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■And Baby / Safe Crusades / No Judgements/The Caution Children

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 美轟音・激重・激情音源をリリースする俺達のTokyo Jupiterの2014年一発目のリリースは、本当に素晴らしい作品だった。ベルギーのThe Black Heart Rebellionと共にTokyo Jupiterのレーベル設立最初期からのバンドであり、彼等の歴史はTokyo Jupiterと共に歩んできたと過言ではないThe Caution Childrenの2014年リリースの3rdアルバムは本当に進化の作品だった。今作は新ギタリストを迎えての5人で製作された作品であり、レコーディングにComadreのJack Shirley (Deafheaven, Loma Prieta) 、マスタリングにJosh Bonati (Asobi Seksu, La Quiete) を迎えている。



 先ず率直に言うと今作でTCCはハードコアバンドとして本当に強くなったし、これまでの2枚のアルバムで見せ付けた美し過ぎる激情を研ぎ澄まし、完全に物にしたと言えるだろう。バンドとしての方法論自体は正直に言うとこれまでの作品と全然変わらなかったりするんだけど、これまでに作品とは明らかに違う。激情系ハードコアを機軸に、シューゲイザーやポストロックといった要素をクロスオーバーさせて、近年のEnvyの様な美しいスケールで激情を描いていたけど。今作の楽曲はほぼ約3分程度のコンパクトな楽曲ばかりだし、スケールはそのままに最初からクライマックスとばかりにのっけから圧倒的な激情を力強く鳴らすバンドになったのだ。今作のあるのはもう眩いばかりの光ばかりで、そこに闇は存在しない。闇を切り裂き、希望の光をハードコアとして高らかに鳴らしている。
 第1曲「The Same Thing in Three Parts」から既にクライマックスであり、オープニングから全ての絶望を焼き払う旋律と共に、美しい新世界の幕開けを高らかに宣言。そして第2曲「Psalms」へと雪崩れ込んだ瞬間にはもう目の前には希望しかない。疾走感と共にシューゲイジングしながらも確かな重みを感じるギターの音、希望の先へと走り抜けるビートは本当に力強く。持ち前の繊細な美旋律を生かしながら、よりハードコアバンドとして威風堂々とした佇まいを見せ、何度も何度も拳を突き上げたくなる希望のマーチが確かに存在し、本当に全ての音が強くなった。これまでの作品は繊細な美旋律こそ素晴らしかったが、少しばかりハードコアバンドとしての力強さと言う点は正直に言うと少し弱かったりもしたけど、それを完全に覆し、繊細で美し過ぎる激情のまま、強くなった事が本当に大きいし、アプローチも堂々と突き抜けるハードコアさが漲っていて何とも頼もしいじゃないか。第3曲「Over-Under」ではアンビエントな小品として揺らぎと浮遊感からの美しさをアピールし、その流れを受け継ぎ、柔らかで繊細なギターフレーズから、それを突き破り力強い轟音の鐘が響き渡る第4曲「Shouldn't Have Used Black Magic」のドラマティックな流れは眉唾物。第5曲「Secret Kings」では更に疾走感も加速し、La Quieteにも通じる突き抜ける青き疾走を見せ、同時にザックリとした刻みのギターなんかも入れていたりして、普遍性のあるハードコア性もアピール。最初から突き抜けているのに、轟音に轟音を重ねながら、肉体性も強く、美しさの先の強さを十分に感じるだろう。
 今作で唯一の少し長めな第6曲「Middle Missing」は6分近くある楽曲で、完全にポストロックなトレモロの美旋律にまず耳が奪われる。更にアコギの爽やかで少し憂いのある調べも加わり、後半は見事なまでの轟音バーストというモロに轟音系ポストロックな良い意味であざとい展開を見せるけど、ポストロック方面に振り切った楽曲でもやっぱり最終的には感動的なクライマックスに行き着いてるし、やっぱり強さを感じる。浮遊する音色とアコギの調べが優しく包む第7曲「Moon Museum」を挟み、終盤の3曲は本当に最高のクライマックスの連続だ。近年おEnvyに匹敵するキャッチーさと美しさと強さの融和とも言える第8曲「Knowing About Bombs」は本当にエモーショナルで涙が溢れそうになるし、最高の結末を予感させるアンビエントさから轟音へと変貌する小品な第9曲「Superb Lyrebird Recording」、そして最終曲「Letter to My Child」はこれまで何度も何度もあった感動的瞬間すら越える、本当に3分間に感動しかない大名曲で、生きる力その物が音になったみてえな曲だし、この曲を聴いてTCCは本当に激情系ハードコアとして強くなったと改めて実感した。また今作はこれまでの作品と違うのは矢張りミックスの点だと思う。これまでの美旋律を前面に押し出す音とは違い、バンド自信の進化もあるけど、繊細な旋律を生かしながらも、強さを前面に押し出したミックスは今作の素晴らしさを更に確固たる物にしている。



 個人的には同じくTokyo Jupiterの最初期からのバンドであるベルギーのThe Black Heart Rebellionが既存の激情系ハードコアを完全に捨て、民族音楽等を取り入れ、エクスペリメンタル方面に突き抜けて、これまでに無かった激情系ハードコアを生み出したのに対して、TCCはあくまでも王道を突き進む事を選び、美轟音の先の強さをただひたすらに求めて、その結果自らのスタイルはそのままにハードコアバンドとして本当に大きくなったというのは面白かったりもする。共にツアーをしていたりした両バンドが、それぞれの形で進化を見せつけ、そしてTokyo Jupiterと共にそれぞれ素晴らしい音を生み出してバンドとしてとんでもなく進化したという事実は、何とも感慨深いじゃないか。とにかくTCCは美し過ぎる激情系ハードコアから、美し過ぎて強い激情系ハードコアバンドに見事なまでに進化した。2014年の激情系ハードコアを代表する一枚になるのは間違い無いだろう。今作は勿論Tokyo Jupiter Recordsの方で購入可能だ。



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