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■大Z祭(2013年2月13日)@渋谷O-EAST

 激情系の最果てを鳴らし続けた唯一無二の存在であるバンド。それがZというバンドだ。日本のハードコアシーンにて常に異形の音を生み出し続けていたZが遂に終わりを迎える。最果ての断崖絶壁に聳え立つ伝説的ラストアルバム「絶塔」を生み出し、その最終進化形態を見せ付けてくれたZだが、この最後の自主企画「大Z祭」にて最後を迎える。合計10バンドにも及ぶ宴であり、常に最強の面子で繰り広げて来た自主企画「Z会」の最後の形であり、そして最後のパーティになった。O-EASTは実に600人以上を動員したらしく、最後の最後に美しい花火をZは打ち上げたのだ。食事を取ったりとかしていて9dwとセノオGEE氏のライブはしっかり見れなかったので、今回のライブレポでは触れないが(ステージから流れる音を楽しんだりはしていたけど)、しっかりと自分が目撃した今回の宴のレポをここに記させて頂きたい。本当に最高の夜だったのだ!!



・CRYPTCITY

 一発目は中尾憲太郎率いるCRYPTCITYから!ドラムの弘中氏がドラムで参加してる事もあり、Zとは親交の深かったバンドだが、とにかくジャンクさと鋭利さと轟音のダンスミュージックをこれでもかと繰り広げてくれた。メンバーの半分が外国人である事から生まれる無国籍でズ太いアンサンブルもそうだけど、中尾氏と弘中氏のリズム隊の生み出すグルーブが本当に凄い!ダンサブルでありつつも、極太で巨根なベースと、どこまでもタイトで力強いドラムが織り成す躍動感、セブ氏のジャンクでアンビエントで、それでいてロックとニューウェイブ感覚が一緒になった独自のギターワーク、ここぞとばかりの場面で轟音サウンドが耳を貫き、変則的でありながらも、最高に踊れるロックとしてCRYPTCITYは本当に凄いバンドだと改めて再確認させられたし、30分にも及ぶ狂騒のサウンドは今回のイベント一発目から一気にフルスロットルで燃え上がっていた。



・DMFB(Dub Magus From Beirut)

 そしてサブステージにて大阪からDMFBのアクト。ラップトップとパーカッションの2人組で、今回初めてその音に触れたが、これがまたダブの範疇を超えた、民族音楽的ビートの酒池肉林のサウンドだった。序盤はミニマルなビートの反復が繰り広げられていたが、それが徐々にビートの野性味が加速し、気付いたら大地の躍動を想起させる物へと変貌。リズムパット・パーカッション・ラップトップを駆使し、電子音のビートと生のビートを巧みに組み合わせて、ダンスミュージックの一つの形を提唱していたと思うし、これはかなり良かったぞ!!



・LOSTAGE

 再びメインステージでLOSTAGEのアクトへ。1曲目から「BLUE」の青い透明感が疾走し、場の空気を一気に変える。LOSTAGEは本当に三人編成になってから楽曲・ライブ共に確変的進化を遂げたバンドだが、今回のライブでも盟友へ向けての渾身のアクト。「DOWN」の鋭角ポストハードコアサウンドから、ゲストサックスにZの根本兄を迎えての「真夜中を」、そして必殺の「ひとり」という前半のLOSTAGE節が炸裂しまくった流れでもう体温が一気に沸点を軽々しく超えてしまう。かつてはZも兄弟バンドであり、同じ兄弟バンドであるLOSTAGEは本当に深い親交で繋がっていたと思うし、MCで五味弟はZへの愛を語ったりもしていた、中盤のアチコ嬢をコーラスに迎えての「楽園」の切なさに満ちたダブサウンドで一つの優しさを生み出し、そして終盤2曲はZの魚頭氏をギターに迎えて4人編成で「Television City」、「MinDJive」という初期の名曲を披露し、フロアは完全にモッシュの嵐に。どこまでも羽ばたいていくオルタナ・ポストハードコアサウンドで更に宴を加速させていた。ワンマンも最高のライブだったが、今回もお見事でした!!



・Ropes

 サブステージにてART-SCHOOLの戸高氏とアチコ嬢によるアコースティックデュオRopesのアクトへ。その評判を耳にしていたので、ライブを観るのが楽しみだったが、本当に素晴らしいアコースティックサウンドを聴かせてくれた。どこまでも伸びやかで優しいアチコ嬢の歌声と、戸高氏が優しく爪弾くアコギの音色。本当にたったそれだけのサウンドだけど、たったそれだけで胸に響く歌をしっとりと聴かせてくれたし、KAREN時代の曲も披露してくれたりもした。アコースティックという最小限の編成から、最大級の多幸感を生み出すRopes、またそのライブを体感したいと思わせてくれた。



・M.A.S.H(大沼志朗、森順治、雨宮拓)+井野信義

 またメインステージに戻り、日本の有数のジャズプレイヤーによる演奏へ。フリージャズというかインプロ的というか、セッションライブというか、ジャズに関して全く無知な僕は、その音楽性を理解するのに精一杯になっていたが、そんな僕でも各プレイヤーがそれぞれ凄まじい演奏技術を持っているのは嫌でも理解したし、即興音楽的な、次にどんなアプローチが待ち構えているか分からない感覚、それぞれの音がぶつかり合う感覚、そのダイナミズムはやはり凄みを感じた。特に最後に根本兄をサックス、弘中氏をドラムに迎えてのツインサックス・ツインドラムの編成でのセッションは圧巻の一言だったし、長年戦い続ける孤高のプレイヤー達の競演にフロアからは本当に盛大な拍手が巻き起こっていた。



・SKILLKILLS

バースペースで9dwの高揚感溢れる音に酔いしれながら、知人と話なんかをしてる内にメインステージにてSKILLKILLSが始まった。今回非常に楽しみにしていたバンドの一つで、そのライブの凄さは、各方面で聞いていたが、正直に言うと想像以上のライブだった。弘中氏のドラムが凄いのはもう言うまでも無いし、スグルキルス氏のベースも凄いのも言うまでも無いのだが、本当にこのバンドはリズム隊が凄すぎる、どこまでも最小限の音しか鳴らしていないのに、その音の一つ一つの重みが本当に他とは違うし、空白すら聴かせ、変則的に変化を続けながらも、一貫してうねるグルーブの凄さ、そして多彩なアイデアを生かしに生かしまくり、単なる人力ヒップホップで終わらない本質的な意味でポストである続ける音楽性、マナブスギル氏のリリックのセンスと毒素、そしてビートに最高に嵌るフロウ。ヒカル氏がターンテーブルとキーボードを駆使し、余白を埋めるどころか、更に掻き回し、ヤバ過ぎる技術とアイデアと独創性を最大限に生かし、新たなレベルミュージックを確立したskillkillsは、別格のバンドであるのだと思う。そしてそのグルーブの躍動と中毒性が更に加速しまくったライブはフロアを緊張感と狂騒で躍らせまくっていた。初めてそのライブを観たが、これは本当にヤバイスキル!!圧巻!!



・NICE VIEW

 長丁場のイベントだったので空腹に耐えかねて食事を取っていたのでセノオGEE氏のライブはちょろってしか観れなかったのだが、続くトリ前の名古屋が誇る3ピースファストコアバンドであるNICE VIEWのアクトへ。それがもう余計な言葉なんか必要無い位に圧巻のライブだった。超光速で繰り出されるビートの嵐、光速ギターリフの応酬。ツインボーカルの絶唱の掛け合い。ハードコアのありとあらゆる要素を喰らい尽くし、それをどこまでも獰猛な音塊として放出されるライブは、もう余計な事なんて何も考えられなくなってしまう。実に30分近くに渡って一杯曲もやってくれたりもしたが、そのどれもが屈指のキラーチューンであり、モッシュの渦が巻き起こる。しかもキャッチーさもしっかりあるからもう最高!!何よりも竜巻太郎氏のドラムが本当に怒涛の音の洪水であり、超高速のビートを乱打には、もうテンションはブチ上がるしかない、格好良かった!!とか凄かった!!としか言えない位、モッシュしまくてったし、ちゃんと言葉でそのライブの凄さを伝えられないのが悔しいけど、本当に格好良いハードコアの前じゃ「凄い」、「ヤバい」、「格好良い」。これだけの言葉しか出なくなってしまうし、NICE VIEWは間違いなくそんなバンドだ。名古屋のハードコアの重鎮の貫禄、痛感するしか無かった!!



・Z

 そしていよいよ最後のライブとなるZのアクトへ!長丁場にも関わらず、フロアは本当に沢山の人で埋め尽くされており、そしてZという最果てのバンドの最後をこの目に焼き付けようとしていた。そして始まった。1曲目は「ベロ」からキックオフ!!硬質で全てを切り刻む魚頭氏のギターリフから始まり、そして根本兄が叫ぶ!弘中氏のドラムも過去最大級のビートの重みに満ちており、そして狂騒としての激情をどこまでもアバンギャルドかつ、破滅的に描く屈指の名曲によって、既にZにしか生み出せなかったハードコアが咲き乱れ、余計な感傷だとかそういった物を全部否定するかの様に圧倒的世界が目の前で繰り広げられている。続く「ほっくメキ」もそうだが、「絶塔」の楽曲はビートの強靭さ、リフの破壊力、解き放たれたサックス、根本兄の全てを絞りつくす様な叫び、全てが極限まで高まってしまったからこそ生まれた激情であると同時に、それを体現するライブは本当に世界が別の物へと変貌していく瞬間を眺めている様ですらある。「NEWわけを煮る」ではカヨ嬢をコーラスに迎えて披露され、ポップさからそれをぶった切る混沌へと雪崩れ込む瞬間は本当にゾクゾクしたし、LOSTAGEの五味弟を迎えての「DONUTSの罠」はZで最も分かり易い破壊力を持ちながらも、テンプレートに収まらない異形さもあるし、ツインギターの音圧の凄み、より立体的になったアンサンブル、ビートが繰り出す破壊的衝動、リフとリフの衝突、Zが単なるアバンギャルドなバンドでは終わらずに、狂騒と破壊力と同時に生み出すバンドとしての証明であった。
 そしてゲストに元メンバーである根本弟を迎えてツインドラム編成になり「新今日」から「新今日」を披露。僕が個人的にZで一番大好きな楽曲であると同時に、魚頭氏のギターも最もキレにキレまくり、根本兄の歌詞の世界も、サックスも全て開放され、そしてツインドラムの正確無比であり、タイトなビートの重心とフリーキーさも解き放たれており、更には極限まで冷徹でありながらも、その膨張していくスケールがある意味ドラマティックですらあるし、そして終盤で極限のエクスペリメンタル世界へと雪崩れ込む瞬間は比喩でもなんでもなく、脳が覚醒する瞬間を感じ、そして意識が完全に別の方向へと導かれてしまった。それは続いて披露された「うくす」、「以上でも以下でも」でもそうだったし、極限という極限を極めようとしたZにしか到達出来なかった領域だと思うし、もうグチャグチャになった意識、そして目の前で起きている音の世界について何も考えられなくなってしまい、ただ極限を体感する快楽が全身を支配していた。
 更にゲストに元メンバーである山田氏を迎えて1st「御壁」から「500万円」へ。フリージャズの要素を分解に分解しまくり、それをハードコアの先のハードコアとして打ち鳴らし、更には山田氏の解放されたベースがまた意識をネクストレベルまで持っていく。そして初期のキラーチューン「図式マン」へ。Zの持ち味である魚頭氏の強靭なギターリフの反復による陶酔感覚は、この初期の楽曲から既に確立されていたのを改めて痛感する。走りまくる根元兄弟に対して「間違えすぎ」と魚頭氏が一旦曲を中断し、再びやり直すなんていう微笑ましいシーンを挟みながらも、その二回目の「図式マン」は反復の中で変化するギターのトランス状態が更に拡散し、絶頂!!
 「御壁」の曲を2曲披露し、山田氏が退場し、今度はCRYPTCITYのセブ氏を迎えて「全員OUT」を披露、「図式マン」での高揚を引き継ぎながら、アンビエントな感触のセブ氏のギターを魚頭氏のリフが、また新たなトランス状態を生み出す。そして本編ラストであり、根本弟のZでの最後のプレイとなるZ流スラッシュハードコア「USO村」へ!!ザクゾク切り刻むリフと、怒涛のツインドラムのビートが生み出す直情的でありながらもあらゆる型を破壊するサウンドにもう何度目か分からない絶頂へ!!こうして本編は終了。
 そしてアンコールの手拍子に早々にメンバーが再び登場し、今度はセノオGEE氏とskillkillsのスグルキルス氏を迎えて「まぁなんて新しい 今があったはずなのに 怠惰な日々」へ。セノオ氏の独創性と変則的フロウが織り成す極限のラップと、弘中氏とスグルキルス氏の極限のグルーブ、魚頭氏と根本兄のギターとサックスの極限の音色が織り成す人力ヒップホップで冷徹さを極めた情景へと雪崩れ込む。そしていよいよアンコールラストであり、Zの最後の曲となる「蛇鉄」へ。末期のZでは毎回ライブで最後に演奏されたポリリズムの極限ともいうべきこの曲で、再び3人での演奏、今までの全てを放出するかの様な「蛇鉄」によって、Zは自らのハードコアを極限まで極めたからこそ生まれた不穏さと、その先にある新たな世界を描き、そして2013年2月16日。Zは最後を迎えた。二時間にも及ぶハードコアの最果てが、確かにあった。



セットリスト

1.ベロ
2.ほっくメキ
3.NEWわけを煮る
4.DONUTSの罠
5.新今日
6.うくす
7.以上でも以下でも
8.500万円
9.図式マン
10.全員OUT
11.USO村

en1.まぁなんて新しい 今があったはずなのに 怠惰な日々
en2.蛇鉄



 最後の最後に根本兄が、改めて今回のZの解散についてMCで語っていたし、それに対してそれぞれが思うこともあるだろうし、Zの解散については僕は何も触れない。しかし魚頭氏も根本兄もそれぞれMCでメンバーに共演者に、来てくれた人々に感謝の言葉を述べていたし、僕自身も今回の「大Z祭」が本当に多くの人々が集結し、そしてZという唯一無二のバンドが終わった瞬間を目撃した。その事実で十分だと思う。僕個人としては本当に清清しさすら感じるラストライブだったと思うし、極限を極めようとして極めた男たちの最後の激情をその目で焼付け、その耳で体感したという事実。それが心から嬉しく思うのだ。メンバーそれぞれがまた新たな音楽を作ることも宣言しているし、僕は今回のZのラストライブでは感傷なんて全く無く、本当に心の底から「お疲れ様です。」と「最高のバンドであり最高のライブでした!」それだけが言いたい。
 魚頭氏は根本兄によって人生が変わったという事をMCで言っていたが、僕自身もZというバンドによって音楽に対する価値観を変えられてしまった人間の一人だし、それは僕以外にも本当に多くの人々が思っている事だと思うのだ。根本兄弟と魚頭圭によってSWIPE、There Is A Light That Never Goes Outと続き、そして最後のバンドという意味で名付けられたZという名前を冠した極限のハードコアは、文字通り最後を迎えてしまった。しかし根本兄弟も、魚頭氏も、弘中氏も、そのZの先にある別世界をそれぞれ目指して進んでいく、たったそれだけだ。何も悲しくなんか無いのだ。



 この極東の日本という国にZという最果てを目指し燃え尽きたバンドがいた、その事実を一人でも多くの人に知って欲しい。そして彼等が残した3枚のアルバムは僕の中で永遠のマスターピースだ。
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