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■Alkaloid Superstar/ZOTHIQUE

Alkaloid SuperstarCD



 作家クラーク・アシュトン・スミスの小説に登場する大陸ゾティークからバンド名を拝借しているらしいサイケデリックハードコアバンドであるZOTHIQUEの2013年リリースの1stアルバム。僕は昨年のNoLAとおまわりさんの共同企画でこのバンドと出会ったが、その全てを薙ぎ倒す音塊に一発で殺されてしまった。今作でもライブ同様にハードコアとドゥームとサイケデリックが激突する重戦車の音塊と悪夢の音像が蠢いている。



 盤を再生した瞬間にキーボードの不穏な持続音から始まり、不安を煽りまくるが、作品の導入である第1曲に続く第2曲「The Immortal」からとんでもない事になってしまっている。常に飛び交う不協和音のキーボートと蠢くアンビエントで暴力的サウンドコラージュ、しかしバンドの音自体は完全にダークサイドなハードコアサウンド。吐き捨てる様なドスの効いたボーカルと、重戦車リフがストーナーかつハードコアに暴走していく。リズム隊のグルーブもモロにハードコアな暴走サウンド。しかし中盤からキーボードの音を前面に押し出し、ドゥーミーなリフの這い回る残響と共にハードコアからドゥームのサイケデリックさへと展開し、訳が分からなくなってしまう。そんなサイケデリック絵巻で脳を溶かされきった先には再び激重暴走ハードコアで攻めてくるから、サイケデリックとハードコアの両極端な振り切った音の相互攻撃に聴き手は圧殺必至だろう。第3曲「Frozen Gloom」はストーナーを色濃く押し出しながらも、アトモスフィリックの美意識を絶妙に感じさせる辺りがニクいし、そんなパートではキーボードsとノイズのコラージュが本当に大きな効果を生み出している。第4曲「A Lotus In The Sun」は完全にドゥーム方向に振り切った楽曲であり、推進力を放棄したビートと、残虐なるドゥームリフが先ずドゥームメタルとして熾烈さをこれでもかと生み出しているけど、同時にキーボードのサウンドがその音を更に彼方の物にしてしまっているし、9分にも渡って本当にサイケデリックな煉獄が続く圧殺悶絶な1曲となっている。
 サイケデリックと言っても彼等のノイジーさやサイケデリックさは非常に伝わり易い形でアウトプットされているし、サイケデリックといってもあくもでもサウンドの幹になっているのはハードコアとドゥームの相互破壊的サウンドだし、そのサウンドの破壊力を更に際立たせる為にキーボードやノイズのコラージュが一役買っているし、そういった要素を抜きにしてもこのバンドはハードコア・ドゥームとして本当に格好良い。第5曲「Into The Vaults of yoh-Vombis」なんて高速Dビートから始まり、最高にダーククラストな格好良さが剥き出しで、暴走していく2分間が長尺の楽曲が多い今作の中でも更に際立って攻撃的で良い。そして今作は終盤になると更なる混沌の坩堝となり、音自体は意外とキャッチーなストーナーだったりするのに、辺り構わず飛びまくる音がそれを未知の世界へと誘う第7曲「Alkaloid Superstar」、そして14分近くにも及ぶ最終曲「Sunless」ではアコースティックギターの調べから始まり、悪魔が大挙して押し寄せるみてえなスラッジ成分の強いリフへと変貌し、それが時にアトモスフィリックに、時にハードコアに形を変えていきながら展開し、やはりキーボードの不協和音は飛び交いまくり、最後はノイズもキーボードもドス黒い音塊となったスラッジリフもスラッジグルーブも全てが膨大な球体となって降り注ぎ爆発する。その瞬間にはもう何も無くなってしまっている。



 ハードコアとしてとんでもない馬力とを誇りながら、ドゥームのグルーブと音塊をぶつけて粉々にした音にサイケデリックな音像で更にかき乱していくサウンドは脳のあらゆる神経を引き千切られる感覚すら覚えてしまうだろう。しかしそれでもこのバンドは単純にダークサイド側のハードコアとして本当にとんでもなく格好良いバンドだと僕は思うのだ。



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