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■ヒニミシゴロナヤココロノトモシビ/Birushanah


ヒニミシゴロナヤココロノトモシビヒニミシゴロナヤココロノトモシビ
(2013/07/10)
BIRUSHANAH

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 数多くの異形の猛者ばかりが集う大阪が誇るドゥームバンドであるBirushanahの2013年リリースの最新作。今作はオリジナルメンバーでありバンドの創設者であったベースのSougyo氏の脱退前の最後の作品でもある。しかしながら今作でも彼等の密教的ドゥームは健在であり、しかもこれまでよりずっとコンパクトになったからこそ。その音の破壊力がダイレクトに伝わるようにもなったと思う。



 Birushanahといえば、トライヴァルなビートとドゥームと仏教的な世界観と音階を駆使したドゥームサウンドを放出するバンドだが、その持ち味を生かし、更にはメタルパーカッションも取り入れ、これまでよりコンパクトになりつつも、より濃密で危険度が高まったのが今作だ。第1曲「人的欲求-Jintekiyokkyu-」の冒頭のメタルパーカッションの変則的なビートから何やら異様な空気を漂わせ、ドラムとギターとベースが入り込んだ瞬間にもう見事なトライヴァルスラッジ煉獄へ。更には煙たさ全開のギターソロまで繰り出しのっけから危険な香りと空気が鼓膜から五感に広がっていくのを感じる。楽曲の後半は呪詛の様なボーカルも入り、より引き摺るスラッジサイケデリックと変貌し、ツインボーカルで叫ぶ生と死、ダイナミックに叩きつけるドラムとメタルパーカッションが肉体のリミッターを粉砕、のっけからBirushanah節全開なんだけれども、これまで以上にアプローチが明確になっているし、楽曲の尺も比較的短くなっているからこれまで以上に取っ付き易いのに、これまで以上に直接的に危険極まりない音塊をぶつけてくる。
 第2曲「数え唄-Kazoeuta-」はより密教的な音楽性とサイケデリックさを打ち出し、読経的ボーカルと、不穏の音階を鼓膜に焼き付けるベースラインと変則的で不気味すぎるビートとサイケデリック全開なギターフレーズの反復が脳髄を溶かしに溶かしてくる。しかし途中から一気にスラッジ色を全開にして、密教的世界観はそのままによりダイレクトに鬼神の如きビートを繰り出し、非常に破壊的な音をこれでもかと放出しまくる。もう脳汁が止まらなくなるし、終盤はその破壊的サウンドが一気に高まりもうとんでもない事が起きているんじゃないかって気分になってしまう。
 今作は4曲中3曲が比較的コンパクトな尺の楽曲だが第3曲「授戒-Jukai-」はこれまでのBirushanahを髣髴とさせる約17分にも及ぶスラッジドゥーム絵巻。スラッジなパートの破壊力も凄いけど、こちらはより不穏で静謐なパートが多く、だからこそビートとグルーブの凄みが更に伝わり易くなっている。反復するベースラインが描く螺旋と、ドラムとパーカッションの複雑極まりない絡み合いだったりと、持ち前の密教スラッジをサイケデリック極まりないアプローチで繰り出している。不穏な静謐さと暴虐を極めたスラッジサウンドの対比、ツインボーカルが生み出す混沌といったこれまでの持ち味を更に極めてしまった感じがある楽曲だが、中盤のサイケデリック色を打ち出したパートの複雑かつ完璧なアンサンブルの流れから、再びスラッジ要素を出したパートに入った瞬間に、まさかの和笛の導入というもう反則技としか言えないアプローチを繰り出してくる。銅鑼の音と和笛のドローン要素のある音が世界観を更に際立たせ、最後はやはりスラッジ地獄で終わる。これまで以上にプログレッシブでもあり、より精神の深い所まで抉り込んで来ているし、このバンドの凄みが一つの到達点に達した名曲だろう。そして最終曲「小松-Komatsu-」で約3分のスラッジ煉獄で止めという構成。約33分で異質の世界へと旅立たせてくれる。



 Birushanahは現在残ったメンバー3人でライブ活動を続け、現在は新作音源の製作にも入っているという。Sougyo氏の脱退は残念ではあるけれども、これだけの凄まじい作品を作り上げてくれたし、これからのBirushanahへの期待の高まりは不可避である。「赤い闇」でぶっ飛ばされた身であるが、今作は更におぞましく不気味で精神を破壊する様なスラッジドゥームを見せ付けてくれたし、和製ドゥームの危険極まりない存在としてBirushanahは本当に唯一無二なバンドだと僕は思う。本当に違う世界へと脳髄が飛ばされてしまうのは間違いない筈だ。



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