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■wombscape presents “瞼ノ裏”(2013年7月6日)@新宿ANTIKNOCK

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 7月6日、梅雨明けが宣言されて新宿はうだる様な暑さに包まれていた。そんな日に開催されたのがwombscapeの初企画である“瞼ノ裏”である。Starlingraidとの共同企画である“浄化水槽”やスタジオライブ企画である"籠の中の黒い心臓"等の企画をこれまでも行って来たが、ライブハウスでの単独企画は今回が初であり、集まったバンドもConvergeのオーストラリアツアーのサポートを務めたオーストラリアからの刺客である激重ヴァイオレンスハードコアバンドTHE BRODERICK、THE BRODERICKのジャパンツアーのサポートを務める大阪の激重轟音エクスペリメンタルハードコアことSeek、都内からはDEAFHEAVENの来日公演のサポートも務めたトレモロリフから悲痛なる激情を生み出すisolate、不穏なカオティックさから闇の物語を描くweeprayともう完全に暗黒の方向に振り切れた猛者のみが集結した。梅雨明けの夏の初めに暗黒の宴は開催されたのだ。



・weepray

 暗黒の夜、一発目はweeprayのアクトからスタート。音源の方は愛聴させて頂いてたがライブを観るのは初。先ずは「滅びの碧 終末の詞」からスタート。和の音階と、メタリックなギターサウンドの重苦しさ、スラッジ要素を持つながらも、疾走するパートではカオティックに疾走し、ヘビィなビートと、メタリックさとハードコアと何処と無くエクスペリメンタルな要素も盛り込んだ2本のギター、ハイトーンのシャウトとポエトリーを交互に繰り出すボーカル、複雑な曲展開から生まれる漆黒の物語としての激情を展開。音源よりも更に深みを増した音を繰り出し、アンチを一気に闇に染め上げた。「この手とその手」ではよりカオティックで粗暴なハードコアとしての猛威を見せつけ、一筋縄ではいかないweepray独自のハードコアをのっけから展開していた。25分で3曲のライブだったが、いきなり衝撃的なアクトを見せ付けられ、この時点で今日は最高の夜になるのを確信した。

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・Seek

 大阪からの刺客ことSeek。こちらも初めて観るバンドだったが、ツインベース(しかも6弦と5弦)にギターとドラムとボーカルという異質な編成のバンド。しかしそれ以上に彼等が繰り出す音はもう全てが圧倒的だった。全4曲に及ぶ壮絶なるエクスペリメンタルの領域に到達したハードコアであり、ツインベースが繰り出すグルーブが本当に音圧も凄いし、何よりも重い。ドラムもブラストビートを繰り出したと思えばスラッジな展開を見せるし、ギターの音も悲痛なるメロディを神々しくヘビィに鳴らし、本当にハードコアの枠に全然収まってくれないハードコアだ。彼等もヘビィさから壮絶な激重轟音を生み出し、観る物を圧倒させるバンドだと思うし、何よりもこのバンドはボーカルが素晴らしい。まるで全盛期のSWARRRMに匹敵するであろう、悲痛さと激情をバンドサウンドもそうだけど、ボーカルがそれをダイレクトに生み出し、異次元へと誘っていた。何よりも最後にプレイした楽曲が一番壮大なスケールを持ち、アンビエントさもあり、スラッジさもありな楽曲で、最後の最後はボーカルはクリーントーンで歌い、重々しい世界を生み出しながらも、そこに一つの救いの光が差し込んでいた。まだ東京ではあまりライブをしていないバンドらしいが、彼等の凄みは東京の人間にも十分過ぎる位に伝わった筈だ。また近い内に是非とも東京でライブをして欲しい。

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・isolate

 weeprayにSeekと既に圧倒的なライブが続いているが、ダメ押しといわんばかりにisolateのアクト。今回の面子では一番速いバンドであり、2本のギターのトレモロリフが生み出す美しい旋律と悲痛さを圧巻の音圧とステージで今回も見せ付けてくれた。今回のライブは新曲の方もプレイしていたが、その新曲も凄まじい完成度を誇り、ブラックメタルも飲み込みながらも、激情系ハードコアとしてのダイレクトに痛みを放つ彼等のサウンドがネクストレベルへと到達していたのを実感したし、徹底してメロディアスでありながら、徹底してシリアスで痛みを感じるハードコアとしてisolateはやはり別格のバンドであると実感したし、この日の面子の中で一番直情的なライブだったと思う。静謐さからの暴発、ブラストビートとトレモロリフが生み出す負の音塊、このweeprayとSeekが生み出した空気をこのバンドはまた自分達の物にしてしまっていた。

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・THE BRODERICK

 トリ前はオーストラリアからの刺客ことTHE BRODERICK。昨年アルバムをリリースし、Convergeのオーストラリア公演のサポートを務めた猛者であるが、今回の来日で本格的に日本に上陸!その未知なるハードコアに期待で身が震えたが、はっきり言ってこのバンドのライブは想像以上だった。まず徹底して全てが重い。とんでもない爆音で無慈悲にダークで暴力的なサウンドを繰り出し、特にドラムが生み出すビートのパワーが本当に半端じゃない。メロディアスさなんて完全に放棄して、熾烈なる音塊を常に放出し続けていた。昨年リリースされたアルバムは2012年で最もダークな作品と評されていたらしく、その熾烈さは何かとんでもない事が起きているんじゃないかってレベルだった。ダウンテンポで重戦車の様なグルーブと、2本にギターが繰り出す鉄槌のリフ、更にはConvergeの「The Broken Vow」のカバーという反則技まで繰り出す始末。全身汗だくになりながらとんでもないハードコアを繰り出す彼等の姿に本当に魂を熱くさせられたし、彼等も英語ではあるが、彼等のハードコアに魂を打ち抜かれた人々に感謝の言葉を何度も述べていた。日本ではまだ知名度は無いバンドかもしれないけど、今回の来日公演で多くの人々の脳髄に彼等のダークさとヘビィさを極めたハードコアは焼きついただろうし、これから日本でも彼等の猛威は広がっていく筈だ!!

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・wombscape

 4バンドが壮絶極まりないライブを繰り出し、既にアンチはとんでもない事になっていたが、最後の最後に今回の主催バンドであるwombscapeが登場。今まで何回もライブを観て来たが、今回のライブは間違いなく今まで観た中で一番のアクトだったと断言する。本当にライブを一つの芸術として体現していたと思うし、SEからステージングまで全て緻密に構成し、しかしそのパフォーマンスは本当に破滅的の一言で、正直に言うと上手く言葉で表せないんだ。SEから始まり、もう1曲目として御馴染みな感じのする「蝕の刻」の時点で、これまで観たライブとは全てが違った。カオティックだとかハードコアだとかそうゆう言葉で収まってくれないアクトだし、全ての音が地獄の様であり、そして美しいのだ。メンバー全員が暴れ狂いながらステージをこなし、ボーカルのRyo氏に至っては完全に何かを取り憑かせている様でもあった。だが後半に入ってからのライブは本当にハードコアすら逸脱していたと思う。2本のギターが繰り出す音は不協和音でありソリッドかつスラッジでありながら、もうあらゆる音を喰らい尽くして、ノイジーな轟音を異形さを加速させながら放ち、そして壮大なる負の物語を圧倒的スケールで描く。時に暴発するパートはハードコアであるかもしれないけど、でも彼等はハードコアバンドであるという認識は今回のライブで本当に良い意味で覆された。彼等は完全に音楽を芸術として放つバンドだと思ったし、約30分程のライブで一つの壮大な芸術作品を描く様なライブをしていた。もちろん圧倒的エネルギーを放っていたし、今回のライブで出せる物は全て出し尽くすという気迫もあった。本当に最後の最後まで観客の拍手は無く、曲間ですら観る物は完全にwombscapeの世界の住人になっていた。そして最後の最後に本当に大きな拍手が起き、エンディングのSEが終わり、客電が点きBGMが流れ始めてもアンコールの拍手は鳴り止まなかった。しかしアンコールは無しで、本当に出せる物は全て出し尽くした壮絶かつ全身全霊のライブだった。本当に現実にいないんじゃねえかってwombscapeのライブを観てる時は思っていたし、壮絶なる4バンドに対して最高のライブで彼等は応えていた。

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 今回のwombscapeのライブハウスでの初企画はその面子の凄さもあったし、本当に日本の新たなダークサイドの音を一度に体感出来るイベントだったと思うし、本当に多くの人々が集結していたと思う。全5バンドがそれぞれのやり方で漆黒を生み出し、本当に殺り合うという言葉が一番相応しいイベントだったと思う。僕の考えなんだけれども、こういったバンドやシーンやイベントが単なるアンダーグランドな物で終わって欲しくないと心から思うし、本当にそれぞれのバンドが自らの信じるやり方で凄い物を生み出そうとする気迫があり、それを本当に多くの人々に伝えようと努力している。だからこそ少しずつになってしまうだろうけど、それでも一人でも多くの人々がジャンル云々は関係無しに、もっとライブハウスという現場で、凄まじい音を楽しんで欲しいと心から思うのだ。今回の企画もそうだし、もっと少しでも多くのフリークス達が現場に足を運んで、その音を楽しんでくれたらなって僕は思う。少なくても今回のwombscapeの企画は本当に最高の企画だったと思うし、これからもこういった企画を続けて欲しいと心から願っている。
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