■SUBMERGE(2014年6月15日)@小岩bushbash

 ライブハウス企画とは思えない位の凄い濃密なイベントだったと思う。ブッシュバッシュ主催の今回のライブだけど、国産ドゥームの雄であるNEPENTHES、熊谷のグラインドコアヒーローリトバスに、漆黒の若武者NoLAに、深淵の世界の音像を鳴らすELE-PHANT、そしてATOMIC FIREBALLのメンバーが新たに始めたREDSHEERというありえない組み合わせだ。ええ、そりゃ勿論行って来ました。ぶっちゃけ小岩は住んでいる場所から電車で一時間はかかるし、凄い遠いんだけど、でもやっぱりブッシュバッシュは熱いライブあると遠くても足を運んでしまうんですよ。そんな感じでのんべんだらりとブッシュバッシュに足を運び、スタート予定より10分程押してイベントは始まった。



・ELE-PHANT

 先ずは今回初見となったELE-PHANT。ギターレスの3ピースで、ベースの人の足元には大量のエフェクターとマックブックと足で弾くタイプのシンセとかあって要塞化していたし、どんなバンドか全く想像が出来なかったけど、いざその音をライブで体感すると形容不可能な音に余計訳が分からなくなってしまった、上手い例えが俺の頭じゃ見つからないけど、サイケデリックゴシックスラッジだと無理矢理に形容するとそうなる。ボーカルはエコーやリヴァーブがかなりかかっていて、彼方から聴こえてくる感じだし、スラッジのビートの方法論を用いているけど、半ばギター的な音を出すベースの放つ旋律はゴシックな美しさもある。上手く例えられない音楽性ではあるけど、難解かと言うと全然違うし、こう彼岸から手招きする音なんだと個人的には感じたりもした。引き込まれる物はかなりあったし、揺らぐ音像とヘビィさの狭間を行き来する音はかなりオリジナリティ溢れる物だった。

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・NoLA

 今年に入ってからはライブを観るのは初になるNoLAだけど、先日のオーストラリアツアーを経て、いったいバンドがどう進化したのか非常に楽しみではあったけど、NoLAは海外ツアーを経て本当にバンドとして大きくなっていた。4人編成になったばかりの頃にあった固さは完全に消え去り、ツインギターになった事によってアプローチの幅が大きくなったのも大きいけど、2本のギターが生み出す音は漆黒の轟音という表現以外何も浮かばない暗黒で暴虐すぎる音を鳴らしていたし、ただでさえ激重のサウンドだけど、より速さも遅さも含めてエクストリーム成分の純度が高くなっていた。バンド全体のグルーブと演奏が本当に一つの得体の知れない生き物になっていたし、ボーカルのタケル君のパフォーマンスはいつもに比べたら少しだけ大人しかった気もしながらも、相変わらずフロアに飛び出したりしてたし、バンドとしてのカリスマ性も凄い事になっていた。未音源化の楽曲もいよいよ一つの形に結びついていたし、中でも静謐なダークさを押し出した新曲はNoLAというバンドの新境地だし、これは4人にならなかったら生み出せなかった音だろう。何よりも本来の意味でのキャッチーさとは程遠い音楽でありながらも、バンドとしての強さやブチ殺される感はより明確になったし、それはNoLA流のキャッチーさでもあるのだろう。ただ単純にヤバいとしか言えないライブを堂々としていたし、本当に海外から帰って来て、凄まじい進化を遂げていた。それと本当に早く次の音源が聴きたくて仕方ない!!

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・REDSHEER

 今回ライブを観るのを個人的に凄い楽しみにしていたREDSHEER。メンバーの方々がやっているバンド等に関しては詳しい予備知識は無いけど、このバンドのライブはもう何と言うか震えるしか無かった。音楽的にはもうカテゴライズは出来ない。Slint系統のポストロック、カオティック、ポストメタル、エモ、オルタナティブ、言ってしまえば全部あるんだ。編成こそシンプルな3ピースだし、音数こそ多いバンドじゃないけど、もう一発目のギターの音の金属の残酷な冷たさしかない音が最高だし、硬質なビートを複雑に展開させていくビートは快楽でもあるんだけど、単に気持ちの良い音で終わってくれない。このバンドの持つコード感やメロディセンスは紛れも無くダークで閉塞感溢れているのに、何故か胸を掻き毟られそうな感覚になるし、ダークさと痛々しさから生み出されるエモーショナルさなんだと思う。悲痛に叫びを繰り出し、ポストメタル的な美意識を感じる楽曲であるにも関わらず、壮大なアプローチで世界を広げては来ない。ジャンクな感覚を残した音からは引き摺り回される様な、心臓だとか肉体をガリガリと削られる様な、もっと内側の内側に入り込んでくる様な、そんな自己嫌悪と精神的苦痛でのたうち回る事すら気付いたら快楽になってしまう様な、凄いざっくりとした言い方になるけど、割礼だったりとか、TOOLだったりとか、もう何だろう、ジャンルだとか関係無しに聴き手の内側を抉る、ズブズブと沈む、彼岸側の最高のバンド達と同じ物を感じた。勿論それぞれのバンドのアプローチは違うし、これが強引な括りになってしまうのは承知しているけど、音楽が持つ負の方向の側面の一番危険な成分だけで生み出されたのがREDSHEERの音なんだと思う。たった一回ライブを観ただけじゃバンドの全貌なんて掴ませてくれなかったけど、でも本当に震える美しさと痛みに満ちたライブをしていたし、このバンドはこれから追いかけて行きます!!

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・Little Bastards

 一転して熊谷のグラインドコアヒーローであるリトバス。もう最初の最初のMCで「今日は難しい事は言いません。Little Bastardsとグラインドコアの二つだけ覚えて帰って下さい。」って言ってしまうシンプル過ぎる明快さから。「頭に余裕があればこれも覚えて帰って下さい。デイバーデーイ!!!!!」って流れがもう最高だったし。一発目はもう安心と信頼のグラインドコアアンセムであるDay BY Dayからスタート。リトバスのライブは一年振りに観たんだけど、このバンドはそのMCだったり音もそうだけど、グラインドコアを最高にキャッチーにしているバンドだって改めて思った。とにかく速くて荒々しいんだけど、根底の部分にあるのはもっと純粋なハードコアパンクだと僕は思うし、合間合間に笑わせてくるMCを入れながらも、一曲一曲はストレートに駆け抜けていくし、長年積み重ねた物もあるからこその強さと楽しさがリトバスのライブにはあると思う。それに「Day By Day」はやっぱり最強のアンセムだけど、他の曲も全然負けてないし、一心不乱に突っ走る音は確かな意志を感じさせながらも、観る物を笑顔にするポジティブなヴァイブスに満ちているし、だからこそリトバスのライブはただ単純に楽しい!!熊谷のグラインドコアヒーローは小岩でもしっかり存在感を見せつけまくった。

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・NEPENTHES

 トリはNEPENTHES。少しライブを観るのは久々になったんだけど、リトバスからの流れを見事に受け継いで、最高のパーティを生み出していたと思う。やっている事は純粋培養のドゥームメタルだし、グラムさやキャッチーさこそあるけど、相変わらず音が半端無く大きいし、極太のグルーブとリフの暴力性はギンギンになっていたけど、この日はボーカルの根岸さんが本当に絶好調だったと思う。今まで以上に野獣と化していて、何度もフロアに飛び出しては暴れているし、お客さんにガンガン絡んでいくし、僕も結構酒飲んでたからってのもあったけど、何度も根岸さんに抱きつかれたり、マイク向けられて一緒に叫んでしまったりもしていた。MCで「酒を飲んでるか、そこが重要。」なんて言っていたけど、NEPENTHESはただ極悪なドゥームを鳴らすバンドなんじゃなくて、酒で酔ってサイケデリックでヘビィなドゥームメタルでギンギンになっちまおうぜって感じのバンドだとやっと分かったし、変な言い方になるかもしれないけど、ドゥームメタル側のパーティバンドなんだと思う。そりゃエグい音で爆音でブギーする音を浴びていたら酒も美味いし、酔ってただ本能でその音を楽しみたくなるじゃん!!最初はYシャツにジャケットを羽織ってた根岸さんも、案の定最後はいつも通り服は脱げてたし、最後は客の女の子ともみくちゃになって終わりと言う何ともらしい終わり方。前日にGREENMACHiNEのライブを観たのもあるけど、ドゥームってやっぱりロックとして最高に格好良いんだよ。それをNEPENTHESは教えてくれた。

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 僕自身は前日のBorisとグリマシの2マン後に飲みに行って二日酔いでブッシュバッシュに足を運んだけど、それぞれベクトルこそ違っても最高のバンドばっかりだったし、調子に乗って酒を煽っていた日だったけど、ハコ企画でこんな濃密なイベントになるってのが凄いし、そこはブッシュバッシュの良さでもあると思う。毎回小岩は正直遠いと思いながらも足を運ぶのは、こんな最高のイベントがあるからなんだと僕は思う、兎に角最高に楽しかったんですよ!!
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