■THE CREATOR OF X カイモクジショウ(2014年6月7日)@三軒茶屋heaven's door

 ヘブンズのスケジュールページに記されてた「暗黒頂上対決!!」とは中々だ。当ブログでもずっと追いかけているヘビィロック云々だとかポストロック云々を超えた国内最高峰の世界を静謐かつ美しくシリアスに描くヘビィロックの最先端であり、最早御大の貫禄すらあるTCOと、ベースレスでストイックに自らのヘビィネスを追及する闇の修行僧バンドことカイモクジショウの2マンライブ。それぞれ一時間弱のロングセットでそれぞれが持つヘビィネスでぶつかり合うガチのタイマンイベント。久々のTCOロングセットライブと、ずっと気になっていたカイモクのライブを観たくて今回足を運んだけど、生憎の雨模様にも関わらず、ヘブンズはかなりの人が集まっていた。そして19時半少し過ぎに暗黒頂上決戦が始まった。



・カイモクジショウ

 先攻はカイモクジショウ。名前は色々な所で聴いてたけど、初めて触れる事になったバンド。先ずベースレスで下手にギタリスト、上手にドラム、そしてステージ中央に女性のボーカルが立ち、ステージ裏には巨大な板がセッティングされてるという中々異様な光景。板にはライブペインティングがライブ中に施される演出だったんだけど、このバンド一発目の音でいきなり殺される恐怖を覚えてしまった。上手く言葉に出来ないんだけど、最小限の編成で生み出すヘビィネスのカタルシスの極限の極限を突き詰めたバンドだったのだ。先ずドラムが凄い!!一発の音が本当に強く、非常にタイトにビートを叩き出しながら、複雑さもかなりあり、しかしビートの強さとおぞましさをストイックに生み出すドラムはとんでもない技量を持っているし、このバンドには間違いなく必要不可欠な存在だと感じた。そしてそのストイックなドラムに何も負けていないギターだ。要塞化したエフェクター達を繋ぎ、ダークなヘビィネスをリフに込めて放ち、不穏な空間系の音を巧みに取り入れながら、あくまでもリフで勝負。そのリフが一々凄まじい破壊力を放っているし、ギターとドラムという最小限極まりない音で生み出すダークなヘビィネスの混沌は凄まじい。そこに乗るのは女性ボーカルなんだけど、そのボーカルもまた非常にボーカリストとして強い存在感を持っていたし、クリーントーンのダークでゴスっぽく耽美さを感じさせるボーカルから、ドスの効いたシャウトまで使いこなし、見た目は本当に普通の女の子って感じのルックスなのに、何かに取り憑かれている様なオーラを放ち、フロントとして圧倒的存在感を持っていた。そんな3人が生み出すヘビィネスはOtepやTOOLやDeftones等といったバンドだけじゃなくて、Cocco辺りの女性シンガーの雰囲気を持ち、女性ボーカルのダークでゴスな情念を、熾烈なヘビィネスとして加速させ、更に統率された混沌として渦を描き、ヘビィさの中で感じるメロディアスさはゴシックでダーク。言ってしまえばヘビィネスとして持つべき魅力を最大限に持っているバンドだと思ったし、何よりもストイックに追求しているヘビィネスがライブで見事に炸裂していたし、ここまでガツンと来るライブをするバンドは本当にいないと思う。凄いライブだった。

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・THE CREATOR OF

 後攻はTCO。ここ最近のライブは本当にバンドとして脂に乗っていて、毎回毎回のライブの完成度が高かったけど、今回は二月のヘブンズのレコ発以来のロングセットのライブ。今回のセットは最新作である「LIGHT」をほぼ全曲プレイするという内容のライブだったけど、リリースから半年以上が過ぎて、何度も何度もライブでプレイしてきた楽曲達がまた新たな進化を遂げている事を改めて実感させられるライブだったと思う。序盤はここ最近でのライブでプレイしているインスト曲をプレイ。1曲目は最早御馴染みになっている「Resonance」からだけど、これまでずっとライブでプレイして来ただけあって、アンサンブルの安定感は本当に逞しい物だ。坂本氏がこれまでと違って、前回のFEVERでのライブから6弦ベースから4弦ベースへと変更したと言う変化こそあったりするけど、バンドとしてのアンサンブルの繊細さと大胆さの触れ幅は良い意味で無くなって、その両方を兼ね備えた音をとうとう生み出すまでになったと思う。TCOもカイモクジショウに負けず劣らずストイックなライブを展開しているけど、音源をただ再現するのでは無くて、音源の完成度を保ちながら、より生々しい音を放つという簡単そうで実は凄く難しい事を平然とやってのけてしまうのが本当に凄い。「Out For Three Days Straight」、「Settle」、「Pass Away」といったインストの楽曲たちもそれぞれのベクトルを向いている楽曲だし、クリーンな静謐さ、サイケデリック、轟音、ヘビィネスという要素をそれぞれ持っているんだけど、アンサンブルが一つの形として見事に成立している今のTCOがそれをプレイすると、本当に一つの世界として統率されるし、一曲一曲がライブでは確かな役割を持ち、一つのセットで一つの作品としてのライブとでも言えば良いのか、一時間弱のセットで描くのは一つの神々しい物語なんだと思う。
 後半はボーカル入りの楽曲中心のセットで久々にプレイした「LIGHT」はセットの中で大きな物語の変化を担う役目を持ち、研ぎ澄まされたそれぞれの音が一つの轟音の渦を描く瞬間に、観る物を圧倒する音像と情景を生み出す。これって本当に凄い事なんじゃねえか。そして悲哀からの光を描く「Wind Up」は物語の確かなハイライトへと突入する役目を持ち、ここ最近のTCOの楽曲の中で特にヘビィなグルーブを持ちながら、それを破壊的に描くのでは無く、力強さを持ちながらも、確かな優しさを感じさせる音。「Black Star」の清流の流れを持ちながら、スリリングな緊張感は観る物の神経を覚醒させるし、特に音源と全然違う感触になった「You Are」は間違いなく激情であり、グランジだ。歪みの中からの光、救い、そして魂の叫び、ここ最近のライブではやっていなかった歌物の楽曲も、こうしてロングセットでは披露してくれたし、ロングセットのライブだからこそ、こうしたクライマックス感溢れる曲は本当に映える。そしてラストはいつも通り「Acoustic」の創造の混沌で締め。本当にまだまだ可能性しかないライブだったし、国内バンドで今のTCOレベルのライブが出来るバンドってほとんどいないとも思う。新曲も含めて毎回毎回のライブで次の進化が本当に楽しみになるけど、今回はそれが本当に自分の中で強くあった。

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 カイモクジショウとの出会いも大きかったし、本当に足を運んで良かったと心から思える2マンだった。お互いベクトルは全然違うけど、他を圧倒するヘビィネスという点は共通しているし、こうした両者のぶつかり合いは観ている側としては本当に刺激的で最高だ。カイモクジショウもこれから追いかけていくつもりだし、勿論TCOも今後も当ブログでは追いかけていく。こんなバンド本当にいないもん。
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