■AMADEUS(2014年3月23日)@国分寺MORGANA

 エクストリームノイズコアバンドENDONとエクスペリメンタルサイケデリックヘビィロックバンドBOMBORIの共同企画は正に事件だったと思う。ENDONとBOMBORIという全くタイプの違う最果てのバンドの共同企画だからどんな面子が集結するかと思ったら、それが遥か想像の斜め上の猛者ばかりだった。各所で今話題を集めているSEX VIRGIN KILLERのmasa氏のソロ。ハードコアから極悪ドゥームを放つZECOCIDE、Optrumの伊東篤宏氏とDJ MEMAI氏のコラボレーション、そして止めはまさかまさかのキングオブノイズこと非常階段!!これはライブイベントを超えた事件であり、この日はもうモルガーナ以外に選択肢は無かった。そして想像を超える新次元の宴が始まった。



・ENDON

 先ずは主催バンドの一つであるENDONのライブからキックオフ!!これまでの様な暴力的なパフォーマンスはどうやら封印したらしくて、安心して最前でライブを観たけど、このバンドはそんなパフォーマンス抜きにして音だけで暴力を放つバンドである事を再認識した。そもそもメンバーにノイズ担当が二人もいる時点でおかしい話でもあるのだけど、誤解を恐れずに言えばENDON以上にノイズとハードコアを分かりやすく融和させたバンドはいないし、あくまでもヴァイオレンスなハードコアを機軸にしながら、それを極端なまでにノイジーにして放つのがENDONというバンドだと僕は思っているし、ストロボの連続の中で、ノイズの洪水の中でまたまた暴力的なビートと叫びがうずまく様子は、ハードコアの持つ暴力性をあくまでも音のみで追求しているからこそ生み出せる物だし、ENDONはその音だけで観る物を蹂躙するバンドになったと俺は思うんだ。フロアも中盤からモッシュが発生する大きな盛り上がりを見せていたのがその証拠だし、ハードコアとノイズを繋ぐ架け橋としてENDONは非常に有効なバンドだし、その暴力性を極限まで追求したライブは本当にノイズの惨劇だったのだ。のっけから完全に殺された!!


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・ masa(SEX VIRGIN KILLER)

 お次は各所で話題を呼ぶ古き良きV系の追求者であるSEX VIRGIN KILLERのmasa氏のソロ。どんな事をするのか全く想像が出来なかったのが正直な所なんだけど、それが想像の遥か斜め上のライブだった。内容はギターを持つmasa氏とアンビエントなノイズを出す人とのコラボレートで、ギターとアンビエントのみのライブと言う物。これが正直に言うと上手く言葉に表せない物で、くぐもったアンビエント音をバックにmasa氏がひたすら歎美なメロディをギターで紡ぎ、エロスを拗らせたボーカルを随所随所で入れていく完全に独自のアンビエントスタイル。良いとか悪い以前に、インパクトがまた凄くて、考える事を放棄するしかないライブではあったけど、SEX VIRGIN KILLERとはまた違ったアンビエントなエロスは十分にインパクトがあった。ライブ自体はあっさり終わってはしまっていたけど、そのエロスの残響を聴かせるライブは、また一つの形としてちゃんと成立していたし、その空気には飲み込まれてしまった。

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・ZENOCIDE

 そして久々にライブを観る事になったZENOCIDEだけど、以前見たライブはギターレスでも圧巻のハードコアドゥームだったんだけど、新ギタリストの加入で4人編成になった彼等は益々極悪なライブをする様になっていた。ただでさえ重低音渦巻く暗黒ドゥームだったのも関わらず、ギターの加入でその音圧と重低音は更に増幅!!しかもサバス的ドゥームではなく、あくまでもハードコアのままBPMを極端に落とし、チューニングを極端に落としているからこその熾烈すぎる音塊。曲も意外とコンパクトだったりするし、ハードコア型ドゥームを極めようとしているZENOCIDEは少し観ない間に更に極悪なバンドになってしまっていた。しかしダウンテンポのグルーブを最大限に生かし、極端な重低音の煉獄を生み出しながらも、それを一つの重戦車的な躍動として生み出すからこのバンドは凄いと思う。激重ドゥームをハードコアバンドとして放つからこそ生み出せたドス黒い音は新たにギターを迎えて、更に凄まじい事になっていたし、このバンドもまた最果てにいるバンドだと再認識させられた。

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・伊東篤宏+DJ MEMAI

 Optrumの伊東氏とDJ MEMAI氏のコラボレート、こちらもどんな事をやるか全く想像が出来なかったけど、ノイズミュージックの新たな形としてのダンスミュージックを目の前で体現していた。ノイズミュージックというと爆音で暴力的なサウンドってイメージが多くの人にあると思うし、Optrumもそうなんだけど、伊東氏はOptrum同様に蛍光灯のサウンドシステムを使い、それをDJ MEMAI氏の音と組み合わせいたけど、くぐもったチルノイズは決して爆音じゃ無かったし、ノイズ音でありながら、2人の出す音はあくまでも必要最低限。しかし変幻自在に音色を変化させながら、あくまでもミニマルに展開される音。しかしそのミニマルさが絶妙なビートを生み出し、揺らぎとしてのダンスミュージックとなっておて、斬新な発想と最小限の音から最大限の効果を生み出していたとも思う。決して派手でも無いし、分かりやすい音でも無いのだけど、その空白と残響音の余韻も、2人の出す音の不穏さも含めて、一つの音楽として完成されていたし、これもまた一つのエクストリームミュージックの形として確かに存在し、モルガーナを揺らしていた。絶妙に踊れるチルノイズの波は最高の快楽を生み出していたのだ。

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・BOMBORI

 そしてもう一つの主催バンドであるBOMBORIへ。スタートからBorisかよって言いたくなる大量のスモーク、そしてスモークの向こうには薄暗い照明が照らすメンバーの姿。先日のおまわりさんとの2マンでも新たな天を切り開くエクスペリメンタルの世界を生み出していたけど、この日のBOMBORIはエクスペリメンタルから新たな奈落を生み出していたのだ。もう何て言うか完全に音で殺しに来ていたのだ。先日のライブ同様に新曲中心のセットで、ハードコアな感触の強い曲中心だったけど、スモークの向こう側から聞こえる怒号。音の色彩を多く感じさせながら、それらの音はイルな感覚に満ちていたし、音が広がり、ツインドラムの躍動が生まれ、グルーブが全てを支配する瞬間は確かに高揚感も凄かったけど、同時に密室に閉じ込められる様な、奈落のに急降下する様なダークさを感じたし、解放としてのサイケデリックを生み出していながら、同時にその解放は地獄への片道切符だったし、終盤で必殺のヘビィグルーブエクスペリメンタル「Granule」のノイジーな音の洪水と、ツインドラムの強靭なるビートの乱打が生み出す絶頂の瞬間すら、どうしようもない密室へと閉じ込められているのに、その中でひたすら拷問されて絶頂するみたいな訳の分からなくなる感覚すらあったし、エクスペリメンタルのノイズもヘビィミュージックもサイケもグルーブも、全てが超越する瞬間に、全員の音が強大な怪物となっていたし、前回のおまわりさんとの2マンの時以上に全ての音が研ぎ済まされ、覚醒していながら、それが全てを喰らい尽くしていた。間違いなくこの日のベストアクトどころか、ここ最近観たライブの中でも郡を抜いて凄まじいライブだったと思う。世界よ!!これが本物のサイケデリックだ!!

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・非常階段

 そして最後はまさかのキングオブノイズ!非常階段の登場。編成はJOJO氏にKYOKOさんに、他にノイズ担当の方とドラムの人という4人編成の想像より人数は少なかった。しかしBOMBORIの凄まじいライブに応える様に、非常階段は原始的なノイズの暴力で全てを出し尽くしていたと思う。もう一発目のJOJO氏のノイズギターとKYOKOさんの叫びだけで完全にブチ殺されたし、シンプルな編成だったからこそ、暴力的なノイズの快楽だけで勝負する音は熾烈極まりないし、本当にノイズでしかないのに、圧倒的快楽を同時に見せ付けてもいたのだ。性急に叩き出されるドラム、空間を埋め尽くすノイズに、JOJO氏があくまでもロックの感覚を持ちながら、それをやはり強烈な鼓膜を破壊する兵器にしてしまったノイズギター、KYOKOさんの狂気的な叫び、たったそれだけ。たったそれだけでキングオブノイズの本領を発揮し、耳を破壊する熾烈さもありながら、ロック・パンク・ノイズの破壊衝動を聴き手に快楽として叩き付けていたし、もう余計な事なんて考える必要も無かった。JOJO氏はギターを破壊するパフォーマンスもしなかったし、ライブも20分であっさりと終了してしまったけど、たった20分のノイズ地獄、そしてそれが終わった瞬間にやっと殺されてる事を自覚するみたいな感覚。余計な言葉や理屈もいらない!!キングオブノイズはその音だけで全てを証明したのだ。もう凄すぎた!!

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 非常に情けない個人的な話なんだけど、この日のライブはライブ前にサイゼで畜生ワイン飲んで、モルガーナでも転換の度にバーで酒を頼んでいて、非常にベロベロに酔っ払いながらライブを観ていたので、いつも以上にまとまりも内容も無いレポになってしまって申し訳無いのだけど、しかし酒でベロベロになった頭にそれぞれの出演者が放つ、エクストリームミュージックは本当に絶大で、強烈極まりない音が脳髄を蹂躙しまくり、最高に楽しかったし気持ちよかった。この日の国分寺はノイズとエクスペリメンタルの地獄でもあった、しかし同時にそんな音を愛する人々からしたら間違いなく楽園でもあったのだ。こんなイベント今後滅多に無いだろうし、僕の中ではどんなに泥酔してライブを観ていたとしても、一生記憶に残るイベントになったのである。
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