■Owsla/Fall Of Efrafa

a3685964109_2.jpg



 最早言うまでも無くネオクラスト最重要バンドの一つであり、ポストメタル化したネオクラストの代表格であるFall Of Efrafaの06年リリースの1stアルバム。リチャード・アダムスの小説である「WATERSHIP DOWN」を独自解釈した三部作の第一作目であり、第二作「Elil」、第三作「Inle」を遺しバンドは活動を終了している。またボーカルのAlex君は現在はLight Bearerを結成し、ネオクラスト派生型ポストメタルバンドとして本当に多くの賛辞を集めている事は多くの人がご存知だと思う。



 さて肝心の作品の方だけど、一気に大作志向になりポストメタルに急接近した第二作「Elil」とは違い、今作ではHis Hero Is GoneやTragedyの影響を大きく感じさせるネオクラストサウンドを展開している。しかしそれでもAlex君の美意識はこの頃から既に存在しており、多くのネオクラストバンドとは既に一線を画しているとも言えるだろう。ストリングスの調べとナレーションの第1曲の1分程のイントロから幕を開け、第2曲「Pity The Weak」へと繋がるが、冒頭から美麗のアルペジオとストリングスから始まり、既に芸術的美意識を感じさせてくるが、それを切り裂くかの様に破壊的ビートで暴走するネオクラストサウンドが展開!!Alex君のボーカルも獰猛に吼えまくっていて格好良いし、Tragedy直系でありながらも、その馬力には悶絶するしかない。しかし後半は一転してダウンテンポのパートが入り込み、そこら芸術的な悲哀や痛々しさを高次元で表現してくるし、そこら辺なんかはEnvyやNeurosis辺りのバンドの流れがある様にも見えるし、1stである今作から既にその先の壮絶なる世界へと繋がっている事を実感。第3曲「A Soul To Bare」は濁流のリフと泣きに泣きまくったリードギターの対比がお見事だし、ビートを落としたパートのスラッジな破壊力も見事だし、後半になるとあくまでもネオクラストなサウンドでありながら、その奥底にある美旋律も姿を見せ始め、エモーショナルな展開を見せるし、その叙情性と破壊的な音の対比が見事なのである。
 しかし本番はインタールードな小品である第4曲「Lament」を挟んでからの後半の2曲だ。第5曲「Last But Not Least」は一転して10分にも及ぶ長尺曲で、一転して不穏なアルペジオの反復から始まり、大胆にストリングスも取り入れ、完全にスラッジメタルと化したサウンドの濁流が押し寄せる。不穏で静謐な美麗のパートと、おぞましく膨張するスラッジパートの対比はその先の作品にも間違いなく繋がっているし、それらの作品の楽曲に比べると荒々しさこそ目立つが、それが逆に覚醒前夜を彷彿とさせるし、猛り狂う濁流の激重サウンドから確かな芸術性は感じるし、そのストーリー性は今作の頃から既に完成していたのかもしれない。そしてハイライトはバンド名を冠した15分にも及ぶ最終曲「The Fall Of Efrafa」だろう。美麗の旋律とストリングスの調べが美しい調和と秩序を生み出し、ダウンテンポのビートと共に上昇し、そしてその壮大さを引き継ぎながらドラマティックなネオクラストパートへ!!あくまでもHHIGやTragedyの流れを受け継いだネオクラストサウンドなのに、既に他のそれらのバンドのフォロワーとは別の次元にいるし、楽曲も中盤になると、ストリングスとまた美しく絡み、あくまでもクラストなサウンドの余韻を残したまま、それを別次元のサウンドへと変貌させた熾烈なるネオクラスト×ポストメタルの正面衝突へ!!最後にはけたたましい轟音と共に今作を総括し、そして第二作「Elil」へと繋がっていく。



 まだ覚醒前のサウンドだったのかもしれないけど、その後のFall Of Efrafaの作品や、それこそ現在のLight Bearerとも間違いなく繋がっている作品だし、まだストレートなネオクラストサウンドを展開していた今作の時点でFall Of Efrafaというバンドが選ばれたバンドであるという事は納得するしか無いだろう。ストリングスも既に導入し、熱くドラマティックに展開される熾烈なるネオクラストは既に別次元にあったし、Fall Of Efrafa~Light Bearerへと連なる壮大なるネオクラストの先を行く音像の始まりであり、そしてその始まりから既にクライマックスへと突入していたのである。ネオクラスト云々を超えて、その世界観を徹底的に描くその音は多くの人々の支持を集めるのも必然であるのだ。



スポンサーサイト

■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

タグ別記事表示

日本 ライブレポ 激情系ハードコア アメリカ スラッジ ポストメタル ポストハードコア ポストロック カオティックハードコア ドゥーム エモ オルタナティブロック イギリス サイケ フランス アンビエント ストーナー ネオクラスト ドローン ドイツ シューゲイザー ハードコア ロック グラインドコア プログレ ギターロック ポストブラックメタル インタビュー マスロック ポストパンク デスメタル スウェーデン カナダ モダンへビィネス スラッシュメタル ブラックメタル ギターポップ エクスペリメンタル エレクトロニカ ジャンクロック イタリア インダストリアル ベルギー フューネラルドゥーム グランジ ノルウェー 年間BEST ジェント オーストラリア スペイン アコースティック ポップス プログレッシブメタル ラーメン ブラッケンドハードコア フォーク ミニマル モダンヘビィネス ニューウェイブ パワーヴァイオレンス ロシア ゴシックメタル ハードロック ファストコア ノイズ ニュースクールハードコア フィンランド メタルコア ゴシックドゥーム トリップホップ ヒップホップ 自殺系ブラックメタル オランダ 駄盤珍盤紹介 アブストラクト ノーウェイブ クラウトロック ダブ ヘビィロック パンク ゴシック ダブステップ ノイズコア シンガポール ラトビア ミクスチャー チェコ インディーロック メロディックパンク テクノ ポーランド ドラムンベース ウィッチハウス オルタナティブ アイルランド デンマーク スイス ヘビィネス メキシコ ポジパン ジャズ ヴィジュアル系 アシッドフォーク メタル ブルデス 声優 ボイスCD ドリームポップ トラッドフォーク クラストコア スクリーモ カントリー プリミティブブラック 韓国 ハンガリー アイスランド イラン シンフォニックブラック ギリシャ スコットランド USハードコア ポルトガル ガレージ ソフトロック フリージャズ モダンクラシカル 台湾 トルコ ファンク 

カテゴリー

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

カウンター