■Lives/wakamiya


LivesLives
(2014/09/10)
wakamiya

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 「Lives」なんて本当に堂々としたタイトルを作品に冠したと先ず思った。山形にて結成され、現在は東京を拠点に活動する激情系ハードコアバンドであるwakamiya、一時期は3ピースだったけど、去年から再び4ピースになり、そして現在の編成になって初の音源であり、遂にリリースされた1stフルアルバムが今作だ。リリースはバンドの自主レーベルであるHunt Recordingsからで、いよいよwakamiyaというバンドが本気で攻めに入った。そして何よりも激情系ハードコアの若手バンドとしての気迫と覚悟、それが、見事に作品になったと思う。



 元々はインストバンドだったし、これまで自主制作でリリースした2枚のEPでもそうだけど、wakamiyaというバンドは青きメロディを最大限に生かしながらも、マスロックやポストロックといった要素もかなり盛り込み、激情系でありながら、独自のスタイルを追求していた印象が個人的にかなりあったのだけど、今作で見事に自らのサウンドをネクストステージに持って来た。これまでの作品以上にストレートな音が増えたと思う。第一曲「狼煙」からタイトル通り宣戦布告の狼煙であり、のっけから青き衝動をそのまま音にしたギターストローク、爆音かつ轟音で炸裂する美しき激情、喜早氏のボーカルもねっけから激情の叫び。マスロック色の強いテクニカルなギターフレーズと、疾走するドラムのビートと、バキバキに歪んだベースと言うwakamiya印のサウンドはより濃密になっているし、喜早氏のポエトリーとまくし立てる言葉の数々と叫びのボーカルもより確固たる物になっている、静謐な音もあるけど、よりドラマティックな楽曲構成になり、爆音でストレートになった音は本当に説得力に満ち、バンドとして根本的に強くなった。フルスロットルで爆走し、激情系ハードコアの美味しい所を全部持ってちゃうんですか!?な第2曲「陽引ノサダメ」でもより磨き上げられた珠玉のメロディとバンドとしての強さがこれまでとは桁違いだ。持ち前の静と動の対比と元々はインストバンドだった経験を生かし、クリアな旋律と共とシンガロングパートから、完全に歌に振り切ったボーカルが涙を誘いまくりな第3曲「akaridori」ともうこの作品にはクライマックスしか無いのかって感じになるし、第5曲「Lives」はもう言葉と音が自由自在に美しい色彩を描きながら轟音の渦を生み出し、ソリッドなサウンドで今作でも特に攻めに振り切った楽曲でありながら、日本語詞にて生み出す感情の渦の連続がサウンドと見事にシンクロし、熾烈な音になっているのに、どうしてこうも優しくも激しく胸を抉るのだろうか。
 今作の後半の楽曲になるとより顕著になるのだけど、wakamiyaというバンドの魅力はそのサウンドだけじゃなくて、日々の喜怒哀楽といった感情と情景を愚直なまでにストレートに言葉にした歌詞も大きな魅力であるし、叫び、ポエトリー、まくし立てるスポーキンボーカル、クリーントーンの歌、自由自在にボーカルスタイルをサウンド同様に変化させながらも、どんなボーカルスタイルであろうとも、言葉の数々は聴き手に真直ぐ伝わってくる。音楽性としては多様さもかなりあるのに、wakamiyaというバンドの楽曲はどれもブレを感じないのは、基盤として常に青く切ないメロディが咲き乱れている事と、その言葉の数々であろう。まるで葛藤と苦しみと共に、その音をこれからも伝えると言う覚悟を歌った第8曲「Kaimen No Hana」は涙無しでは聴けないし、そして第9曲「迎え火」、最終曲「水無月」はそんな今作を締めくくる最高のクライマックス、痛みも苦しみも歌いながらも、wakamiyaにあるのはどこまでもポジティブなエネルギーであり、そして日々を生きる人々の為のアンセムであるのだ。



 wakamiyaというバンドは本当に不器用なまでに真直ぐなバンドだと思う。青き激情を鳴らす素晴らしいバンドは他にもいるけど、wakamiyaはもうwakamiyaでしか無いと思わせるのは、その音と言葉を、他のどのバンドよりも真直ぐに伝えてくるからだと思う。バンド自体の演奏技術はかなり高いし、かなり複雑な楽曲をプレイしているバンドである筈なのに、結局はストレートなメロディと言葉で勝負している。だからこそwakamiyaには説得力しかない。それぞれの日々を生きる人々へのメッセージでありマスターピースだ。wakamiyaがこれからを間違いなく作り上げるんだ。



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