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■333/quizkid


333333
(2013/07/24)
quizkid

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 もう紛れも無く2013年の国内エモを代表する作品になると断言出来る。SAY HELLO TO NEVER RECORDINGSからリリースされたquizkidの1stはそれ位の作品だと思う。ex.200mphの林氏も参加してるこのバンドだが、90年代国内エモとDCのポストハードコアの血筋を継承し、長年に渡って戦い続けた猛者3人だからこそ生み出せる、本当に日本人ならではの郷愁と哀愁。全6曲の全てが屈指の名曲だと言える。マスタリングはTJ Lipple、レコーディングエンジニアはkillieやsoraを手がけている大澤康祐氏と脇を完全に固め、そしてリリースは今年はPlay Dead Seasonの1stをリリースしたSAY HELLO TO NEVER RECORDINGSなんだからもう全部完璧だ。



 このバンドは先ずはとにかく渋い。90年代エモやポストハードコアの流れを受け継いだバンドであるけど、でもこのバンドは長年戦い続けている3人が生み出す音が本当に円熟を極めている。3ピースだっていうのもあるけど、極限まで必要最低限の音のみで構築されているアンサンブル、シンプル極まりない音が生み出すのは本当に侘寂を強く感じさせ、セピア色の郷愁であり、そしてどこまでもクリアな感情の洪水だ。このバンドはここぞという時に暴発するパートがある訳じゃないし、林氏のギターもクリーンとクランチ中心に音を作っているから、ディストーションの爆音が存在したりはしない。なのに本当に圧倒的感情の洪水を静かに、そして強く生み出していく。大河の静かでありながらも、決して揺るがない流れの様な物をシンプル極まりないアンサンブルから生み出している。そして何よりも全ての音が歌っているし、全ての音が静かに涙を流している。もうbloodthirsty butchersにも匹敵するだけの物がこのバンドにはあるのだ。
 第1曲「飢餓と麻薬」はシンプル極まりないベースラインから始まり、そしてベースボーカルの大杉氏はどこまでも渋く、そして高らかに歌い上げる。個人的に僕は歌詞とかあまり重視して聞く人間では無かったりするんだけど、quizkidの歌は本当にクリアで明瞭に歌を歌い上げているし、その歌詞も楽曲と見事に嵌り、より感情的になってしまう。林氏のギターワークは本当に凄くて、繊細さと大胆さの両方を持っており、ディストーションの歪みこそ激しくは無いけど、絶妙にクリーンで絶妙に歪んでいるギターの音色の奥行きは凄いし、ポストハードコアとかエモの流れを持っていながらも、シンプルでありながらも、どことなくブルージーさすら感じさせるギターがquizkidの大きな肝になっていると思うし、音数こそ多くないけど、その音が持つ感情や色彩は本当に豊か極まりない。第2曲「フラスコ」は今作でも屈指の名曲であり、もう泣きに泣いてるチョーキングのギターが堪らないし、派手では無いけど、屈強であり、頼もしいドラムとベースが生み出すグルーブの存在感も凄い。そして大杉氏の歌と林氏のギターが見事にシンクロして、優しく切ない歌を紡いでいく。特に後半になってからの熱量を徐々に高めて、静かに燃え上がっていく旋律とアンサンブルは本当に心をブン殴りに来ているし、もう感情の洪水が静かに生まれているのだ。
 第3曲「右の頬」みたいな疾走感を感じさせる楽曲でもquizkidの渋さは全開。林氏のギターワークもクリアな郷愁と哀愁を炸裂させまくっているし、何より一貫しているのはバンドのアンサンブルが本当に強固極まりないって事だと思う。第4曲「ゴルゴダ」は静寂から緩やかな躍動を生み出し、今作でも特に歌いに歌っている楽曲だと思う。絶妙に緩急を付ける楽曲の展開の仕方もまたニクいのだ。第5曲「つかのま」は今作で一番DCサウンドのカラーが出ているんだけれども、ざらつきと鋭利さがありながらも、その奥にあるのはやっぱり優しい熱量だ。最終曲「Left Alone」が名曲しか無い今作を締めくくるに相応しい屈指の名曲で、ざらつきながらも静かで確かな揺らぎを生み出し、何よりも今作屈指の哀愁の歌が力強く切なく響き渡っている。終盤のアンサンブルなんて分かり易い爆音サウンドじゃないのに、壮大で繊細なアンサンブルが生み出す感情の渦は果てしないし、本当に涙の音楽だと心から思う。



 本当に素晴らしい作品だし、ただ単純に収録されている全6曲が屈指の名曲だと思う。長年積み重ねた物があるからこその渋さと貫禄と器の大きさ、そして純粋に良いメロディと良い歌、シンプルでありながら力強いアンサンブル。それらが生み出す本当に魔法の様な音楽をquizkidは鳴らしているのだ。エモ・ポストハードコア好きは勿論だけど、そうじゃない人にも是非とも聴いて欲しいし、2013年の最重要作品だと僕は思う。これが日本人にしか生み出せなかった音だし、もっと言えば長年戦い続けた猛者じゃなければ生み出せなかった音だ。誰も砕くことの出来ない確かな結晶として今作は存在している。



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タグ : 日本 エモ

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