■White Sky/Networks
![]() | White sky / ホワイト・スカイ (2010/05/21) NETWORKS 商品詳細を見る |
大阪を中心に様々な音楽プロジェクトに関わっていた三人が2008年に結成したのがこのNetworksである。「楕円運動のダンス音楽」「最終的に祈祷になること」等を念頭に置きながら、ピアノとガットギターとドラムの最小限の楽器で、最小限の音と展開の中で、変拍子が複雑に絡み、エレクトロニカのミニマムな要素を圧倒的演奏力で人力の馬力の高さと緊張感を保ちながらも、プログレッシブなバンドサウンドは非常に野性的でもあるし理性的でもある。ただ難解なだけでなく聴き手の体を自然に動かさせる音の快楽とリズムのダンサブルさが際立ち、耳から入った音は全て肉体に馴染んでいく快楽を今作では味わえる。
第1曲「Ab-rah」からいきなりNetworksの本領発揮である。ループするピアノのフレーズとタイトなドラムの作り出すグルーブに変拍子を駆使しながらもシンプルなギターのフレーズが絶妙に絡み合って、快楽の中枢を刺激していく。そこからミニマムでありながらも徐々にキラキラと色彩豊かな情景が昇り上がって行く様は本当に美しいの一言である。第3曲「Co. dak-Sun」もフュージョン色の前面に出たギターとタイトなドラムの反復の音とキメに快楽はまた絶妙、バンドサウンドならではの湿度と肉体性はまた曲の情景を明確にしてく作用が働いている。
全編に渡って音の快楽と反復のミニマムサウンドが重点に置かれているが、その中に無機質さは皆無でオーガニックな曲のキラキラとした風景を聴き手に思い浮かばせる内容になっている、その光の中で体は自然と動いていくのだ。
知性と野生が絶妙なバランスで融合し、バンドとして強靭でありながらもしなやかな肉体性とフォルムを持ち、その中に差し込む一筋の光は一気に多方向に拡散していく。クロスオーバーされた音の向こう側には、純度100%の音の天国が広がっている。