■Ban Savant(2013年10月6日)@渋谷CYCLONE

 おまわりさんとNoLAという今ライブハウスシーンで圧倒的ライブを繰り出している事によりとんでもない勢いを持っている両バンドだが、その2バンドがまさかの共同企画であり、しかも共演にこちらもライブハウスシーンで圧倒的なライブで話題を掻っ攫ってるENDONに、サイケデリックドゥームハードコアのZOTHIQUE、大阪からの刺客Knellt、サイケデリックな音像で次元を変えるTHE DEAD PAN SPEAKERSという見事に方向性はバラバラでありながら、確かな筋は通ってる4バンドを迎えての熾烈なる死闘とも言える面子が集結した。本当にあらゆる面でエクストリームさを極めようとするイベントになり、蓋を開けた想像以上のイベントとなったのだ。



・ENDON

 のっけからENDONだ。その破滅的なライブアクトと熾烈すぎる音で各所で本当に大きな話題を掻っ攫いまくってるこのバンドだが、今回初めてライブを拝見したが、もう本当に想像以上に凄かった。色々と彼等のライブでの噂を聞いて、少し怖くて少し後ろの方で観てたのはここだけの話だけど(結果的に杞憂で終わった)、破滅的パフォーマンスなんかENDONはする必要なんて全く無かったのだ。もうのっけから全ての音が突き刺すノイズとして暴走と加速を繰り返し、ドスの効いたドラムがそれを更に加速させる。そこに乗るボーカルがまた悲痛極まりない。本当にあらゆるエクストリームミュージックを飲み込んだ末のノイズコアなんだけど、全ての音が極端でありながら、一つのキャッチーさを僕は覚えてしまった。エクストリームである事に対してENDONはそれを非常に分りやすくアウトプットしていると個人的には思ったし、熾烈なるノイジーな音塊も非常に突き抜けていて観る物からしたら快楽的ですらあるのだ。どんなに極端な音を鳴らしていてもENDONは紛れも無いハードコアだった。

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・ZOTHIQUE

 続くこちらも初見なサイケデリックドゥームハードコアことZOTHIQUE。メンバーにシンセパートがいたりするバンドでもあるけど、このバンドも本当に一言では言葉に出来ないバンドなのだ、非常に正統派なハードコアサウンドを鳴らしたかと思えば、トランシーの縦断するシンセの音が相反する感覚を生み出す。かと思えば一気にドゥームになる、シンセの音がサイケデリックなノイズとなり、酩酊と引き摺るドゥーミーさが次元の感覚を狂わせる。更にダークで呪術的要素も匂わせる旋律だったり音は、本当に漆黒の煙が渦巻くサウンドだけど、でもそんなエクストリームさとは裏腹に、非常に分かりやすいハードコアとしての形を持っているのも事実だし、そのハードコアとしての馬力もかなりの物だった。

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・Knellt

 今年頭のNoLA企画以来に観る大阪のドゥームバンドであるKnellt。今回もライブ自体は少し短かったけど、それでも相変わらずの重さと全てを突き放す冷徹なソリッドさだった。ギターの音圧はとんでもないし、音は相変わらずドゥーミーでヘビィなのに、ドラムもギターもその残響音すら残さずソリッドの鉄槌を下し、無慈悲に落としていく。現在のKnelltの音は本当にプリミティブな音を鳴らしているし、極端に言えば徹底して音数を減らしたドラムとギターのみで構成し、更に言えばリフのみで勝負している形態なのに、他を圧倒する何かが確かに存在している。それは時にセス氏がボーカルを取った時に生まれる悲哀だったりするのかもしれないし、原始的な音から嫌でも感じる絶望的な悲痛さなのかもしれないし、それは正直あまり良くは分からない。でも今回のKnelltのライブに僕はやっぱり圧倒されてしまったし、ギターとドラムのみで生まれる異形さは本当に凄い。

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・THE DEAD PAN SPEAKERS

 ここまで熾烈なバンドばかり続いた中で登場したデッパン。彼等も今回ライブは初めて観たけど、今回は半ばアウェーみたいなイベントにも関わらず自らの音を十分に見せてくれた。Hawkwindの影響を色濃く感じさせながら、更にトランスさせる原始的でトライヴァルな音の数々、本当に脳髄の最奥まで突き刺さる空間的フレーズの数々と、肉体に訴えるビートとグルーブの力、ミクロとマクロの両方を行き来するサウンドは本当に一言では説明出来ないけど、一概にサイケデリックという言葉だけでは説明出来ないグルーブの暴力と降り注ぐ音の生み出す色彩、今回のイベントではある種清涼剤的な立ち位置になると思ってたけど、それは半分正解で半分間違いだ、確かに今回出演したバンドの中では一番取っ付き易くてキャッチーだったかもしれないけど、でもその音は確かに暴力的なまでに脳を覚醒させるだけの力があったし、彼等もまたエクストリームミュージックの確かな果てを生み出していたのだった。

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・おまわりさん

 DJタイムを挟み、本日の主役の一つであるおまわりさん。毎回毎回のライブが既に狂騒と何が起こるか分からない一つのカタルシスを生み出すおまわりさん。今回広いサイクロンのステージで彼等は何をしでかすか本当に楽しみだったが、もう見事にやらかしてくれた。開始早々に風人氏は高いステージからフロアに落下するわ、モッシュは相変わらずとんでもないわ、そして必殺の1曲目「膨張」から、もう既にとんでもない事になっていた。ギターなんていつもだけど今回のライブは特にノイズを放出する道具と化しているだけではなくて、サイクロンの音響の良さも手伝ってか、本当にハリケーンの様に渦巻いていたし、それぞれの音の輪郭が崩壊寸前になっているおまわりさんのライブだけど、今回は本当に全ての音の輪郭が明確になっていたのも新鮮だったし、だからこそビートにしろ、ノイズにしろ、ギターにしろ破壊力が倍プッシュだったし、おまわりさんの新しい側面が見えたライブだったと思う。特に「ツギノシン」は本当に黒い怨念が高次元で渦巻く様すら見えてしまったよ。そして最後の最後はもう全てが暴走。風人氏が暴れ狂い、大破するドラムセットに、ステージの床にブン投げられる楽器と機材、狂騒のライブはいつも通りでありながら、いつも以上のインパクトとカタルシスを見事に残し、本当に惨劇みてえなライブが嵐の様に過ぎ去った。本当に凄いよ!!

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・NoLA

 トリはもう一つの主役であるNoLA。今回のライブから新ギタリストmakino氏が加入し、ベースレス編成は変わらずもツインギターの4人組になり、makino氏のお披露目のライブでもあったけど、4人になったNoLAは本当に音圧もグルーブも更にビルドアップしたと思う。2本のギターが繰り出す極悪な刻みの応酬もそうだし、更に楽曲のスケールも格段の物になったし、これまで何度もライブでプレイしてきた楽曲は数多くのライブで鍛え上げられてたのもあるけど、4人でプレイする事によって更なる進化が見えたとも思う。持ち前の神々しいアクトは相変わらずだし、新曲郡は更に明確に形になり、より殺傷力を高めていた。今回も相変わらずにタケル君はフロアに飛び出し暴れ狂い、狂気を放っていたけど、ただでさえ凄い重みと破壊力を持っていた楽器隊のアンサンブルが更にとんでもない事になるのを確信した。4人編成になってからの初ライブって事もあったから、これまでのライブと比べると少し固さを感じたりもしたのは事実だけど、それでも十分過ぎる説得力をライブで見せていたし、現編成で場数を踏んだ先には、これまで以上に圧巻のNoLAの世界が間違いなく広がっていくと思う。メタルだとかエクストリームだとかドゥームだとかを越えて、速さも遅さも越えて、激重の狂気としての新生NoLAがこれからどうなるか、本当に震えて待つしかないじゃないか!!

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 全6バンドによる悪夢の宴だったけど、今回のイベントは出演バンドの系統が決して同じバンドではなく、寧ろバラバラな位だったりで、共通項としてはエクストリームであるという位だったけれども、そんなイベントにも関わらずサイクロンという決して小さくないハコで大きな集客があったのは本当に大きいと思う。NoLAもおまわりさんも、今ライブハウスシーンでかなり勢いのあるバンドだってのもあるのは間違いないけど、それ以上にあらゆる枠組みを越えて、ひたすらエクストリームな音が渦巻くイベントでこれだけの集客を叩き出せたのは本当に大きいと思う。僕は今回のイベントにこれだけの人々が集まったのには大きな意味があると思うし、こういったイベントが更に大きな形に成長していって欲しいと心から願うのだ。
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