■GONG/BOMBORI

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 この音は必然的にサイケデリックであると僕は思う。都内で活動するBOMBORIの2013年リリースの1stを聴いて僕はそう思った。一年前にたまたま彼等のライブを観て、そのダブのヘビィなグルーブも飲み込んだ末に生まれた危険な高揚としてのサイケデリックサウンドに完全に脳髄を粉砕されたのだけど、彼等の記念すべき1stでも、その意識を彼方へと連れ去りながら、ギリギリのラインで窒息しそうな感覚と、そこから解き放たれた時のトランス感覚は健在だ。



 ツインドラム、ダブからサイケデリックからヘビィさを横断するサウンド、microKORGを取り入れている事、彼等のサウンドは一概にこれっていう形容が中々に難しいバンドだと思うのだけれども、彼等はまず本当に卓越した演奏技術を持っているバンドで、ツインドラムの二人とベースに関しては本当に郡を抜いた物を持っていると思うのだけど、彼等の音のキモの一つとしては本当にグルーブという物が大きな物を占めていると思う。ギターやコラージュされた音が自由自在に音の色を変化させながらも、一貫としているのは確かなリズムセクションだ。特にツインドラムだからこそ生まれた緻密かつ複雑でありながらも、聴き手の本能に訴える原始的なリズムの躍動という物をこのバンドから強く感じるし、ダブの緊張感からドゥーミーさまで感じさせる重厚なグルーブとノイジーさが生み出すサイケデリックな高揚、それらを一つの音として纏め上げたバンドだし、やっている事は難しい様でいて、実は非常に分かりやすい形で「ヘビィさとグルーブから生まれる緊張感とサイケデリックとしてのトランスミュージック」を生み出していると思う。
 盤を再生した瞬間に耳に入ってくるmicroKORGの耳を劈く旋律から、ドープに展開される音の濁流。和笛みたいな音と、ツインドラムが織り成す妙にオリエンタルなサウンドが先ず脳髄から離れなくなってしまうけど、第2曲「Kingdom」からは更に不穏さを加速させる上物の音と、確かな地盤を作りながらも、変則的かつダイナミックに展開されるリズムセクション。原始の世界へと聴き手をトリップさせる本能的な音は意識のレベルを確実に一つ上まで上げるし、圧倒的情報量で放出される音を感じる為に、脳の普段はロクに動いてない様な所までフル稼働していく感覚を個人的には覚えた。よりダンサブルになった第3曲「Land」では更にトランスしていく音がまた脳の意識を更に上の次元まで持ち上げてくるし、とにかく不穏な緊張感が充満しているにも関わらず、本当に踊れるのだ。それはまるで体中が冷や汗でタラタラになっていながらも、本能が勝手に自らの肉体を起動させる様な物だし、脳の意識と本能が同時にフル稼働する様な音が生み出す確かなサイケデリックさだ。時にドゥーミーな重低音も放出し、本当に多くの音階を支配しながら、それを解き放たせている。
 特に終盤の楽曲は本当に別次元になっており、第6曲「Summer」は正にダブの方面から、夏の哀愁と狂騒を生み出している楽曲で、一つのメランコリックささえ持ちながらも、持ち前のサウンドは全くブレてなんかいない。終盤ではストーナーなギターフレーズまで飛び出し、多くの側面を持つ音が縦横無尽に駆け巡りながらも、狂騒が生み出す何かが新たなる覚醒を生み出す。そして決まり手は第7曲「Granule」だ。哀愁溢れるギターフレーズから始まりながらも、それらが熱を浴びて、そこから今作屈指の狂騒へとワープする。手数多く叩きつけるツインドラムのビートの散弾銃、大胆不敵にサイケデリックとダブとドゥームを飲み込むギター、そしてそれらの音を加速させる不穏のmicroKORG。最後の最後では全ての音が一つの音塊としてのビッグバンを生み出し、宇宙へと聴き手を突き放しやがる。そして最終曲「Gang Of Six」で聴き手を完全に置き去りにして終わる。



 グルーブとトランスするサウンドが生み出す一大エクスペリメンタルサイケデリックオーケストラであり、46分に渡って新たな次元へと聴き手を放り投げる様なサウンドを見事に展開している。非常階段のJOJO広重氏の「BOMBORIの音楽は向こう側への渡し船」という言葉は非常に的を得ている。そして彼等はライブが本当に音源以上に凄くて、本当に彼岸の更に先まで飛ばされる感覚を覚えるだろう。是非ライブにも足を運んで欲しい。今作はバンドの公式サイトの方で現在通販で入手可能だ。



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