■Z会 17発(2013年2月9日)@新代田FEVER

 昨年バンドの解散を表明し、過去最高とも言うべきラストアルバム「絶塔」をリリースした激情の最果てを行くバンドであるZ。そんなZもいよいよ終わりの日を迎える。Zの自主企画であるZ会、今回のZ会は最後のZ会であり、ラストライブである大Z祭前の、Zのセミファイナル的なライブ。毎回とんでもない対バンを迎えるZ会だが、今回はmouse on the keys、LITEという国内インストの最高峰である2バンドに加えて、札幌の重圧殺マシーンであるGomnupersという最強と呼ぶに相応しい布陣。当然チケットはソールドアウトとなり、FEVERは本当にキャパの限界まで人で溢れていた。予定のスタートより30分程押してしまってはいたが、いよいよZのファイナル前夜ともいうべき最後のZ会が始まった。



・LITE

 根本兄と魚頭氏の前説からZ会はスタート。そして一発目は国内マスロックの代表格であるLITEの出番。1曲目はもう御馴染みの「Ef」でキックオフ。彼等の代表曲でもあり、必殺のマスロックチューンは本当にアンサンブルを限界まで鍛え上げ、観る度に進化を感じる。勿論その演奏技術の高さも凄いのだけれども、ストイックに自らのアンサンブルを鍛え続けているからこその貫禄、肉体的な躍動感と緻密に構成される楽曲の知性という両方を極め、更にはここ最近のラップトップ・シンセを導入した楽曲でも、それらの音を生かし、押しと引きを巧みに使い分けて、脳髄を覚醒させるマスロックは流石の一言。嵐の様に繰り出される音の乱打と、どこまでも獰猛でありながらも、計算されたアンサンブルの巧みさ。正統派マスロックでありながらも、他とは一線を画すLITEというバンドは日本のマスロックだけでなくインストミュージックを背負うだけのバンドになったなって改めて思った。あっと言う間の30分だったが、のっけからFEVERの熱量を熱くしてくれた。



・Gomnupers

 続いては札幌が誇る重圧殺マシーンことGomnupers。恐らくは約3年振りの東京でのライブだが、元々ファストコアだった彼等がスラッジコアへと変貌し、重圧殺マシーンとしての凄みを不動の物にしているけど、今回のアクトでもそれは健在、シンプルな3ピースでのインストスラッジコアであるけれども、とにかく重い!シンプルにひたすらリフで攻めつつも、極端に遅くなったアンサンブルの引き摺るグルーブ、ギターもベースも低域出まくりな凄まじい重低音、基本的にはリフの反復で楽曲は構成されていながらも、時折複雑に入るドラムのキメやブレイクがまたグルーブを増幅させ、ただFEVERを持ち前の重低音で揺らしに揺らしまくる!楽曲こそ結構コンパクトであるのに、どの楽曲も終わりなくリフと重低音の反復の引き摺る推進力放棄なグルーブで埋め尽くされているから、時間間隔を狂わされ、気付いたら脳が壊されている。本当に圧巻のアクトだったし、札幌が改めて化け物ばかり生み出す修羅の国である事を再認識させられたよ。重圧殺マシーンのおぞましさをFEVERにいた人々は嫌でも痛感した筈だと思う。



・mouse on the keys

 そしてZとは長年の盟友であるmotkのアクトへ。二台の鍵盤とドラムが織り成すインストミュージックはどこまでもクリアであり、とにかく躍動感溢れながら緻密に複雑なビートを叩き出すドラムと、二台の鍵盤の流れる音は下手したらシンプルな編成でありながらも、とにかく情報量が凄く、幾重にも音は重なり合って、見事に美しい流線型を生み出すアンサンブル。どこまでも透明でありながらも、不穏さも加速させ、それが冷めない熱病の様なテンションで繰り出される。ポストロックは引き算の手法で生み出すバンドが多かったりするけど、彼等は引き算も足し算も使い分け、それでいて必要な音のみを生み出しながらも、その音の情報量が凄いし、何よりも圧倒的な高揚感を彼等の音楽からは感じる事が出来る。人の意識をネクストレベルまで高める鋭くあり、優しくもあるアンサンブルの別世界。ラストはZの根本兄もサックスで加わり、更にフリーキーさも高めてどこまでも自由に羽ばたく音が毎踊っていた。Zの長年の盟友は、Zの終焉間近の今回のZ会に間違いなく不可欠だったし、本当に良いライブをしてくれたよ。



・Z

 そして今回の主役であるZのアクト。残り2本となったZでのライブのセミファイナルであり、根本兄が75分のロングセットでやるという宣言にフロアは一気に興奮の渦に。そして一発目はもう御馴染みの「ベロ」でキックオフ!!魚頭氏の全てを切り刻むギターリフから始まり、根本兄がいきなり叫びながらフロアへダイブ。ただでさえフリーキーでエクスペリメンタルであるのに、更にはハードコアの強度や肉体へと訴える強度まで手にした激情の最果てにあるラストアルバム「絶塔」の必殺の1曲にフロアはいきなりモッシュ&ダイブの嵐、ハードコアとしての強度を持ち、弘氏の躍動感と強度溢れるビートと、魚頭氏のリズムを引率しながらも、極限まで研ぎ澄まされた人間アンプサミットの名を欲しいままにする音作りとリフの強度、根本兄のフリーキーなサックスが生み出す脳を完全に異次元へと誘う、どんなドラッグよりも飛べるエクスペリメンタル激情系ハードコアZの本領が既に発揮されていて、もう頭はよく分からない状態に。続く「ほっくメキ」でもそれは健在でFEVERをカタルシスへと飲み込んでいく。「NEWわけを煮る」ではhununhumのカヨ嬢がコーラスで参加し、パーカシッブな軽快さの中での不穏さも見せる。そして魚頭圭大爆発!!な「DONUTSの罠」でギターリフが生み出す極限世界が描かれ、フロアのテンションは最高潮へ!!
 そして元ドラムであり、ゼアイズ時代から「新今日」まで根本兄と魚頭氏と共に戦い続けた根本弟こと根本歩がゲストとして加わり、根本弟と弘氏のツインドラム編成になりZ屈指の極限のサイケデリックエクスペリメンタルな楽曲である「新今日」へ。ツインドラムでビートの音圧が増幅され、更にタイトにシンクロしながら、それぞれの持ち味を生かしたプレイを繰り出し、ビートはより複雑怪奇に、そして長尺の中でよりサイケデリックな高揚感を生み出すギターとサックスが織り成すドラッギーな音像はあらゆる感覚の常識を破壊する物だし、本当に圧巻だった。そこからツインドラム編成のまま「新今日」に収録されている楽曲をプレイするが、サイケデリックなエクスペリメンタルさとハードコアの強度、どこまでも自由に拡散する不穏の音がカーニバルを繰り広げる。「全員OUT」ではセブ・ロバーツがゲストで参加し、ツインドラム・ツインギターで不穏さを更に加速させる。そして本編ラストの「USO村」でズクズクに刻まれるギターリフとツインドラムの応酬が繰り出す激情と激情のぶつかり合いにフロアは再びモッシュの嵐!!本編だけでもあっと言う間で、10曲が織り成してた音は正に異次元の物だった。
 止まないアンコールの手拍子に応えて、再び魚頭氏がステージへ。そして共に表れたのはex.灰汁のMCであるセノオGEE!更にはskillkillsのスグルキルス氏をゲストベースに迎えて「絶塔」の中でも異質過ぎる人力ヒップホップ「まぁなんて新しい 今があったはずなのに 怠惰な日々」徹底して正確無比なビートを繰り出す楽器隊。フロウもリズム感覚も言語感覚も完全に独自の物であり、圧倒的な量の言葉の刃と毒を吐き出すセノオGEE、そして根本兄のサックスと、Zの極限の音を極限まで研ぎ澄ました異形のヒップホップが繰り出される。そしてラストは再び3人編成で「蛇鉄」をプレイ。今回のライブを全て集約するポリリズムの断層が生み出すハードコアの完全に昇天してしまったよ。



セットリスト

1.ベロ
2.ほっくメキ
3.NEWわけを煮る
4.DONUTSの罠
5.新今日
6.霊吹
7.うくす
8.以上でも以下でも
9.全員OUT
10.USO村

en1.まぁなんて新しい 今があったはずなのに 怠惰な日々
en2.蛇鉄



 最後のZ会となった今回だが、出演バンドは正に最強に相応しかったし、何よりZは最終的に実に一時間半にも及ぶ壮絶なアクトを見せ付けてくれた。しかし感覚的には本当にあっと言う間だったし、音で人を狂わせるZというバンドは本当に唯一無二なんだと思う。
 そして2/16の大Z祭にてZは遂に終わりを迎える。僕自身もこの日は足を運ぶつもりだ。最果ての音を鳴らす男たちの最後をしっかりと見届けたいし、それは今回のZ会でFEVErに足を運んだ人、誰しもが思っている筈だ。
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