■東京番外地#23(2014年5月4日)@鶯谷WHAT'S UP

 今回のGWに二日連続で開催されたMiDDLE企画である東京番外地。今回はその二日目のライブに足を運んだ。主催のMiDDLEは勿論、Shipyardsと羊数えるとSOONが参戦。更にはAMBER FOURの参戦も決まりイベントとして最強の布陣。ワッツアップはこれまでに何度か足を運んだけど、一番の客入りだったし、GWのホテル街にて敢行された爆音の宴は大きな盛り上がりを見せた。



・AMBER FOUR

 先ずは200mphのヘラ氏と、quizkidの林氏、先日活動再開を果たしたPlay Dead Seasonの印南氏と酒井氏による新バンドのライブから。この素晴らしい4人が新たに生み出す音に期待しか無かったけど、4人のこれまでのキャリアを凝縮した激烈なポストハードコアだった。もうヘラ氏の最初の一発目のドラムの音で全部持っていかれてしまった感じすらあったのだ。ヘラ氏の強靭なドラムのビートに引っ張られながら、印南氏と林氏が歪みまくったディスコダントなギターフレーズを炸裂させまくり、酒井氏のベースがブイブイ言わせまくる。林氏はquizkidとは一転して200mph時代ともまた違うより攻撃的なギターワークで殺しに来てるし、弦楽器隊の3人がボーカルを取っているし、血管がブチ切れそうな煉獄のサウンドは全く容赦が無いし、それでいて変則性も取り込んで更に切れ味を高めるバンドサウンド。プレイした曲は4曲程だったし、ライブ自体は短かったけど、世代を超えたポストハードコアの猛者4人が生み出す血飛沫飛び交う必殺のサウンドはのっけから鶯谷を血の海へと変えてしまった。



・Shipyards

 八王子のメロディックパンクであるShipyardsのライブだが、今回はほぼ近日リリースされる新作2ndの楽曲で固めたセット。1stアルバムは本当に素晴らしい作品だったけど、新作も1stに負けず劣らず良さしかないし、独自のマイナーコードを生かしまくった湿り気たっぷりのナードなメロディセンスはより磨きがかかっていたし、それを絶妙な匙加減の繊細さでライブで体現。楽曲やメロディこそはナードでもバンドとしての演奏は安易なナードさに走って無いし、しかしパワフルなサウンドとも違う。精神的な感情の機微を生かすアンサンブルはグッと来るのだ。相変わらずな脱力MCがあったりしつつ、新たに生み出された名曲を連発して行くが、やっぱりラストにプレイした「Let Alone」は完全に彼等のアンセムになっているし、最後の最後はしっかり一番美味しい曲で締めるからずるいとも思う。何はともあれ近日リリースの新作2ndも凄く楽しみだし、メロディックパンクだけじゃ語れない良さがこのバンドにはあると思う。



・羊数える

 久々にライブを観る事になり、個人的に凄く楽しみだった羊数える。ライブ前にギターのコマツ氏の機材トラブルがあったけど、そんなのいざライブが始まってしまったら何も関係無い!一発目の「ユー・アー・ナッシング」の歪みまくったベースラインがゴリゴリ叩きつけられた時点で羊数えるは聴き手を完全にブチ殺しに来ている。荒々しくソリッドな演奏のジャンクな不穏さもそうだし、基本的にはコマツ氏のディスコダントなギターフレーズの殺気が充満しまくる楽曲でありながら、このバンドはゴリゴリのベースと鋭利なギターの殺意だけじゃなくて、ダークで不気味な冷徹さを更に感じさせる不穏のハウリングギターが充満する引きの部分でも魅せるし、突っ走るだけじゃなくて、引きの部分で落とす事によって更なる地獄を生み出す。しかも今回はまあかまさかのあぶらだこの「米ニスト」のカバーを披露、原曲に忠実ながら、それを羊数えるの音でプレイする事によるジャンクなハードコアサウンドは痺れたし、ラストの「週末ゾンビ」はこのバンドの楽曲の中でも特に必殺だし、金属の音が剥き出しで暴走しまくっていた。最後はコマツ氏がドラムセットに登り、天井のパイプにギターを擦り付けて、ノイズを発生させ、金属が毒電波を発生させながら燃えまくる音を生み出していた。久々にライブ観たけど、本当にブチ殺す音しかこのバンドは出してない!!



・SOON

 今回初めてその音に触れるSOONというバンドだが、バンドの歴史は実は長くて日本のメロディックパンクの重要バンドらしい。しかしメロディックパンクと言うイメージとは良い意味で大きくかけ離れたバンドだと思った。個人的にはメロディックパンクというよりも90年代USエモに近い感覚を強く覚えたし、曲もスッと入り込んでくるけど、ライブを観ていて実際中々複雑で多様だったりとなんだか一筋縄じゃいかないバンドだったし、ライブ自体は非常にシンプルだったりもしたけど、バンドの中に「聴かせる」という部分を個人的に強く感じたりもしたし、丁寧に紡がれながらもその放つ音は凄く熱さがあった。個人的にはセットの後半に新曲だと言ってプレイした数曲が凄くガツンと来た、ヘビィさを強く感じるリフからエモーショナルな風通しの良さと、それと同時にずっしりと耳に残る感覚の両方があって、グッドメロディとリフの重みを生かした楽曲は凄く好みだった。結構沢山曲をやっていたけど、アプローチの多様さで全然飽きさせなかったし、ずっとライブを観てみたいバンドだっただけに、期待以上のライブで凄く良かった。



・MiDDLE

 トリは主催のMiDDLE。去年ワッツアップで出会ってからもう何度もライブを観ているけど、このバンドはポストハードコアバンドとして最高に格好良いバンドだと改めて実感した。余計なギミック無し!正統派爆裂ディスコードサウンドが暴走し、メンバー3人全員ボーカルを取り、熱く血潮を燃やし、ハイボルテージなテンションで突き抜けながらも、ドッシリと構えているからこその安定感と渋さ、何よりもこのバンドはやっぱりワッツアップが最高に似合うなって改めて思った(これまで観たMiDDLEのライブほとんどワッツアップでのライブだけど)。メンバーの一挙一動やステージングも魅せてくれるし、ブンさんはは決して派手に暴れたりとかしないし、あくまでも構えた感じでライブをしているけど、熱さとクールさを両方持っているからこそ凄い様になっているし、一方で動き回り男らしいベースを弾き倒すカワさんも凄く格好良くて、NATOさんのパワフルなドラムと全身全霊さも格好良い。そんな格好良い3人がぶつかり合うからMiDDLEのポストハードコアは凄くガツンと来るし、カオティックさもキャッチーさも全てひっくるめてMiDDLEにしか生み出せない爆裂さがあるのだ。そんな事を改めて実感させられたし、主催として最高のライブで見事にこの夜を総括した。



 個人的な話だけど、三日連続でライブに行った去年と違って、今年のGWに足を運んだライブはこの一本だけだったんだけど、満員状態で物理的な意味で暑かったワッツアップは、更に熱いライブの熱気に包まれていたし、何度か足を運んでいるけど、ワッツアップには独特の磁場がやっぱりあると思うのだ。そんな場所で毎回開催されている東京番外地は、鶯谷と言う音楽とは無縁そうなホテル街の小さなライブバーで繰り広げられる熱狂の夜だし、番外地だからこその面白さだと今回思った。今回東京番外地に足を運んだのは二回目だけど、他のイベントや他のハコと違う渦を今回も感じたし、また是非ともこのMiDDLE企画には足を運びたい。
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