■100ANTENNA(2013年3月9日)@鶯谷WHAT'S UP
・MiDDLE
先ずはMiDDLEのアクトから。ギターボーカルの人がDrive Like JehuのTシャツを着ていた事から確信したけど、もう完全に古き良きサンディエゴな爆裂ポストハードコアサウンド!爆音で激走するドライヴィンなリフの応酬だけでも滅茶苦茶格好良いのだけれでも、それに加えてメンバー三人全員がボーカルを取り、絶唱の掛け合いで更にバーストしまくる!とにかく絶妙なキメとリフで攻めに攻めて、ノンストップで爆走するポストハードコアサウンドは一発目からテンションをブチ上げてくれた!正統派サンディエゴ直系ポストハードコアの底力と爆発力をライブだからこそ体現し、それで刺しに刺しまくる音!ナイス!!

・TIED KNOTS
お次は昨年末のfrom ten to nine企画以来に見るTIED KNOTS。前回見た時はハードコアから90sからエモティブなサウンドを聴かせている印象だったけど、今回のライブではまた印象が変わって、もっと歌の部分に接近した印象を受けた。ハードコア上がりな男臭さはしっかり健在ではあるけど、もっと楽曲に透明感が加わっていた様にも見えるし、とにかく泣きのクリアなアルペジオのフレーズと無骨なギターフレーズが絶妙に絡むのは反則だろって思ってしまった。とにかく無骨でストレートな泣きの旋律に更に磨きがかかっていたと思うし、よりドラマティックなサウンドを聴かせるバンドになったと思う。近々レコーディングらしいので、完成した音源も非常に楽しみになるライブだった!

・quizkid
続いてはquizkid。ギターはなんと200mphのハヤシ氏というのも驚きだが、このバンドとにかく渋かった!!簡単に言うと歌物のエモなんだけれど、とにかく3ピースのシンプルなアンサンブルの中で静かに燃え上がる熱量が凄い!各楽器の音は強い主張を特別にしてる訳では無いのに、それが絶妙に絡み合う瞬間に焦燥と哀愁が一気に美しい旋律と共に涙腺を刺激しまくる。特にハヤシ氏のギターワークが本当に秀逸で、エモ・ポストハードコアの流れを汲み、その絶妙な歪みと揺らぎが生み出す哀愁が本当に堪らない。またボーカルが本当に良いバンドで、少し枯れた感じの渋さしかないクリーントーンの歌が、このバンドの持つエモーショナルさを更に加速させているし、とにかく胸に響きまくる。エモとはドラマティックである事であり、このバンドは静かな流れの中で一つの物語を楽曲の中で作り上げるバンドであり、それはもう魂を十分に震え上がらせる。今回のライブの間違いなくベストアクトだったし、本当に良いライブだった。

・羊数える
そしてラストは主催の羊数える。ディスコーダントかつドライヴィンなサウンドを聴かせる3ピースであり、なおかつカオティックに暴走する音塊はバンド名に反してかなり極悪。3ピースでありながら、全ての音をバキバキに歪ませ、ハイトーンで叫びまくりジャンクで崩壊寸前のまま暴走する。しかし楽曲自体はかなりの構成力と爆発力を見せる物で、そういった叡智をジャンクなサウンドで叩きつけるからこそ爆走のポストハードコアになっているのだと思うし、あらゆるバックグランドを感じさせながらも、それを自らの物にしてる感じもあった。この日一番の暴走をライブで見せつけ、企画主としてしっかり企画を締めくくってくれた!最高に格好良かったけど、音源買い忘れてしまったのが残念だ。またライブを見たいと思ったし、ライブだからこそ彼等のサウンドは本当に映えるなと思った。

今回は4バンド中3バンドが初見だったけど、ディスコーダントな音を聴かせてくれたMiDDLEと羊数えるという2バンドと個人的に幸福な出会いを果たせたし、TIED KNOTSは更に歌とエモさに磨きがかかっていたし、何よりもquizkidが本当に良いライブを見せてくれた。結構お酒飲んだりもしたし、ライブ終演後は出演者や他のお客さんとも楽しくお話もさせて頂きました。土曜の夜に良いバンドのライブとお酒という素敵な時間と空間で楽しい時間を過ごさせて頂いたのです。