■SHINING MOMENT vol.28(2013年7月14日)@初台WALL

 今回はFar East Hardcore PunkことENSLAVEの自主企画に足を運ばせて頂いたのだけれども、この企画の面子がとにかくおかしくて、境界性人格障害ハードコアこと屍、昨年リリースした2ndアルバムにて一気に名を広めた大阪のカオティック&ヴァイオレンスハードコアPALM、そして柏が世界に誇るハードコア総大将ことkamomekamome。それに企画のENSLAVEという凄まじい4バンドが集結する事件とも言うべき企画。もちろん狭いWALLには本当に沢山の人々が集結に四者四様の凄まじいハードコアの宴となったのだ。一瞬たりとも見逃せる瞬間の無い凄まじいイベントだった。



・屍

 トップバッターは境界性人格障害ハードコアこと屍。SEのたまゆらが流れ始めてから既に異様な空気に飲み込まれ、そしてのっけから必殺の「バラバラ」へ。憎悪を暴発させるパートと、コールタールに沈み込んで逝く様な閉塞感を感じる静謐で不穏なパートの対比がライブだと更に際立ち憎悪を拡張させる。板倉氏のボーカルはキレにキレまくっていたし、相変わらず何かに憑かれている様な空気を纏いながら、理性を放り投げた殺意をハードコアとして鳴らす。これは本当に屍にのみ許された表現であり、何度観てもここまで負の感情に特化したハードコアバンドはいないなと本当に思う。そして今回のライブは新曲も披露。そちらはポジパン色が非常に強く、ハードコア的な粗暴さは無い楽曲だったが、コーラスのかかった不穏なギターが背筋を凍らせる不穏さと、どことなく優しさだと錯覚してしまいそうな感覚すら覚える新たな屍を打ち出した名曲だった。そしてメタリックなリフの応酬と共に憎悪を吐き散らす「憎悪」と「鍵」はやはり圧巻だったし、何よりも2ndの名曲である「行きつくところ」をやってくれるとは思ってなかった。屍でも特に絶望感と悲壮感に満ちたこの楽曲は僕が屍で一番好きな曲であり、本当にその壮絶な絶望感と虚無感に涙すら流れてしまいそうになる。そして熾烈なる憎しみを吐き尽くした後の優しいギターのフレーズは本当に死の先すら感じる優しさと虚無感に満ちており、そこでどうしようもなく胸が痛くなってしまった。今回のライブは圧巻だったし、屍はやはり唯一無二のバンドだと再認識させられた。

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・PALM

 二番手は大阪の激ヴァイオレンスハードコアことPALM。ライブを観るのは今年の二月以来だったけれども、いやはやただでさえとんでもない馬力と粗暴さと破壊力を持ったハードコアサウンドが更にパワーアップしていたと言えるだろう。音源よりもさらに粗暴になっているサウンドは勿論だが、もう徹底して遠慮が全く無い。絶妙にシンガロングパートを入れてたりするのもあるけど、とにかくひたすらにゴリゴリの音の鉄槌が容赦無く攻めてくる感じ、極悪極まりない音を徹底して追及しているからこそ生み出せるサウンドだと改めて思った。こちらも新曲を披露したが、それは2ndでのたたでさえカオティックかつ暴力的なPALM印のサウンドを更に強化しまくった楽曲であり、このバンドは本当に天井知らずで自らの肉体を鍛え続けて進化をしていくバンドだと思った。30分間、常にフロアはモッシュが起き、常に爆音のヘビィかつヴァイオレンスなハードコアサウンドを繰り出し、狂騒のハードコアを今回も見事に見せ付けてくれた!!いや熱いライブだったぜ!!

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・kamomekamome

 そして二週間前の浅草エクストリーム以来に観る柏の生きる伝説kamomekamomeのアクトへ。二週間というあんまりブランクの無い状態でまた彼等のライブを観たが、一発目がまさかの「化け直し」不穏に刻まれる四つ打ちとベースラインの冒頭からいきなりその後の暴発しか予想出来ないし、プログレッシブながらの一気に沸点へと持っていくハードコアにのっけから感情暴発!!続いて「メデューサ」とのっけからカモメの必殺の2曲を繰り出すという半端無い気合!!フロアも更に盛り上がる。そんなフロアを観て向氏は「このままみんなで上を目指そうぜ!!」と高らかに宣言していたし、今回も披露した八月リリースの新作の新曲も更にエモーショナルに更にストレートに感情を放出し訴える泣けるし暴れられるカモメにしか生み出せないハードコアが見事に炸裂。終盤は「エクスキューズミー」、そして最後の最後は最早定番の「Happy Rebirthday To You」で締め。とにかく本当にマグマが沸騰する様なとんでも無いエネルギーをポジティブに放出する熱いアクトを今回も見せてくれた。柏の生きる伝説はまだまだ上を目指し戦い続けるんだよ!!

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・ENSLAVE

 トリは企画主のFar East Hardcore PunkことENSLAVE。今回唯一初めてライブを観るバンドで、その熱き暴走ハードコアの凄さは知っていたが、いざライブを観ると本当にぶっ飛ばされた。男女混声ボーカルはちにかく掛け合いを繰り返し、二人揃ってとにかく魂の叫びをこれでもか!これでもかと!!繰り出す!!!叙情的溢れるツインギターのギターワークもとにかく素晴らしいけど、そこにナヨさは全く無いし、非常にメロディアスで泣けるフレーズを鬼神の如きギターリフで叩きつける!!ズ太いベースがグルーブを支え、D-BEATからブラストまで繰り出すシベリア超特急顔負けの暴走超特急ドラムが織り成すサウンドはとにかくカオティックでありながら本当に熱い!!ありとあらゆるハードコアの美味しい所を喰い尽くし、それを圧倒的なテンションとパワーで繰り出すライブは本当に圧巻。陸JEEP王氏の鬼気迫るボーカルとパフォーマンスとPG-2嬢の魂の絶唱が織り成すツインボーカルからは凄まじいパッションと何よりもポジティブなエネルギーに満ちており、カオティックな激情はヴァイオレンスでありながらも、非常に感動的であった。本当に素晴らしいライブだったよ!!

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 四者がそれぞれのハードコアを繰り出した企画となったが、一つ言えるのはそれぞれのバンドがそれぞれベクトルは違っても圧倒的なエネルギーを放つライブをしていたと言う事だ。屍の絶望で全てを塗りつぶすハードコア、PALMのヴァイオレンスな暴走ハードコア、kamomekamomeの詩的でありながらも、エモーショナルで泣けるハードコア、そしてENSLAVEの混沌から希望を叫ぶハードコア。その全てが本当に圧巻のライブだったし、本当に良い企画になったと思う。kamomekamomeの向氏がMCで言っていた事と被るかもだけど、こんな素晴らしいシーンがもっと広まってもっと上に行くべきだと思うし、もっと広まって欲しい。同じ感じの事をこのブログでも何回も言ってたりするけど、やっぱり僕はそう思う。
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