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■Spiderland/Slint


SpiderlandSpiderland
(1994/03/31)
Slint

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 現在、市民権を得て、多くのリスナーに聴かれているジャンルであるポストロック。21世紀に入り日本でも拡散し、広まっていったジャンルであるが、そのポストロックというジャンルに於いてSlintは最重要バンドであると言える。91年に発表された2ndでありラストアルバムである今作の存在は、ポストロックを語る上では絶対に外せない。バンドは今作発売直前に解散してしまったが、ポストロックのシーンに於ける価値は今なおとんでもない物だ。

 今作に録音された音に古い音は一切無い、あまりにも早過ぎた音は、今だからこそ大きなインパクトを持っている。無機質でザラザラと尖った音、無機質かつ複雑なビート、ノイジーであり、妙な残響感覚を持っているギターの音、ポエトリーでありながら、いきなりシャウトしたりするボーカル、延々とループを繰り返し、そしていきなり転調する曲調、これらの全てが現在までのポストロックのサウンドに通じている要素でもあるし、これを91年というポストロックという概念すら無かった時代に鳴らしているのだ。
 決して分かり易い轟音パートがある訳ではない。静謐さから一気に突き抜けそうな様相を見せながらもまた静謐さを取り戻したりするし、美しいメロディでありながら不協和音であり、不穏さと冷徹さを以って鳴らされるギターがやたら印象に残るし、安易なお約束や快楽的要素をSlintは真っ向から否定しているのだ。しかし、パンクを通過した上でのサウンドはどこか攻撃的快楽を持っていたりするし、決して難解で複雑なだけのサウンドではない。mogwaiなどに通じる残響と轟音の快楽的要素が見えてきたりもするのだ。ただそれらの音がどこまでも無機質かつ絶対零度の冷徹さでストイックに鳴っている。

 90年代初頭はSonic YouthやMelvins等、ロック・パンクを否定する事によって新たな価値観を作り出したバンドが台頭した。その中でもSlintの存在は決して忘れてはいけないと思う。Slintは孤高である事は否定しなかった。だからこそSlintが鳴らしていた音は2011年現在でも大きな意味を持っているし、多くのバンドに計り知れない影響を与えた。もう一度言うが、この作品に古い音は全く無い。そう今こそ多くの人に聴かれるべき音なのだ。
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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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