■GREAT FESTIVAL(2013年6月29日)@新代田FEVER

 今回のイベント はポッグカウチナゲットと熊谷のs-explodeと旭川のmiscorner/c+llooqtortionによる共同主催のイベントであり、実に総勢10バンドが集結する本当に大規模なイベントとして開催された。それぞれのバンドが音楽性こそ全く違うけど、イベント名通りにグレイトな音を鳴らすバンドばかり集結したし、2ステージ、合間のDJタイム以外はほぼノンストップでFEVERを揺らす本当に良いイベントだった。今回はバンド数が多いので少し駆け足になってしまうが、簡単に宴のレポをさせて頂きます。



・静カニ潜ム日々

 春にリリースした1stフルアルバムが本当に素晴らしい傑作だった静カニからライブはスタート。本当に3ピースの最低限の音でどこまでもクリアなエモーショナルさを繰り出す彼らだが、本当にライブバンドであり、極限まで研ぎ澄ましに研ぎ澄ました音とアンサンブルを極限までエモーショナルかつ高らかに鳴らし、感情の暴発を繰り出しながらも、本当にグッドメロディをポストロック経由で、何の装飾も無しに剥き出しのままに慣らし、観る者の感受性を応答させる素晴らしいライブをのっけから繰り出していた。1stアルバムの曲中心のセットだったが、新たな披露された新曲は約3分程の中で目まぐるしく展開し、更には疾走感とエモーショナルな躍動を更に進化させた名曲であり、既に素晴らしい1stの楽曲郡を凌駕してしまう程の名曲で、それがまた最高だった。終盤の「Idea」~「Step Forward」の流れは本当に鳥肌物だったし、一発目から感動的なアクトを魅せてくれた。

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・not great men

 新ドラマー善太氏を迎えて再スタートを切ったグレメンのライブ。善太氏が加入してからは初めてライブを観たけど、これまでの破壊衝動的な楽曲とは違う、ジャンクでありながらもエモーショナルなポストハードコアサウンドはよりスケール感覚が高まっていたし、荒々しく各楽器が猛りながらも、聴かせる部分は本当に外さずに聴かせるバンドに進化したと思う。それにこのバンドの持つエモーショナルさは一つのどうしようもなさから来る感傷だし、それが本当に刺さるし格好良いと思う。感情の奥底の衝動をいつまでも剥き出しで鳴らすエモーショナルさを、正統派かつジャンクなポストハードコアとして爆音で炸裂させるグレメンのライブは何度観ても素直に格好良いという言葉で十分な程に格好良いライブをするし、そんなバンドなのだ。新体制のグレメンも相変わらずなグレメンだし、だから僕はこのバンドが好きなんだと改めて思った。

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・Flying Izna Drop

 こちらは初めてその存在を知ったFlying Izna Dropのライブ。3ピースでありながら、多数のエフェクターを使い、骨組みになっているのは非常にオーソドックスな郷愁を鳴らすギターロックサウンドでありながらも、スペーシーな高揚感が非常に強く、煌きが降り注ぐ様な感覚を常に浴びている様な音。ダンスミュージックでありギターロックでありながら、その音は非常にポップであったし、その高揚感にいつまでも酔いしれていたい。心からそう思えるグッドなライブを展開していた。

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・DRADNATS

 東京のメロディックパンクバンドであるDRADNATSだが、初めてその存在を知り、今回初めてライブを観たが、それがもう本当に直球ストレートド真ん中なメロディックパンクであり、コーラスワークの熱さとグッドメロディで勝負してる姿は素直に凄い好感を持った。メンバーもハイテンションのライブを繰り出し、少し暴走気味な感じがまた良かったりもしたと思うし、メロディックパンクに関しては全く明るく無い僕でも十分に楽しめるライブをしてくれたと思う。ちょっと色々チェックしときます。

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・miscorner/c+llooqtortion presents

 約一時間程のDJタイムを挟んで旭川のツインドラムから新たな世界を生み出すミスコーナーのアクトへ。ライブは本当に久々に観るのだけれども、更に凄い事になっていた。ピアノの旋律を主軸にしてアンビエンスでありつつも、エモーショナルなメロディを感じさせるトラックのセンスがまず本当に良いんだけれども、それ以上にメンバーの二人がツインドラムで繰り出すビートが本当にこのバンドの凄さなのだ。非常に変則的で複雑なビートを一寸の隙も無く組み合わせ、それでいて人間の本能をダイレクトに刺激する躍動感がツインドラムで倍プッシュ。非常に複雑なビートなのに、それを越えたスーパードラマー二人が繰り出すドラムの音は、そのトラックと最高に嵌りながらも、本当に一つの完全なるフォルムを描き出し、本当に感動的なまでに美しく、それでいて本当にビートのダイナミックさをこれでもかと叩きつけまくるんだ。本当に圧巻のライブだったし、ミスコーナーの世界に飲まれてしまった。

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・ポッグカウチナゲット

 主催バンドの一つであるポッグ。一年前に初めてライブを観て、それ以来にライブを拝見させて頂いたけど、マスロック等の要素を取り入れ、非常に複雑極まりないアンサンブルを卓越した技術で生み出すサウンドスタイルは健在どころか、更に強靭になっていたし、それ以上に本当にこのバンドの音はクリアに耳に入り込んでくるのだ。非常にテクニカルなバンドでありながらも、それを決して前面に押し出したりはしてないし、寧ろ本当に郷愁の日常的温度の旋律と歌を最大限に生かす為の物であり、その楽曲の強靭さとアンサンブルの強靭さがタッグを組んでいるからこそポッグ独自の音になっているんだと思う。一年前に観た時以上に更に良いライブをするバンドになったと思うし、これからますます目が離せないバンドになるだろう。

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・Qomolangma Tomato

 イベントもいよいよ終盤に入り始めてチョモのアクト。正直に言うとこのバンドに関してはあんまりグッっと来る物が音源を聴いたり、過去に一回ライブを観たりして思ったんだけれども、今回改めてライブを観たらまた印象が少し変わった。変則的なフレーズやビートの捻れを独特な物へとさせていたし、全然知らない現在のチョモの楽曲は一言で言葉で表せない妙な異質さがあったし、それをハイテンションで繰り出すライブは素直に関心した。過去の曲はやっぱりちょっと苦手かなって思ったりもするけど、今回ライブを観てまた少し印象が変わった。

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・MINOR LEAGUE

 イベントもいよいよ終盤に入り、今回の参加バンドの中では一番のベテランであるMINOR LEAGUEのライブへ。90年代から00年代にかけてのハードコア・ヘビィロックのシーンを作った強者であるが、そんな圧巻の貫禄を十分すぎる位に見せ付けるライブだった。ツインドラムじゃなくてシングルドラムだった事に驚いたし、昔の楽曲は全くやらなかったけど、現在進行形で彼等は凄まじいバンドであり続けているのを実感した。徹底して拘った楽器隊の音だったり、ヘビィでありながら深みのあるサウンドだったりと、円熟したバンドらしい部分もありながらも、しかし若手バンドにまだまだ負けない獰猛さもあり、寧ろ現在進行形で現役で長年戦っているからこその風格がまず凄かった。ツインボーカルで繰り出される熱い魂の叫び、時にダークで、時に一つの深みを感じさせながらも根本はヘビィロック経由のハードコアだし、そのブレ無い軸が確かにある。終始圧巻のハードコアサウンドを展開していたし、ベテランならではの貫禄と、ベテランらしかぬ勢いを感じるナイスなライブに多くの人々の魂を熱くしてくれた!!

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・s-explode

 トリ前は最後の主催バンドである熊谷から狂気を発信するs-explode。今回のライブは正直に言うとライブなんかじゃなくて一つの惨劇だった。イマイ氏のテンションは今まで観たs-explodeのライブの中でも一番ブチ切れていたし、ただでさえジャンクでダンサブルで不協和音から生み出される狂気は本当に天井知らずに加速していた。しかも観ていた人々のテンションもそれに共鳴してか本当におかしかったし、本当に暴動みてえなモッシュが終始発生していたのも非常に印象に残っている。ジャンクで硬質で無慈悲な冷酷さを持つギターワークは本当に切れに切れまくっていたし、ダンサブルなビートも本当に切れまくっていた。今回のs-explodeのライブは本当に何か得体の知れない事が目の前で起きてしまっているっていう感じが馬鹿みたいにしたし、まさに音の狂気が生み出す一つの惨劇だった。背筋すら凍る凄まじいライブだった。

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・LOSTAGE

 トリは最早奈良の英雄的バンドであるLOSTAGE。2月の大Z会以来のライブだったが、のっけから繰り出された「Hell」の殺人的に格好良い五味弟のギターフレーズでもう完全に持っていかれた。一言で言うなら3ピースでありながら本当に音の厚みというか重みが全て郡を抜いているのだ。キャッチーで風通しの良い「僕の忘れた言葉達」みたいな楽曲でもそれは嫌でも痛感するし、「ひとり」なんて本当に必殺中の必殺で、全ての音が刺し殺してくるのを体感させられた!!ポストハードコアを経由して、オルタナティブロックとは何かをストイックに突き詰めているからこそ、LOSTAGEの楽曲、そしてライブは説得力があるし、極限状態と呼ぶに相応しい音のぶつかり合いのアンサンブルを、どこまでも大きな芯の通ったオルタナティブロックとして鳴らしているのだ。もう何の言葉も必要ないし、ただただ圧倒的なライブを今回も展開した。たったそれだけなんだ。そしてアンコールで披露した「BROWN SUGAR」で再び火を点け、最後の最後に「手紙」という反則過ぎる流れ。3ピースでオルタナティブロックを極めようとしているLOSTAGE。今回の素晴らしすぎるバンド達の中でも、本当に一際大きな輝きを放っていた!!

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 全10バンドが正にグレイトなバンドであり、本当に濃密なイベントだったと思う。一瞬たりとも見逃すのを許さないカタルシスをそれぞれのバンドがそれぞれのやり方で見せていたし、だからこそ本当に一つのイベントとしてギッチリ詰まっているどころか、膨張する何かがあったし、それが大きな磁場を生み出していたと思う。ライブハウスのシーンでストイックかつ全身全霊で戦う猛者のぶつかり合い、それは本当にグレイトって言葉以外何物でも無かった。
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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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