■Seven Sisters Of Sleep/Seven Sisters Of Sleep
![]() | Seven Sisters of Sleep (2011/06/2は1) Seven Sisters of Sleep 商品詳細を見る |
アメリカはカルフォルニアのスラッジメタルバンドであるSeven Sisters Of Sleepの2011年リリースの1stアルバム。リリースはSouthern Lordから。友人に薦められて、予備知識なしに音源を購入したが、これが滅茶苦茶格好良いスラッジだったのだ。それでいて激情系ハードコアの色も強く出ており、スラッジでありながらもプリミティブで粗暴なハードコアとしても最高に極悪な1枚になっている。
こういったスラッジ系のバンドは基本的に楽曲が長尺になっているバンドが多いのだけれども、今作は8曲20分という非常にコンパクトな作品であり、楽曲は1分台、2分台ばかり。音自体は紛れもないスラッジであるのだけれども、元々スラッジコアがハードコアの連中から始まった音楽である事を思い出させる、極悪な激情系ハードコアでもあるのだ。EyeHateGod辺りの影響を感じさせながらも、引き摺るスラッジさと、そのスラッジな重さはそのままにハードコアらしくBPM速めで突っ走るパートもあったりと楽曲の緩急はかなり強い。ギターのハウリングから始まる第1曲「Monasteries」ではこれぞスラッジと言わんばかりに引き摺る音の重苦しいグルーブとチューニングの重いギターリフ、のた打ち回る絶叫ボーカルと、スラッジ色全開で重圧殺してくる。しかし第2曲「Passed Out Standing」では悪の軍隊の行進の様なリフの応酬で攻めに攻めまくり、スラッジコアと激情系ハードコアの融合とも言うべきサウンドを見せてくれる。第3曲「Tide is Rising」では疾走するパートも盛り込み、正に暴走する重戦車とも言うべき獰猛さで殺しにかかってきているが、ブレイクダウンしてからは一気にBPMを落としてスラッジコアな引き摺るサウンドも盛り込み落差の激しさを見せても来る。コンパクトな楽曲もあって中だるみする事も無く、ハードコアとスラッジの良さと危険性を濃縮したかの様な楽曲、サザンロックの影響を感じさせるリフのセンス。とにかく凄まじい音圧と、ロウなサウンドの下劣さと、容赦は全く無いし、まさに泥水の中に沈む様なスラッジハードコアは、この手に愛好家には本当に堪らないサウンドだと思うし、この攻撃性は全身で浴びてしまうと全身複雑骨折保証物。
古き良きスラッジコアの流れを汲みながらも、よりハードコアとしての粗暴さを高めたこいつらは、正にスラッジの危険性を容赦無く噴出しながら、それをハードコアのダイレクトさで全力でブチ殺しにかかっている。EyeHateGod好きは勿論、激情系ハードコア好きにも是非薦めたい1枚。1stにしてかなりの破壊力を持っている!!