■praparat/boris


praparat [Analog 限定180g盤]praparat [Analog 限定180g盤]
(2013/03/06)
boris

商品詳細を見る




 日本を代表する世界的ロックバンドの一つであるBoris、2013年に入ってから一気に音源のリリースラッシュに入り、今作はその先陣を切る1枚であり小文字borisとしては本当に久々にリリースされる新作だ。2011年にリリースされた3枚はこれまでのBorisでもあり、これからのBorisでもある3枚だったが、この久々のboris名義でリリースされた今作はこれまでのborisのアンビエントでサイケデリックな流れにありながらも、今まで以上にキャッチーさもある1枚になっている。



 全11曲で40分弱とborisにしてはコンパクトなサイズであり、ほぼインストで占められてる作品構成なんかはかつての名作「Mabuta no Ura」の様な一種のサントラ的な作品に仕上がっていると言えるし、borisの持つ実験精神と幾多の要素を行き来しながら、サイケデリックやアンビエントと言った要素を飲み込み、それをミクロの視点から生み出す作風は健在。しかしこれまで以上に聴きやすくもあるし、それぞれの楽曲のコンセプトが本当に明確になった気もする。少し難解な印象もあったりしたboris名義の作品だけど、今作は基本軸はborisでありながら、ここ最近のミクロもマクロも同時に見せるBoris名義での作品の感覚に近くもあり、それはBORIS名義やBoris名義で多くの作品をリリースした先にある、一つの洗練としての進化である。
 第1曲「December」は静謐さから生まれるアンビエントなサイケデリックさに揺らされ、美しい旋律に陶酔してしまう1曲であり、そこから今回のborisは始まるのだが、第2曲「哀歌」はborisらしいヘビィさと美しさの両方を手にした音像が非常に印象的であり、何よりもboris名義では今までに無いレベルで歌に接近しており、一つの荒涼とした情景を想起させる1曲になっており、今作でも特に象徴的な1曲になっている、特に楽曲の終盤で一気にBPMを上げてポップになっていく様なんかは「New Album」を作り出したからこそ出来た事だとも思うし、今回のborisは堂々とポップであるのだ。第4曲「砂時計」はサイケデリック要素もありつつも、正統派な轟音系ポストロック的アプローチであり、クリアな旋律が柔らかくも爆音で意識を覚醒させる。とにかく今回の新作は音楽的なレンジが非常に広い作品でありながらも、それをborisらしいヘビィロックから生まれるサイケデリックさで上手に統率し、作品の統一性も損なっていない。
 中盤に入るとヘビィな楽曲が続き、第5曲「Method Of Error」ではスラッジリフの反復と鐘の音色の音が生み出す神秘的でありながらも、粗暴で重苦しいアンサンブル、シンプルなリフの反復でありながら、随所にインプロ的アプローチも加え、ヘビィロックから新たな音を生み出してきたborisらしいストーナーな酩酊へと帰結する楽曲になっている。第6曲「Bataille Suere」は本当にBORISとborisの中間を絶妙に掻い潜る楽曲だし、ライブで聴いたら一気に陶酔の世界に呑み込まれそうになるだろう。今作のもう一つの歌物楽曲である第9曲「Mirano」では再びサイケデリックなポップさへと飛躍し、重苦しい哀愁とアシッドさを前面に出している。そして第10曲「カンヴァス」で全てを開放する激重サイケデリックの音像を見せつけ、今作を総括する。



 久々のboris名義のリリースとなった今作だが、コンパクトな作品でありつつも、borisの持つ音楽性の広さとヘビィさから生み出すサイケデリックさはやはり健在で、それをより分かりやすく聴かせる懐の大きさも手に入れた作品という印象を受けた。しかし個人的には今作はまだboeisが新たな段階へと到達する進化過程の間にある作品だとも思ったし、今作の先にある音は一体どんな世界なのか期待も膨らむ。ここ最近のBorisの作品から入った人もすんなり聴けるし、これまでのborisを知ってる人も唸らせる作品だとは思うけど、まだまだこんな物じゃないって期待をしっかりと抱かせてくれる1枚。



スポンサーサイト

■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

タグ別記事表示

日本 ライブレポ 激情系ハードコア アメリカ スラッジ ポストメタル ポストハードコア ポストロック カオティックハードコア ドゥーム エモ オルタナティブロック イギリス サイケ フランス アンビエント ストーナー ネオクラスト ドローン ドイツ シューゲイザー ハードコア ロック グラインドコア プログレ ギターロック ポストブラックメタル インタビュー マスロック ポストパンク デスメタル スウェーデン カナダ モダンへビィネス スラッシュメタル ブラックメタル ギターポップ エクスペリメンタル エレクトロニカ ジャンクロック イタリア インダストリアル ベルギー フューネラルドゥーム グランジ ノルウェー 年間BEST ジェント オーストラリア スペイン アコースティック ポップス プログレッシブメタル ラーメン ブラッケンドハードコア フォーク ミニマル モダンヘビィネス ニューウェイブ パワーヴァイオレンス ロシア ゴシックメタル ハードロック ファストコア ノイズ ニュースクールハードコア フィンランド メタルコア ゴシックドゥーム トリップホップ ヒップホップ 自殺系ブラックメタル オランダ 駄盤珍盤紹介 アブストラクト ノーウェイブ クラウトロック ダブ ヘビィロック パンク ゴシック ダブステップ ノイズコア シンガポール ラトビア ミクスチャー チェコ インディーロック メロディックパンク テクノ ポーランド ドラムンベース ウィッチハウス オルタナティブ アイルランド デンマーク スイス ヘビィネス メキシコ ポジパン ジャズ ヴィジュアル系 アシッドフォーク メタル ブルデス 声優 ボイスCD ドリームポップ トラッドフォーク クラストコア スクリーモ カントリー プリミティブブラック 韓国 ハンガリー アイスランド イラン シンフォニックブラック ギリシャ スコットランド USハードコア ポルトガル ガレージ ソフトロック フリージャズ モダンクラシカル 台湾 トルコ ファンク 

カテゴリー

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

カウンター