■Obscene Extreme Asia(2014年3月2日)@浅草Kurawood

 99年にチェコで誕生した世界を代表するエクストリームミュージックの祭典であるObscene Extreame。世界各地のエクストリームミュージックの猛者が出演する血の祭典が遂に日本に上陸!!総勢27バンドが集結し三日間に渡って浅草KURAWOODを血で染め上げた訳だが、海外バンドはクラストコアの生きる伝説ことDOOM(UK)に、イタリアのグラインドコアレジェンドCripple Bastardsに、チェコの劣悪ブルデスの最先端JIG-AIという豪華すぎる3バンド。当然チケットは発売と同時に二日目と三日目はソールドアウトという事態になったし、本当に多くの人々が今回のOEFを待ち望んでいたんだと思う。僕も三日目だけではあるが足を運ばせて頂いたので、全バンドを観た訳ではないけど、ここに今回の血飛沫飛び交う闇のフェスのレポを記させて頂く。



・Self Deconstruction

 のっけから嵐の様なライブだったと思う。トップバッターのセルコンはとんでもない曲数をプレイしながらもライブは実に15分程度、グラインドコアからカオティックに爆散しまくるショートカットチューンの乱打によるカタルシスこそセルコンのライブの大きな魅力だと思うし、速くて短くて混沌としているというエクストリームさを純粋に掛け算しただけではなく、その掛け算した数値がまずおかしいし、その結果生れるのが渦巻く嵐なんだと思う。葛葉氏のギターのキレっぷりも、変則性もありながらも常に暴走するドラムも、何より男女ツインボーカルが圧倒的テンションで吐き出すがなり声とグロウルの激突も、測定不能のエクストリームなカタルシスを叩き出すのだ。15分で全てを破壊するセルコンのライブはOEFのトップに相応しかった。



・Isterismo

 次は初めてライブを観るIsterismo。ド頭の這い回る重低音のドゥーミーなインスト曲からド肝を抜かれたけど、そっからが本当に悪意の轟音の連続だった、とにかく音圧も半端じゃないし、音がとにかく重苦しい、それでいてダーティな感覚で放たれる音は間違いの無いクラストコアサウンド。やっている事自体はクラストコアの王道を行くサウンドの筈なのに、ライブでその音を体感すると、Isterismoの音はどうしようもなく薄汚れているし、何よりも攻める重低音が威圧感と共に押し寄せてくる感じなのだ。これぞ正にクラストの怒りを爆音の重低音と共に放つ重戦車だ。見事なライブだったよ。



・Flagitious Idiosyncrasy In The Dilapidation

 続く女性グラインドコアバンドF.I.Dは半年振り位にライブを観る事になったのだけど、相変わらず女性のバンド云々と言う概念を嘲笑う強靭なグラインドを見せ付けてくれた。ブルータルなダーティさもしっかり押し出しながら、ロック的格好良さもしっかりと見せ付ける彼女達のグラインドコアは本家OEFでもライブをした経験もあるし、このアジア版OEFでも大きな盛り上がりを見せていた。30分近くに渡って繰り広げられたグラインドコアは有無を言わせない説得力があったし、観る側も大きな喝采で彼女達に最大の賛辞を送っていた。



・Disgust

 今回ライブを観るのを楽しみにしていたバンドの一つであるDisgustだけど、グラインドとクラストを単純に掛け算しただけでは絶対に生れない説得力をライブで実感。ピットは瞬く間に荒れに荒れまくる大きな盛り上がりを見せていたが、Disgustはあくまでもクラストコアであり続けながらその音をよりエクストリームに進化させたバンドなんだと今回ライブを観て改めて実感したよ。光速で繰り出されるビートの容赦の無さも、切れ味凄まじいリフの断罪も、デスボイスで吐き出される言葉も、兎に角極悪極まりないし、邪悪なるクラストコアからのエクストリームグラインドを見せ付けまくっていた。というか凄く痺れるライブだったわ。



・Abigail

 1stアルバムも先日再発された国産ブラックメタルの草分け的存在であるAbigailのライブへ。この日の出演者の中では結構異質な存在だったとも思うし、僕自身も初めてライブを観た訳なんだけど、このバンドはもうブラック云々を抜きにしてメタルとして最高に格好良いと心から思った。スラッシュでトラストでありながらハードコア的な粗暴さを持つギターリフ、ストレートなギターソロ、暴走気味に突っ走るビートもとにかく単純にメタルとしての格好良さを持ちながら、ハードコアな荒々しさを持ち、長年活動を続けているベテランバンドならではの貫禄も見事に見せつけていたと思う。1曲だけ再発された1stからの曲もプレイしていて、そっちは一転してブラックメタル全開でありながら、それでもブレない突進力と獰猛さには痺れたし、Abigailが本当に多くの人に支持されるのも納得だ。とにかく純粋に格好良かった!!



・Systematic Death

 実に結成から30年に渡って活動する日本のジャパニーズハードコアの大ベテランバンドであるSystematic Deathのライブはどこをどう切っても見事なまでにジャパニーズハードコアなライブだった。クラスト要素も感じさせつつも、根底にあるのは強くて、でも何処かキャッチーでもあるジャパコアのそれだったし、何よりも大ベテランバンドなだけあってそのライブはとにかくノンストップで繰り出される爆音のハードコアの嵐であるし、最高に気持ち良くて格好良いのだ!ライブの時間自体は決して長くはなかったけど、長年戦い続けた大ベテランの貫禄を見せ付けるのは十分過ぎた。



・Abraham Cross

 そして数年振りの復活を遂げた東京のクラストのレジェンドことAbraham Cross。僕自身が初めて触れたクラストというのもあるし、今回の復活で念願叶って遂にライブを観る事が出来たのだが、このバンドはクラスト云々と言う枠組みなんかじゃ通用しないライブをしていた!!セッティングの時点で響き渡るハウリング、いざライブが始まると明らかに音量バランスを無視したノイズギターが暴力的に狂い暴れまくり、ベースもえげつない重低音を無慈悲に放出し、そしてドスの効いたビートを繰り出すドラム、何よりもSAWJIRO氏のド低域で地獄の奥底から吐き出される熾烈なるボーカルが本当に凄まじかった。ライブ自体は20分もやってなかったと思うし、MCも全くせずにただひたすら極悪極まりない地獄のクラストをノイズ塗れで叩き付け続けただけなんだけど、圧倒的音量と破壊力で暴走する重戦車のクラストコアは凄まじいインパクトだったし、何よりも最高に格好良かった!!ずっとライブを観る日を心待ちにしていたけど、今回のOEFでそのライブを観れたのは本当に嬉しかったし、唯一無二の存在感をライブでも放っていた。



・Framtid

 国内バンドのトリを務めるのは大阪が生み出したクラストの絶対神こと!!この日のラインナップはクラストのバンドが非常に多かったけど、そんな数多くの素晴らしいクラストバンドすら霞んでしまいそうになる圧巻のライブだった。Abraham Crossとはまた違ったノイジーさと歪み、破滅的では無いけど、とにかく屈強過ぎる位に屈強な音の洪水は否応無しにブチ上がるしかないし、全てを薙ぎ倒す言葉になんか出来ない音の連続が生み出すカタルシスは相当な物だった。ボーカルのマキノ氏は何度も何度も観客と拳をぶつけ合い、Framtidが放つメッセージと音に観る物も何度も頭を振り、拳を突き上げる。その光景は非常にピースフルであったし、バンドのスローガンである「反戦」を見事に表していたとも思う。どんなに破壊的なクラストサウンドを放っていても、その音が最終的に生み出したのは多くの突き上げられた拳だなんて最高じゃないか。それだけの力がFramtidにはやはりあるのだ。



・DOOM(UK)

 本当に本当にライブを観れるのが嘘みたいだった。目の前にいたのは紛れも無いクラストコアの伝説であるDOOMだったし、そんなDOOMのライブを観れるってだけで本当に感動は大きかった。ライブはアンコールも含めて45分位で、20曲近くはやっていたと思う。しかもセットは最新作の曲から往年の名曲まで満遍なくプレイしてくれた非常に嬉しい物だったのだけど、そんなセットから浮かび上がって来たのはDOOMはずっと何一つ変わらないでクラストコアをプレイし続けているという事だ。過去の曲も最新の曲も何ら遜色なんてねえし、徹底してクラストコアであり続けているからこそDOOMは生きるレジェンドであり続けているのを今回改めて実感したよ。肝心のライブの方もシンプルでありながら全てが完璧。強くてシリアスで格好良いクラストコアを見事なまでに体現していたし、重厚な音圧とサウンドで攻め立て、歪みまくったベースの音がドラムと共に突っ走り、ギターリフは一々凄く格好良くて、とにかくシリアスなボーカルの叫びと共に繰り出される圧巻のクラストコア。序盤のSEからアンコールが終了して最後のSEが流れるまでの45分の間に繰り広げられたのは絶対に揺るがないクラストコアの強さだったし、国産クラスト勢の素晴らしいライブに応えるかの様にDOOMも圧倒的なライブを魅せてくれたよ。



・Cripple Bastards

 そして大トリはイタリアの実に25年にも渡って活動するグラインドコアレジェンドことCripple Bastards。一時間近く持ち時間があった筈なのに、ライブはアンコールを含めて35分という内容。DOOMで体力を使い果たしてしまって、後ろの方でゆっくり観ていたけど、とにかく悶絶圧殺のグラインドコアがとにかく連続して続いていく。あくまでもファストに、しかしブルータルに、変則性も持ちながらも、爆走するパートで生み出されるカタルシスは凄まじいし、その速さで殺すだけでは無くて。個人的には締上げる様な息苦しさを音から感じたし、その感覚こそがこのバンドの大きな魅力だと思ったりもした。特に終盤はその悶絶具合が本当に凄まじかったし、アンコールも含めて、今回のOEFを締めくくるに相応しい見事過ぎるエクストリームグラインドを見せ付けてくれた。速さだけではなく、一つの猟奇性も感じさせる音はステージでも見事に健在だったし、大ベテラングラインドコアバンドの風格を見事に見せてくれた。




 そんな感じで少し駆け足な形にはなってしまったけど、今回のOEFのレポをここに記させて頂いた。今回は三日目だけの参加ではあったけど、ほぼ全バンドをしっかりと観る事が出来たし、どのバンドも凄まじいライブを展開していて体力的には少しキツさはあったりもしたけど、本当に長丁場があっという間だったし、特に終盤の4バンドのライブは本当に燃え尽きる熱さしかなかった。この様なエクストリームミュージックのイベントで三日中二日がソールドアウトを記録した意味は本当に大きいし、改めてButcher ABCの関根氏を始めとする主催者・関係者の方々には大きな感謝をここの記させて頂きます。いつになるかはまだ分からないけど、次回のOEFへの開催の期待も既に高まっているし、次回の開催の際は是非とも全日程足を運ばせて頂きたいし、何よりもこんな大きなお祭はやっぱり、普段のライブや現場があるからこそだし、今回OEFに足を運んだ多くの人々が更に多くのライブに足を運んだらもっと面白くなると僕は思ったりする。
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