■EXTREME EAST K. Vol.52 BOMBORI vs おまわりさん(2014年3月7日)@東高円寺二万電圧

 二万電圧によるまさかの2マンだ。ダブもエクスペリメンタルもヘビィロックも全て飲み込んだ先の彼方を生み出す解読不能の猛威ことBOMBORIと、憎悪も不条理もノイズと共にハードコアとして吐き出す惨劇の主犯格おまわりさん。共通項なんて無いのかもしれないけど、一つ確かなのは両バンド共に終着地点なんて予測不能である事と、そのライブが凄まじい事、何よりベクトルこそ違えど、生み出すのは紛れも無い非現実の何かである事、そのライブで生み出されるエネルギーがとんでもない事。それだけでこの両者の2マンは必然だったと僕は思う。佐村河内に「聞こえねえなんて言わせねえよ!!」と言わんばかりの爆音の2マン。そう両者のライブは完全に全てをブチ殺すライブというドキュメントなのだ。



・BOMBORI

 先ず先手はBOMBORIから。フロアにはツインドラムがセットされていて、弦楽器隊の3人がステージに立つという非常に異様なセッティングに先ずド肝を抜かれてしまったが、昨年リリースされた名盤1stである「GONG」を遥かに凌駕するエネルギーのビッグバンの連続に完全に昇天してしまったよ。ドラムの二人の煽りから始まり、いきなり新曲からライブはスタート!!ドラムの片割れであるGalaxy氏が頭に日の丸が描かれた鉢巻をして、ドラムを叩くのを放棄して完全にピンボーカルでとにかく叫ぶ!新曲もBOMBORIの新機軸と言える楽曲で、これまでのエクスペリメンタルなビートの躍動とサイケデリックなグルーブと音像を最大限に生かしながらも、それをBOMBORI流のハードコアとして完全に更新してしまった楽曲で、性急に、でもとんでもない技術で繰り出すNaked H Lightning氏のドラムが観る者の意識を完全に覚醒させる粗暴でありながらも、統率されたビートの連続、弦楽器隊も爆音で昇りあがる原色のサイケデリックな音像を音塊として繰り出す。ライブ自体は実に2年振り位に観たのだけれども、そのビートとグルーブのヘビィさは更に研ぎ澄まされ、音で全てを圧殺する説得力を手に入れていた。今回のライブは半数以上が新曲で、他にもリズムパッドを導入した楽曲をプレイしていたが、この曲がビートの圧倒的情報量が生み出す原始の力を完全に手にしたまた新たな地平を切り開いた名曲だった。ツインドラムで正確無比でありながらも大胆に振り落とすビートの暴力もそうだけど、生ドラムとリズムパッドを同時に叩き、デジタルのビートの無機質さも、生ドラムの太古の儀式めいたビートの嵐も全てが必然のビートとして存在し、完全に前に観た時と違うバンドになってしまっていた。
 勿論これまでの楽曲も更に凄まじい事になっていて、ダブもサイケデリックも飲み込み、チューニングの重さでは無く、音圧とビートの重みを凄まじい洪水として放つからこそ生まれるヘビィネスは圧巻だったし、特に「Granule」の中盤からのドゥーミーさも手にしたBOMBORI流のヘビィロック・ストーナー絵巻はツインドラムもベースもギターも完全に強大な音塊として融合し、太刀打ち不可能な化け物になり、そして最後はそれが何度も何度も爆発していくカタルシスは、観る者が爆音の中で精液だとか愛液だとか体液だとか、もうなんでも良いけど漏らしまくるしかないレベルだったし、45分に渡って繰り広げられた異次元への旅は、観る物を天国へ連れて行くと思わせて、その更に上にある得体の知れない天国でも地獄でもない新しい次元へと強制的に連れて行き、覚醒の扉を完全にブチ壊していた。というかBOMBORIのライブに関しては言葉じゃ伝えきれないから、本当にライブを観て欲しいわ。音源なんか軽く超える新たな体験がそこにあるから。シンセもギターもベースもドラムも全てが本質的にサイケデリックであり、圧倒的技術と表現力をフルで発揮する野性の音であり、ビートの麻薬であり、そして涅槃の更に先を開くのはBOMBORIだけに許された事なんだよ。

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・おまわりさん

 後攻は終わらない悪夢のハードコアことおまわりさん。ライブは昨年のNoLAとの共同企画以来に観る事になったけど、BOMBORIで異次元へと昇天した人々を、一転して完全に煉獄へと叩き落す惨劇のドキュメントだった。先ずは風人氏以外のメンバー4人がステージに登場し、松田氏がクリーンでありながらも、不気味でおぞましく、でもどこか美しいギターのアルペジオの反復を繰り返し、静寂の中で窒息する感覚を強制的に体感させられる事に、そこにゆっきー氏のノイズが入ると余計に訳が分からなくなってしまって、冒頭のインストから既に空気が全く違う物に、そして風人氏がステージに登場し、その余韻を受け継ぎながら放たれる「膨張」の冒頭のノイズで既に惨劇は始まっていた!!何の余韻も打ち合わせも無い突発的暴音が始まり、ジャンクでノイズな音が最初からリミッター解除で放たれてしまったのだ。勿論風人氏は早速ステージを飛び出し、叫びながら暴れ狂い、ハードコアを機軸にしながら予測不能の展開を繰り返し、ドゥームもノイズもグラインドも病み鍋にして、憎悪と狂気を暴力として生み出し、その時点で観てる人間3人くれえは心筋梗塞だとかで死んだんじゃねえかってレベルのノイズの濁流。
 特に松田氏がキャビ二段に更にアンプを追加した極悪セッティングで繰り出す歪みまくり過ぎて、なんかもう分からないけど凄いし、毒ガスみたいな音で大量虐殺のハイスコアを更新し、eda氏がビートの機関銃で銃殺、ゆっきー氏のノイズの火炎放射器で焼却、佐々木氏のベースで轢き逃げ殺人、何よりもこの日の風人氏は完全に恐怖しか感じなかった。常に半笑いを浮けべているし、その形相は完全に快楽殺人鬼のそれだと思ったし、飲んだ水で毒霧かますわ、フロアで暴れるわの通り魔状態。しかもMCの時(おまわりさんのライブでMCやってるの始めて見たわ)、今日が2マンである事を告げてから、何かいきなり客を煽る事を言い始めて、仕舞には○○(色々問題ありそうなのでご想像にお任せします)とセックスしてだとか、ケーブルのなんとかかんとかとか、そんな感じの新興宗教の演説めいた事を言い出して、そしていきなり暴発する新曲へと雪崩れ込んで来るから本当にタチが悪い。その新曲もハードコアのマナーなんか全く守ってねえし、0からいきなり100へとメーターを振り切り、早口でまくし立てるボーカルとノイズの殺戮とも言える凄まじさだった。勿論必殺の「DEW」のジャンクノイズハードコアの濁流もそうだし、「ツギノシン」の不気味な静寂からノイズドゥームの悪夢へと雪崩れ込む瞬間も、他の新曲(静謐なパートが少し長いけど、案の定突発的に発作起こしたみたいなノイズの嵐になる、これまでのおまわりさんの暴虐さを更に更新した名曲)も全てが惨劇のドキュメントだったし、「バカ社長」のおまわりさん流のカオティックハードコアも首切り落としまくりなエグさしかなかった。おまわりさんも45分に渡ってライブをしていたが、こちらは奈落の更に奥底へと監禁して、拷問の末に殺したり、即死させたり、四肢切断して生かしておくみたいな非常にバリエーション豊かに殺しまくっていた。おまわりさんはハードコアだとかノイズだとかジャンクでは片付けられないバンドに最早なっているし、これは不条理の悪夢でしかない。



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 この2マンは正に必然であったと思うし、観る者を向き合う覚悟をする時間すら与えないで、涅槃の更に先へと連れて行くBOMBORIと、殺意と憎悪と不条理を通り魔的であり、テロリスト的に生み出し、そして殺すおまわりさん。共に本当にすばらしいライブだった。何よりも両者の音楽性こそ違えど、どちらも爆音のライブで異次元を生み出していたし、二万電圧の地下室に充満していた異質の音、ライブだからこそダイレクトに体感させられる非現実。それがもう全てだった。改めて両バンドには大きなリスペクトを。本当に今でもその音が脳髄に焼き付いて離れないんだ。
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