■Live Noise Alive(2014年6月14日)@新代田FEVER

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 きっと誰もが夢見ていたんだ。最果ての最果てを往くヘビィロックバンドであるBorisがいよいよ最新作「NOISE」をリリースする事になったが、今回はそのリリースパーティであり、まさかの前代未聞の「NOISE」再現ライブ。普通、アルバムの再現ライブって当然ながら作品がリリースされてからする物だし、この日はLPの方は物販で先行販売されていたとはいえ、まだ「NOISE」という作品はリリースはされていない。そんなリリース前の作品の再現ライブとは実にBorisらしいじゃないか。しかもゲストは石川県金沢が誇るドゥーム・ストーナー・ハードコアの爆音重戦車であり、Borisと並び国産ドゥームの最重要バンドとして数えられているGREENMACHiNE!!グリマシも再始動以降は石川や関西でのライブこそあったけど、東京でのライブは再結成後初めてなんじゃねえか。そんな夜だ、当然の如くチケットはソールドアウトだし、オープンしたばかりの時こそ人はまばらだったけど、スタート直前になると本当に人がギッシリに。僕もそうだけど、みんなグリマシとBorisの2マンという実現を願っていた夢のライブを心待ちにしていたんだ。そして新代田を爆音で燃やす夜が始まった。



・GREENMACHiNE

 本当に長年ライブを観る事を夢見ていたけど、こうしてライブを観れるってだけでも本当に嬉しかった。石川県金沢が誇るHARD CORE ROCKであり、ドゥーム。スラッジから爆裂のハードコアを鳴らすGREENMACHiNE。もうSEの「D.A.M.N.」の冒頭を飾るハウリングノイズが聴こえた瞬間に上がるしかなかった。そしてやっとライブを観て分かったのは、GREENMACHiNEはこれ以上に無い位にロックバンドだと言う事だ。やっている事自体はスラッジやらストーナーの流れを汲んだサウンドではある。でも彼等がライブで感じたのは本当にシンプルなまでに爆音リフの応酬と吐き捨てる叫び、速さも重さも自在に操るグルーブの殺傷力。とにかくロックバンドとして強いのだ、爆音のリフはただ破壊力しか無かったし、ノンストップで繰り出される誰もが聴きたかった名曲たちは徹底してロック過ぎる。音は極限までエグいのに、不思議とキャッチーでもあるし、ハードコアとロックという両方の意識にスラッジとかストーナーとかドゥームの危険成分を詰め込んでいるからこそ、エクストリームサウンドを最大限の分かりやすく、何よりもブチ上がるしか無くなるキャッチーでおぞましいサウンドとして放つ事が出来るのだ。ライブは50分程のロングセットだったけど、爆裂サウンドを全身で浴びてモッシュしてたら気づいたらライブは終わってしまった感じで体感時間は30分程だったと思う。ずっとライブを観たくて仕方なかったけど、いざライブを体験したら最高に危険なロックだったし、BorisやEEやチャーチと並んでドゥーム四天王と呼ばれていた彼等の凄さしかなかった。爆音は、ドゥームは最高に危険で格好良いって事を教えてくれた。もう最高過ぎたし、聴きたかった曲は大体プレイしてくれたし、言う事無しだったよ。やっぱGREENMACHiNEって凄いわ。

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・Boris

 長い転換が終わって、いよいよBorisのアクト。いよいよ最新作「NOISE」の全貌が明らかになるライブ、今回「NOISE」に収録されている楽曲の多くはこれまでのライブでも披露されていたけど、いざ散らばったピースが組み合わさるとどうなるのか、本当に楽しみだった。そしていよいよ始まった。開始早々にステーrジは既に大量のスモークに包まれていて、そして多くのメロイックサインが突き上げられる。先ずは「黒猫メロディ」からキックオフ。これまでんおライブでも披露していた「New Album」で見せたポップネスからのBorisの進化系とも言えるこの曲だけど、ポップネスはそのままに、よりサイケデリックさが増幅し、正に彼方から放たれる音にいきなり昇天しそうになってしまう。曲自体は非常にポップなのに、そこで終わらないのがBorisだし、ポップさと爆音のエグい音と、それらが生み出す最果感覚と彼方感覚の行き着く所にある極上の光のサイケデリックさ、特にラストのギターソロは本当に「連れて行かれる」という感覚を覚えたし、のっけから必殺の名曲でブチ殺して来やがった。続く「Vanilla」はこれこそBorisのヘビィロックという必殺の曲であり、ストーナー要素を持ちながらも、今まで以上に堂々とポップな必殺の一曲。しかしただのヘビィロックで終わらない一筋縄ではいかなさがやはりあるし、Borisがライブで見せるヘビィロックの真ん中を行きそうで行かない感覚があったし、爆音のギターが生み出すサイケデリックな高揚と陶酔、突き刺すドラムの躍動が見事にマッチし、放つ音の快楽は格段の物だった。
 頭の2曲はヘビィロック色全開のBorisだったが、Atsuoの銅鑼の乱打から始まった「あの人たち」で流れを完全に変える、スモークの量は更に増え、平然とフロアの前の方ですらスモークに覆われてしまう。そして一転してくぐもったサイケデリックさとダウナーさ、沈み行く中で揺らぐ感覚と、細かい神経まで覚醒させられる音。改めて思うけど、こうした振り幅の大きさこそBorisが持つ魅力だし、単なるアンビエント・ドローンなアプローチでは無く、そこで歌を基調にしているから最高の悲哀が生れるし、その音に陶酔しきってしまう。wata嬢がボーカルを取る「雨」ではwata嬢とTakeshiの歌は本当に消え入りそうな物だったし、何よりも轟音と爆音の洪水が生み出す異次元感覚は凄い。何よりも最初から轟音でバーストして来るから破壊力が本当に凄い。そんな轟音の洪水を切り裂くAtsuoのドラムは音数こそ少ないけど、本当に観る者の一人一人に対して刺し殺してくるドラムを叩いていたのも印象的だったし、スモークで覆われた三人の姿は本当に神々しかった。一方で「太陽のバカ」というギターポップ色の強い曲では、ステージからスモークが消え去り、三人が明確に姿を現した状態でライブをしていたのも印象的だったし、浮遊感を絶妙に残しながら、ヘビィなリフも取り込む音、横ノリのグルーブとポップさと揺らぎが一つの形に集約されていたのも大きい。
 しかし本番はAtsuoの「今、A面とB面が終わりました。引き続きC面とD面をお楽しみ下さい。」というMCから始まった20分近くにも及ぶ大作志向Borisの集大成とも言える哀歌「Angel」からだった。wataの終わり無く反復する悲哀を詰め込んだアルペジオのフレーズから胸を掻き毟られ、引き裂かれる痛みを勝手に感じてしまうし、再び常識の範囲外のスモークの中から響く歌と音色。アンビエントとヘビィネスの融合はBorisの一番のお家芸だけど、何度もライブで観たこの曲は完全な形で孵化し、完全すぎる形で生まれた最強のエレジーだ。その音像は浮世離れし過ぎているし、震える美しさ。そして壮大なストーリー性。こんな大作をライブのセットに普通に組み込んで来たのも凄いけど、こうして「Angel」が「NOISE」という一つの作品のパーツとして鳴らされて気づいたのは、分断された世界に対するレクイエムであるという事、悲壮感すら芸術にしてしまっている事。もうそれだけだった。
 そんな大作の余韻をBorisが残すかと思ったら大間違いだ。「Quicksilver」だ。Borisの最新で最強のアンセムによって煙の向こう側の世界から一気に光が差し込む世界へと変貌させた。Atsuoのカウントから爆裂のギターリフのイントロが響く瞬間にフロアは待ってましたとばかりにモッシュが発生。疾走するDビートとポップネスとヘビィネス。そうだよBorisはやっと俺達にその姿を見せてくれた。スモークも無くなり、クリアになった視界はこの曲と最高にリンクし、青き疾走と共に燃え上がる最高のアンセムだったよ。でも結局Borisはまた俺達を置き去りにする。アウトロのドローンノイズの激重爆音の渦によってまた視界は歪み、聴覚は狂い、そしてフロアへとダイブするAtsuo。この「Quicksilve」は間違いなくこの日のハイライトだったし、Borisのこれまでと今とこれからを確かに繋げた瞬間だった。そして最終曲「シエスタ」はFEVERの電源が落ちた事によって演奏されず終了。アンコールも無し。非常にBorisらしい結末で最高のレコ発パーティを締めくくった。

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セットリスト

1.黒猫メロディ
2.Vanilla
3.あの人たち
4.雨
5.太陽のバカ
6.Angel
7.Quicksilver



 Borisはこれからはアメリカツアーへと出向き、9月に再び日本に帰ってきてライブをするけど、こうして全貌を明かし、また僕達を置き去りにしてしまったBorisというバンドは本当に特別なバンドである事を改めて実感したし、GREENMACHiNEも最高のHARD CORE ROCKをブチかましてくれた。誰もが夢見ていた夜がこうして今回実現した訳だけど、本当にその夢が現実になった瞬間、それは想像を遥かに超える特別な物だった。ありがとうGREENMACHiNE。ありがとうBoris。僕はやっぱりロックがドゥームがハードコアが大好きだ。心からそう思うし、全方位から迫るエクストリームサウンドは全てが特別だったんだ。
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