■wombscape presents "籠の中の黒い心臓 vol.6"(2013年5月12日)@笹塚MUSEUM

 七月にアンチノックでの自主企画も告知され、更に勢いに乗るカオティックの先の悪夢を鳴らすwombscapeによる自主企画スタジオライブ。笹塚の練習スタジオにて催されたDIYな企画だが、スタジオライブとは思えない豪華な面子が集まった。ファストかつカオティックに煉獄を生み出すZENANDS GOTS、ドゥームの最果てを生み出すINSECURE、ブルータルな極悪グラインドコアO.G.D、大阪からの刺客Dance Missing Tiltを迎えてのライブ。この日はオズフェストの二日目が同時に開催されていたり、それに対抗してか各地でも熱いイベントが多かったが、笹塚でもアンダーグラウンドの悪夢の宴が繰り広げられたのだ。



・ZENANDS GOTS

 一発目はたった二人で生み出す圧倒的煉獄ことZENANDS GOTS。このバンドは観るのは三回目だが、前回観た時以上にライブが凄まじくなっている。ドゥームとかエクスペリメンタルとかファストコアとかカオティックとかを飲み込みに飲み込み、それを決して綺麗にまとめたりなんかしないで、たった一本のギターとドラムだけで乱雑かつ獰猛にノンストップで繰り出す様は単純に凄いし、曲も一部を除くとほぼショートカットチューンなのに、それらに詰め込まれた圧倒的な情報量。ライブ自体は約15分と非常に短かったけど、圧倒的テンションで繰り出されるエクスペリメンタルショートカットサウンドは何度見ても凄い!このバンド、まだまだとんでもない事になりそうだ!!



・INSECURE

 続いてはサイケデリック激重ドゥームトリオであるINSECURE。ライブ自体は一年振りに観たが、もう相変わらず超長尺のサイケデリックドゥームを展開してくれた。極限まで音数を減らしながらも、その激重かつ爆音のアンサンブルは残響音すら聴かせるし、空白すら空気を作り出し、今にも窒息しそうな閉塞感に窒息しそうな緊張感を生み出す。一音一音の破壊力もまず凄いし、極限まで削ぎ落としているからこそ、その数少ない音の激重具合や、引き摺るドゥーミーなサイケデリックさがより際立っているし、ドゥーム・スラッジ好きならもう完全に涎が零れに零れるアンサンブルは一年振りに観た今回も見事に健在だった。曲数こそは少なかったけど、時間軸も五感も狂わせるドゥーム絵巻は圧倒的だった。



・O.G.D

 そして川越でのライブから実に一週間のブランクでまたライブを観る事になったベースレスグラインドコアトリオであるO.G.D。とにかくメンバーがステージを暴れ回り、ロウでダーティでいてブルータルでトラッシュなギターリフの殺傷力と、グラインドコアのツボというツボを押さえまくったドラムのビートと、グロウルとゲロ声を巧みに使い分けるボーカル。たったそれだけで最高に格好良いグラインドコアを放出していた。勿論ショートカットチューンをノンストップで繰り出し、極悪さを極めようとしている、高速リフと高速ブラストビートが速さだけで無く、殺気やブルータルさも見せつけ、邪悪グラインドを展開する。本当にあっという間のライブではあったけれども、一週間というブランクにも関わらず、また最高に格好良いライブを見せて頂いた!!



・Dance Missing Tilt

 トリ前は今回唯一初見だったDance Missing Tilt。上半身裸の男性のパーカッションの人と、前に座り込んだ女性が三人。シンセ2台のギターにマラカスにエフェクターに風鈴に、何故か一斗缶というセッティングではどんな音楽性か全く想像出来なかったが、蓋を開けてみたらなんじゃこりゃ!!だった。もはやビートを刻まずに不規則に叩かれるパーカッション、不意に何度もドラムスティックで叩かれまくったり投げつけられる一斗缶。美声から不気味なうめき声まで上げる三人の女性。ゴスな旋律かと思えば不意に不協和音のノイズになるシンセ、忘れた頃に振られるマラカス。それらが織り成す、前衛的な即興音楽?アバンギャルド的な物だった。僕個人としては灰野敬二とかそこらの音楽性に近いものを感じた。僕個人としては良いとか悪いとかじゃなくて、矮小な頭では理解しきれないってのが正直だったけど、そのパフォーマンスは何故か魅入られる物があったのも事実。今回のイベントでは本当に異質な存在であった。



・wombscape

 トリは一ヶ月振りにライブを観るwombscape。転換に時間がかかってしまっていたりもしたけど、そこはもう関係なし!!関西でのショートツアーにてあっちの猛者と殺り合ってきたのもあるのか、バンドは更に殺気と憎悪を高めていた。一発目の「蝕の刻」から地獄みたいなギターの音が炸裂しまくり、Ryo氏はパラノイヤの如く叫び呻き、のた打ち回る。このバンドはどこまでも緻密に組み込まれた楽曲と、それを表現する演奏技術の高さもそうだけど、それらの秩序を保ちながら、どうじにそれを破壊していく構築と破壊をライブで繰り出すバンドだと改めて実感させられたし、音楽性的にはカオティックハードコアとかそうゆう言葉で形容出来るのかもしれないけど、そこだけでは絶対に括れないし、アンビエントな静謐さも、スラッジさも飲み込み、おぞましさすら美しく描くライブは更に凄い事になっていた。まるで美しき終末と破滅を描く様な音像が目の前に広がっていたし、ラストは地獄みたいな音をしたギターのトレモロリフで醒めてもこの身体が朽ち果てても悪夢は終わらないといわんばかりの情景が描き出されていた。その芸術性と混沌を極めようとするwombscapeはどこまでも最果てへと向かっている。それを今回改めて実感させられた!!



 笹塚の練習スタジオという地下空間で繰り広げられた悪夢の宴。5バンド共に音楽性は本当に違うけど、共通して言えるのはどこまでも異形の音を放つ猛者であるという事で、本当に凄まじいライブをどのバンドも繰り広げていた。何度も思うけど、こういった地下シーン(こうゆう言い方はあんまり好きでは無いけど)が今、確実に面白い事になっているし、これらのイベントとが単なる地下イベントで終わらないで、もっと多くの目撃者が増えて欲しいと心から思う。七月にはアンチノックでの企画も控えているし、そちらも是非足を運んで頂きたい!!今のwombscapeのライブは本当に凄まじいから。
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