLOSTAGEで一番優しい歌を聴かせる「NEVERLAND」。岩城氏の力強いドラムから始まり、本当に素直で剥き出しのままの感情とか郷愁とかがスッと胸に入り込み、自らが帰る場所への愛だったり、想いだったりが本当に胸を貫いた。もう終盤は何度も涙ぐみそうになったが、最後の最後に演奏された「NEVERLAND」は今日という特別な日が終わっても、まだこれからも歩みを進めていけるっていう大きな希望があった。こうして約2時間半以上に渡るLOSTAGEの大熱演は大団円を迎えた。



セットリスト

1.BROWN SUGAR
2.12
3.断層
4.BARON
5.言う
6.BLUE
7.DOWN
8.TOBACCO
9.あいつ
10.私
11.真夜中を
12.裸婦
13.眩暈
14.僕の忘れた言葉達
15.喉
16.瘡蓋
17.楽園
18.NAGISA
19.これから
20.Hell
21.カナリア
22.夜に月

en1.ペラペラ
en2.手紙
en3.MINDJIVE

en4.ひとり
en5.NEVERLAND



 五味兄がMC音楽と生活が本当に近くにあるっていうのは有難いと思うみたいな事を言っていたけど、LOSTAGEの音楽は本当に日常や生活といった物とシンクロしているし、だからこそ確かな強さと説得力を感じる。この日集まった人々にもそれぞれ生活や帰る場所があるし、僕にもそれはある。そんな日々を生き抜いて行く為の音楽としてLOSTAGEは本当に最強のバンドである事を今回のワンマンで改めて痛感させられた。
 日々を生き抜く為のオルタナティブロックとして僕はLOSTAGEを心から愛しているし、今回のワンマンで本当にLOSTAGEはでっかいバンドになったなあとしみじみ思った。でもどれだけ人気のバンドになっても、LOSTAGEは何も変わらないだろうし、これからも活動を続けて、良い作品を生み出し続けていくだけだと思ったりする。だからこそ僕はLOSTAGEってバンドが好きなんだなって思う。本当に特別な夜になったし、僕は心の底からLOSTAGEにありがとうって言いたい。
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