■CONVERGE(2013年2月19日)@渋谷CLUB QUATTRO

 昨年「All We Love We Leave Behind」というバンド史上屈指の大傑作をリリースしたカオティックハードコアの先駆者であり絶対的帝王であるConverge、そんな彼等が新譜を引っさげての来日公演、しかもゲストには元ISISのフロントマンであり、数多くのバンドに参加する猛者こと俺たちのアーロン・ターナーを始めとするボストンハードコア人脈オールスターなスーパーバンドであるOld Man Gloomという、もうメインディッシュの二郎の前に前菜で中本の北極が来ちゃいましたみたいな感じになってしまった。これはもう行くしかないと今回足を運ばせて頂いた。今回のスペシャルすぎるライブに平日&隣の駅である代官山ではSWANSの来日公演(こっちも行きたかったが諦めた。しかし平日で大物二つの来日被せるなよ…客層被ってるだろうし…)という状況にも関わらずクアトロはスタート前から多くの人で賑わっており、誰しもがこれから起こる壮絶なる混沌に期待を膨らませていた。



・Old Man Gloom

 スタートの時間から約10分程押して先ずは前座であるOld Man Gloomのアクトがスタート。俺たちのアーロン大先生に加えてCave InのCalebにConvergeのKartというスペシャル過ぎるメンバーが集結し、昨年復活&傑作「NO」のリリースに加えて今回の来日と狂喜乱舞したフリークスも多かったと思うが、結論からいうと、のっけから激重の圧巻のスラッジ&ハードコアサウンドがクアトロで炸裂した。2010年のISISの日本での最後のライブ以来、実に3年振りのアーロン大先生は髪が伸びて、更に貫禄が増していたが、その音は本当に熾烈極まりない物になっていたし、音源を軽々しく超える突き抜ける激重の轟音のリフの応酬と岩石ぶん投げまくりなビートの行進に、早々から菜脳髄は完全に粉砕。音源でのエレクトロニックな要素よりも、よりダイナミックなバンドサウンドが前面に出まくったサウンドは更に殺気立っていたし、鉄壁のアンサンブルの中で音源よりもダイレクトにハードコアとしての格好良さを出しながらも、トリプルボーカルのシャウトの応酬と激重サウンドの奥にある微かなメロウさと、屈指の鉄槌ヘビィネスサウンドが出まくった1曲目「Gift」からOMGの完全勝利は確定だったし、新作「NO」からの「Common Species」から「Regain/Rejoin」の流れはアーロンがかつてやっていたISISの迫るだけの感動的であり、より殺意に満ちた激重ハードコアに肉体と精神がネクストレベルに持っていかれてしまった。セットの方も、Daymareから過去音源の再発っていう状況が関係しているかどうかは知らないけど、過去の音源からも結構やってくれたし、45分程のセットだったが、前座とは思えない圧巻のハードコアにメインディッシュ前に燃え尽きそうになってしまった。ボストンハードコアオールスターの凄みと貫禄に会場の熱気は既にクライマックスになってしまったし。本当に心を砕かれる悲痛で熾烈な激重オーケストラ、破壊の美学としてのハードコアが炸裂していた。

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セットリスト

1.Gift
2.Flood I
3.Branch Breaker
4.Common Species
5.Regain/Rejoin
6.Hot Salvation
7.Jaws of the lion
8.Skullstorm
9.Sleeping With Snakes
10.Rape Athena
11.To Carry the Flame
12.Zozobra
13.Afraid Of
14.Bells Dark Above Our Heads



・Converge

 そしてOMGのアクトが終わってから実にスムーズな転換で20分もしない内にメインアクトであるConvergeのアクトへ!もう一言で言うなら圧巻のカオスが目の前に広がっていた。1曲目「Heartache」からもうメンバーは全力疾走で混沌を繰り出し、フロアは完全に危険極まりないモッシュの嵐へ!!しかもフロア後方ですらモッシュが起きまくっていたし、最前は酸欠状態になりながらも皆が拳を突き上げて暴れ叫ぶ!!音源ではハードコアの粗暴さと、緻密なカオティックサウンドが炸裂するConvergeであるが、ライブではハードコアバンドとしての馬力が更に凄まじいものになってしまっている、楽器隊が暴走しまくるアンサンブルは一歩間違えてしまえば簡単に崩壊してグダグダになってしまってもおかしくないのに、その崩壊寸前のバランスを絶妙に保ち、確かなアンサンブルを、粗暴さを倍プッシュにして放出し、崩壊しそうでしないギリギリのラインを暴走し、それが彼等のカオティックハードコアを更に混沌へと導いているのだ。混沌の中で原始的なハードコアの強靭さとシンガロングパートまで盛り込んでいる「Dark Horse」も暴走する音塊が暴力的に降り注ぎ、フロアを狂わせる。最新作のリードトラックであり、彼等のカオティックハードコアの更なる進化形態である屈指の名曲「Aimless Arrow」も、音源の計算された混沌とは全く違う、テクニカルなサウンドが熾烈で歪みまくった暴走する猛獣と化したハードコアとして放出される様は、もう人間の本能の外してはいけないリミッターを軽々しく粉砕し、狂騒へとダイブさせてしまう。
 ライブレポでこんな事を言うのはアレなのは十分承知してはいるけど、本当にConvergeを前にしたら「凄い。」とか「格好良い!」とかそう言った単純な言葉しか出なくなってしまうのだ。もう音源よりも熾烈さとヴァイオレンスさを極限まで高めて、崩壊しかねない瞬間のカタルシスと、獰猛な猛獣と対峙し、喰うか喰われるかの領域まで到達したサウンドは、人間の理性という理性を叩き折りまくり、ただ混沌の中で暴れる事しか出来なくなってしまう。セットは過去作の名曲も満遍なくプレイしてくれたし、それらも音源とは全く違うConvergeのハードコアバンドとしてのパワーの凄まじさに圧倒されたし、何よりも非情で暴力的なサウンドであるにも関わらず、破滅的な神々しさすらConvergeから感じたし、Convergeは間違いなく00年代の俺たちのハードコアヒーローであると同時に、彼等の登場以降、彼等の上辺をなぞっただけの幾多のフォロワーには死んでも到達出来ないであろう、原子的な混沌を生み出しているし、徹底して自らのサウンドを鍛えに鍛えまくったからこそ生み出せる狂騒であり、熾烈さとヴァイオレンスさが咲き乱れるカオティックハードコアは唯一無二であると同時に、Convergeは不動の帝王であり続けるから到達出来た世界なのだ。
 ライブは一時間程で終わってしまったが、僅かなMC以外はほぼノンストップで名曲を混沌の乱打として繰り出し、終わり無き狂騒のビッグバンが炸裂していた。特に本編ラストの「The Broken Vow」では本当に単なる音塊になってしまったアンサンブルが直下型の落雷として轟き、そして壮絶なる世界が広がっていた。そしてアンコールの「Last Light」であっという間にライブは終了。一時間を全力で暴走したConverge、もうなんだろうか、ハードコアはどこまでも人を狂わせる事が出来るし、人をハッピーに出来るんだなって思ったよ。特にライブ中盤か終盤辺りで俺たちのアーロン大先生がダイブしている光景とか(目の前でダイブしててびっくりした)、終盤の「Axe to Fall」で皆がモッシュしながら笑顔で拳を突き上げてる光景とか、脳みそグチャグチャになりながらモッシュしまくりながら観てたけど、このレポ書きながら色々思い出してみると、本当にあの空間は最高にハッピーなハードコア地獄だったんだと思う。

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セットリスト

1.Heartache
2.Concubine
3.Dark Horse
4.Heartless
5.Aimless Arrow
6.Trespasses
7.Bitter and Then Some
8.All We Love We Leave Behind
9.Sadness Comes Home
10.Locust Reign
11.Glacial Pace
12.Cutter
13.Worms Will Feed/Rats Will Feast
14.Axe to Fall
15.Empty on the Inside
16.Eagles Become Vultures
17.The Broken Vow

en.Last Light



 前座のOld Man Gloom、そして主役のConverge。どちらも熾烈極まりないハードコアを放出していたし、この日の夜は間違いなくスペシャルな夜だったと思うし、それは足を運んだ人々みんなが思う事だと思う。唯一今回のライブに不満があるなら僕がConvergeで一番大好きな「heaven in her arms」をプレイしなかった事だけど(激情のあちらのバンドも大好きだけど、元ネタであろうこの曲も死ぬ程大好きなんです。)、そんな事はどうでも良いのだ。とにかく最高にConvergeが格好良すぎたし、俺たちのハードコアヒーローなんだよ。笑顔と突き上げられる無数の拳と混沌と狂騒が生み出すカオス、それがConvergeなんだから!!



(でも本音言うとSWANSもめっちゃ観たかった。何故被ってしまったのか…)
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